「これならあまり戻さないな」 「あぁ。このエネルゴン。さっぱりしてて飲みやすい」 地球で取れるエネルギーだと濃度や成分的に偏りがあってよくないとメガトロンはアストロトレインに部下を何人かのせて 他の惑星まで取りにいかせた。惑星によってはスタースクリームの今の体調に合うエネルゴンが見つかりそうだ。 「まさかあのメガトロン様がここまでしてくださるとはなぁ」 「完成したスパークはデストロンのものだからな。お前らの知性。強さからできたスパークなら 優秀なデストロン兵士が出来るかもしれん。お前の裏切り行為や阿呆な部分が引き継がれなければ良いが」 「けっ、好きにしやがれ。俺は外でも飛んで来る」 スタースクリームはメガトロンの頑張りもあり、体調はよかった。 それでも時々はエネルゴンを戻したりすることもあったが、最初に比べれば随分良い。 またスタースクリームの自虐、及び体内にあるスパークを壊そうとする動きもなくなった。 スカイファイアーが止めたのだ。 「今日は風が冷てぇな…」 海上に出て久しぶりに外気に身体を晒した。 最近は具合が悪かったり外に出れなかったりで全然だったしな。と、空高くまで飛んで雲の中を突っ切ってみたりする。 ぴたっと止まってそのままジェットを切って落下する。 海面ギリギリで点火して水しぶきを上げながら海面を飛んだ。 「良い気分転換になるぜ…」 こいつは邪魔だけど。とスパークがあるだろう腹部を少しだけ撫でた。 * 「っと…」 ガシャンと音を立ててデストロン基地内に着陸する。少し身体が冷えたが楽しかった。 そのまま顔を上げると目の前にはスカイファイアーがいた。 「うおっ…なんだ。またデストロン基地に来てたのかよ…お前サイバトロンだろ?」 「どこ、行ってたんだい?」 「え?どこってそのへん」 「そのへんってどこだい?」 あ。怒ってる。 スタースクリームは気付いた。笑ってる。顔は笑ってるが怒ってる。 「……」 「私の記憶違いじゃなければ3日前にも言ったはずなんだけどね」 「………あー」 「この間言った言葉、全部もう一度言おうか?」 「いや、いい」 「言うよ」 「いいって」 「いいかい。スタースクリーム。妊娠中は身体を冷やしちゃいけないんだ」 「妊娠って言うな」 「おなかの子に触るし君の身体にも負担がかかる」 「おなかの子っていうな。スパークだ」 「空を飛ぶだなんて…しかも今は冬じゃないか。君の姿が見えないから私は何かあったのかと心配で」 「それこの間も聞いたぜ」 「頼むから一人で飛ぶなんてしないでくれ。どうしてもと言うのなら私も」 「それこの間聞いたって…」 「もう一度言っているんだ」 スカイファイアーはスタースクリームの肩をがっちりと掴んで言った。 スタースクリームはスカイファイアーが苦手だった。つい最近気付いたのだが過保護だ。凄く。 空を飛べばついてくる。躓けば姫抱き。怒れば慰めてくる。怒るとスパークに影響があるらしい。 とは言ってもこいつは地球の書物で妊娠について調べたらしいのでつまるところ哺乳類の話だ。 金属生命体の俺達はすっころんだくらいじゃスパークは壊れない。 身体を冷やしても特に問題もないし、腹を強打しても大丈夫だ。サイバトロンとの戦闘にも復帰したし。 「わかったって。今度は一声かける…」 「…君一人の身体じゃないんだからね…」 「……あぁ」 「…スタースクリーム…」 スカイファイアーはスタースクリームの腕に触れて顔を近づけた。 「冷たい」 「と、飛んできたからよ」 「…スタースクリーム」 「んっ…」 唇に触れる。 「落とせ!」 「おーけい!」 悲鳴も上がらなかった。 スカイファイアーとスタースクリームは何かに押されて今の今まで飛んでいた冬の寒い海に落ちた。 ばしゃーん!と凄い音がする。海に落ちて水しぶきが高く上がった。 「ナイスフレンジー!」 「いやぁ、綺麗に落ちたねぇ!」 「基地内部でのいちゃつきは禁止だぜぇ〜?スタースクリーィーム」 「ぷはっ!てめぇ!スカイワープ!」 「……スタースクリーム!怪我は!?」 「ねぇよ!おら!フレンジー!てめぇもか!」 海面から顔をだして上を見上げるとそこにはスカイワープとフレンジーがいた。 スカイワープはビーグルモードで機体の上にフレンジーがハンマーアームの状態で乗っていた。 いちゃついていたつもりはないだろうが、いちゃついて見えたスカイワープとフレンジーが結託して 高速で飛んできたスカイワープに乗ったフレンジーのハンマーに突き飛ばされたのだ。 「普段そんな連携みせねぇくせに!」 「そっちのでかぶつ落とす為にはこれくらいのスピードと力じゃねぇと」 「今の実戦でも使えるかもなー?」 「この愚か者どもが!!!!」 「ぎゃあ!」 「うぇっ!」 メガトロンがフレンジーとスカイワープの背中を蹴るといとも簡単に2体は海に落ちた。 メガトロンの後ろにいたサンダークラッカーはなんで飛ばないんだろ?とスカイワープ達に哀れみのため息をついた。 「スタースクリームあがってこい」 「好きで入ったんじゃねぇ!」 「サンダークラッカー。拭いてやれ。冬に海は流石に冷えすぎだ。あの愚か者めが…」 「…へーい」 「スタースクリーム。私に掴まってくれ」 「自分で飛べる!」 「そうはいかない。さぁ、部屋に戻ろう」 「愚か者めが!サイバトロンは帰れ!」 「そうはいかない。」 メガトロンがスカイファイアーを怒鳴りつけた。 頭いてぇとサンダークラッカーは思った。 「スカイファイアー」 「サンダークラッカー?なんだい?」 「これ、吸水性の良い布な。拭いてやれよ」 「あぁ、ありがとう」 さも当然のごとくデストロン基地内をぶらつく。そして誰もがそれを容認していた。 「…お前もうデストロンになればいいじゃねえか・・・」 「いやそれは出来ない」 「貴様まだのこのこと!さっさと出ていけえ!!!!」 「いやそれは出来ない」 サンダークラッカーはグレンに頭痛のリペアをしてもらおうかと思った。 * 「ついてくんな!」 「君の身体を拭いたら帰るよ」 「本当だろうな…」 スタースクリームを姫抱きにしてスタースクリームの自室まで行くと寝台に座らせた。 そしてサンダークラッカーから受け取った布で身体を拭いていく。 スカイファイアーの黒い手でスタースクリームの青い手を拭いていく。指先まで。 「そんな丁寧に拭かなくてもいいぜ」 「私が拭きたいんだ」 部品の隙間まで丁寧に拭う。 あまりにも丁寧で優しい拭き方をするのでスタースクリームはぞくっと背筋を振るわせた。 「んっ」 「……スタースクリーム。あまりそういう声ださないでくれ」 「ち、ちがっ…ひっ…お、まえわざと…」 「…今のはわざと」 「てめっ…ぎゃっ…」 ひやっとしたので見るとキャノピーを開いて部品を舐めるスカイファイアーと目が合った。 スカイファイアーの息がキャノピー内部の部品に触れてぞくぞくする。 「海水の味がする…」 「舐めるっ…あ」 「スタースクリーム。君と最後に繋がったのはいつだったか覚えてるかい?」 「んっ…やっ…」 いつだったか?覚えてねぇと内心スタースクリームは呟いた。 しかし1000万年は昔だろう。その間スタースクリームはこういう行為をしなかった。 スカイファイアー以外に触らせたくなかったなんてそんな崇高なもんじゃない。 相手がいなかったというのもあるが、スタースクリームはこの行為が好きではなかった。 自分はどうも快感に弱いところがある。 気持ちよくなってくると理性がとんでいらぬことを口走ったりするからいやだ。 「やっあ…あっ…」 「ここ緩んでるよ。スタースクリーム。メンテナンスをしてないね」 「んっ…んん!」 歯で配線やボルトを甘噛みされる。 久しぶりの、1000万年ぶりの快感に背筋が震える。 指先が震えてスカイファイアーの頭に手が回る。 頭を抱え込むように背中を丸めたスタースクリームはびくびくと反応した。 「スカ…っふぁいあぁっ…んっ」 「……スタースクリーム…」 「キス…したい」 「…うん。私もだよ」 スタースクリームがゆっくりしがみついていた頭を放すとスカイファイアーは キャノピー内部を弄るのをやめてスタースクリームの唇に触れた。 「ん…」 「…口開いて」 「……スカ…ファ…」 「もっと…」 小さく口を開くので舌で無理やり口を割って舌を押し込んだ。 舌を絡めてぴちゃぴちゃと音を立てる。 「…ん…まて…」 「待てない」 「……待て」 「待てない」 「…本当待て」 「なんだい?スタースクリーム。今、」 「吐きそう…」 「……」 スカイファイアーはスタースクリームの背中をさすった。 スタースクリームとの行為はまだまだお預けのようだ。 「スパーク完成っていつだっけ…?」 「……後…1000万年くらいじゃねぇか?」 「…………」 「何か…人間単位でまだ2、3ヶ月レベルらしくて…」 「……じゃあ、1000万年一緒にいようか…」 「………」 「1000万年。我慢できるよ」 「……そうかよ…」 気持ち悪いのかスタースクリームは全体重をスカイファイアーに預けた。 「機体どうしようか?」 「なんの」 「スパークの」 「……」 「最初何百万年かは小さめの機体に入れて精神的に大人になったら大きい機体にスパーク入れ替えるらしいよ」 「……ふーん」 「私は君に似た機体にしたいな」 「それじゃあジェットロン似じゃねぇか…お前似で良いよ」 「指先青にしようか?」 「…全身白でいい。羽の一部分だけ赤で」 「それじゃあ私そっくりだよ」 スカイファイアーは笑ってスタースクリームの背中を撫でた。 スタースクリームは唇を尖らせて少しだけ目元を赤らめた。 「楽しみだね。スタースクリーム」 -------------------------------------------------------------------------- まさかの長文でした。 メガスタの妊娠ネターっていくつかコメ頂いたんですが メガスタは幼児のほうにしたんでスカファスタにしました。 かなりの捏造ですwwオールスパーク涙目wwwww トランスフォーマーの二次創作サイトなので捏造は目をつぶっていただきたい! とりあえずラブラブなスカファスタが書きたかったんだ!! 書く際にネタ提供者、情報提供のAさんと 総合してネタ提供、相談にのってくれたともるさんに大感謝です!ありがとう! 最後まで読んでいただきお疲れ様です^^有難う御座いましたw ちなみにちょっとした続きはこちら