<注意>


超捏造です。
スパーク=魂的なもの
ベクターシグマ=セイバートロン星のメインコンピューター。
パーソナリティープログラム=ベクターシグマがTFに命を授ける際に施すプログラム
パーソナルコンポーネント=トランスフォーマー達の中心的(精神・知能)回路
シークレット・センサー・スキャン=トランスフォーマーにある感情装置


↑こんなのもうしらん!!
TFのシリーズによってはスパーク=パーソナルコンポーネントだったり
「スパークはオールスパークより来て、死んでそこに還っていく」とか発言があったり
全体的にTFはご都合主義の塊なんで捏造大丈夫方のみスクロールで。

















「……なんか最近エネルゴンの質下がったか?」
「は?」
「なんで?」


サンダークラッカーとスカイワープがエネルゴンを補給しながらこっちを見た。


「なんか不味く感じるんだよなぁ」


一言呟くとスカイワープはじゃあお前のぶん貰って良いのかと尋ねてきたので
自分の分をほおばった。




maternity






「メガトロン様」
「む、どうした。スタースクリーム」
「明日から私のエネルギー支給を固形、液体での口内補給でなく直接身体に取り入れるタイプに変えたいのですが」
「何?また面倒な…」

トランスフォーマーには液状、固形などでエネルゴンを口から補給する方法のほかにも管で直接体内に流し込むような
摂取方法もある。むしろそっちが主流なのだがメガトロンは地球人じみた摂取の方法を好んでいる。
最近ではいかにしてエネルゴンの味付けを変えられるか、口内に含んだ時に甘いや辛いなどの楽しみがあったほうが
面白いだろうと考えているらしい。サウンドウェーブいわく味付けは無駄なことではなく
エネルギー成分を調整して吸収が早かったりするらしい。詳しくは良く分からないし興味もない。


「何故だ。お前一人だけのために基地全体のエネルゴンを」
「私だけで構いません」
「そうはいかん。エネルゴンは奪取直後に保存方法によって摂取方法も変わる。お前の分だけ別に奪取しろと?」
「…と、言うかむしろ最近のエネルゴンはちょっと味付けおかしかないですか?」
「…おかしいだと?」
「不味いと言うか、飲み込みにくいと言うか」
「……ふむ…」
「やたら匂いが鼻についたり、飲むと具合悪くなったり」
「………」

暫く顎に手を当てて考える。時には「ん…」と声を漏らして唸っても見せた。
そのそぶりをスタースクリームは黙ってみていると気だるげに息を吐いた。

「……サウンドウェーブはいるか?」
「ここに」


メガトロンが呼ぶとすぐ後ろからサウンドウェーブがあわられた。
どこにいたんだか…
メガトロンはサウンドウェーブに少しだけ耳打ちする。

「出来る限り丁寧にスキャンしろ。特にスパークを」
「了解」

メガトロンがぼそぼそ喋るので聞き取れないがスパークが云々とか言っている。
別に自分に異常はねぇって言ったのに…問題があるのは俺でなく最近のエネルゴンだ。
どんな高濃度なエネルゴンを飲んでも美味くない。


サウンドウェーブは暫く見つめてきたが首を振った。

「特には」
「そうか…思い違いか?」
「何がですかい?もしかしてエネルゴンが不味くなる病でもあるって言うんですかい?」
「…そうだ」

なに!?それは知らなかった。それが本当なら確かに自分はその病かもしれない。

「…俺は…ど、どうなるんだ…?」

しかしメガトロンは頭を捻ってこちらを見ようとしない。
メガトロンはエネルゴンの件は考えておく。と呟いてサウンドウェーブと話し込み始めた。
そんな病気があったなんて知らなかったな。俺は科学者だったから一応そういう病気やリペア方法も
ある程度わかるんだが聞いたことないな。また後でちょっと調べるか。


*





調べよう調べようとしつつ結局調べることも出来ず戦闘が繰り広げられる日々。
1ヶ月ほど前そんな会話をしたのも忘れ始めたスタースクリームだったが事件がおきた。
スタースクリームは今日という日を忘れないだろう。


「ぜーったい怒られるぜぇ。スタースクリームぅ」
「うるせぇっ…ちくしょう…」
「動くなよ…リペアしにくいんだから」


今日の戦闘でスタースクリームはいつもよりも集中砲火を受けて羽を破損し、落下した。
顔面から身体を強打したのだが丈夫なスタースクリームはすぐに起き上がった。
くそサイバトロンめ!と怒鳴り立ち上がると目の前にはメガトロンがいた。
なんだ?と思いつつ破壊大帝の名前を呼ぶと大帝はスタースクリームの腕を掴んだ。

『飛べるか?』
『へ?まぁ…羽取れたんでトランスフォームは出来ませんが…』
『撤退だ!!』

デストロン軍団全員から非難の声がでた。
あの破壊大帝ともあろうお方がサイバトロン相手に優勢な今、スタースクリームが怪我をしただけで撤退を宣言したからだ。





「具合はどうだ?」
「あ、メガトロン様…あとは羽をつけるだけでさぁ」
「ふむ…羽をつけるより先にサウンドウェーブの診断を受けろ」
「…サウンドウェーブの…?」


カセットロンがガラガラと見たこともない兵器を持ち出す。
「?」とジェットロンが全員覗き込むがやはりわからない。


「まさか…メガトロン…お前俺をこの兵器の餌食にするために…」
「ビルドロンに急遽作らせた。横になれ。スタースクリーム」
「な、なんで俺が…ごめんだぜっ!」

逃げようと数歩下がると背中に衝撃を感じた。


「さ、サウンドウェーブ」
「横になれ」

後ろから肩をがっちり掴まれ身動きが取れないまま兵器の近くまで連れて行かれる。


「心配するでない。これは破壊兵器ではなく検査をするための道具だわい」
「検査?」


その検査をするための道具とか言うものに横になってスタースクリームは不安になる。
検査ってなんのだ?俺はどっかおかしいのか?


「サウンドウェーブ。頼むぞ」
「了解。内部スキャン開始」


真上にあるライトがぱっと光を放つ。まぶしい。

「まぶしいぞ!おい!照明落とせ!!」
「うるさいぞスタースクリーム!少し黙っておれ!」
「……頭部異常なし…羽接合部に溶接の後あり」
「あ、それはリペア中だから」

ぶつぶつとスキャンチェックをするサウンドウェーブにサンダークラッカーが言う。

「腹部…異常…腕異常なし…下半身…異常なし」
「おい。最初お前異常なしって言い忘れてるぞ」
「腹部に異常があるからだ」
「なに!?お、俺様のどこに異常があるってんで…!!」

がばっと起き上がるとメガトロンがそれを押さえつけた。
上半身を押されつけられては起き上がれない。
ばたばたと暴れるがメガトロンは気にも留めない。





「どうおかしい?サウンドウェーブ」
「……熱エネルギー反応が強すぎる」
「……もっと詳細まで調べろ。エネルギー反応が強い理由だ」
「……スパークが2つあるな」
「は?」
「……やはりそうなのか…」
「待て待て…何?どういう意味だメガトロン!」


押さえつけられながらも言い渡された変な症例に身体を流れるオイルが冷えた気がした。
どういう意味だ?スパークが…2つ。一つが分裂するような病気はあっただろうか?
ブレインサーキットなど思考がわかれる類の症例はいくつか聞いたが、むしろスパークが分裂なんかしたら死ぬんじゃ…


「スタースクリーム。落ち着け」
「お、落ち着いていられるかってんだ!放せ!メガトロン!!」
「まぁ、落ち着け。スタースクリーム。おめでとう」

メガトロンが呆れたような顔で笑いかけてくる。
なんだ。その顔は。やめろ。その顔をよしやがれ。
俺が死ぬのがそんなに嬉しいのかよメガトロン!許せねぇ!

「てめぇ…!!!」
「スパークは成長を続けている。生成されて600万年ほどだ」
「ほぉ…そうか。凄いではないか。スタースクリーム」
「………は?あの、話がみえない…」
「このデータのここから読むと良い」


サウンドウェーブが古い電光板を取り出したので受け取る。
それにあわせてメガトロンの押さえつける腕もはずれたので起き上がる。
この形のデータ保存は古いタイプだ。2000万年以上は立ってるだろう。
膝の上にその電光板を置いて端にあるボタンを押すとページが切り替わるタイプのもので
セイバートロン星での書物のようなものだ。サウンドウェーブに指定されたページを表示する。


『オールスパークから発生するスパークを空の機体に入れることで新たなセイバートロニアンが生まれ――――』


「なんだこれ?」
「いいからそのまま読め」
「…俺様にこんなもん必要ねぇよ……」

更に目を落とす。ただの仲間の増やし方だ。くだらないな。別に今のデストロンに増員はしなくてもいいだろう。
飛ばし読みしながらページを切り替えていく。


『また、2体の金属生命体のスパークが交じり合うことで稀にスパークが発生する。
その際には安定したエネルギーポッドの中にスパークを預ける必要があり―――』

「まだ読むのかよ?」
「その次がお前に大事なところだ。良いから読め」
「あ〜?」
「わざわざレーザーウェーブとサウンドウェーブがセイバートロン星で探してきた貴重なデータなのだ」
「……へいへい」

『2体のセイバートロニアンから発生したスパークはパーソナルコンポーネントが生成される前でも
元のセイバートロニアンに似た能力、知能、行動を起す。オールスパークで発生するスパークとは異なり
2体のセイバートロニアンとスパークの繋がりがあると考えられる。
また2体のセイバートロニアンのどちらかの体内でスパークが生成されるが、スパーク誕生後は
2000万年の間、2つのスパーク分エネルギー供給する必要があるため、エネルギー消費量は急増する。
それをさけるためにはエネルギーポッドでスパークを成長させ――――――』


「そこまでで良い」
「え?…これがなんだってんです?」
「スタースクリーム。完全に成熟されたスパークが生成されるそれまでにそのスパークを入れるための機体を作らねば」
「はぁ?だから何言って…」

サウンドウェーブが小さく呟いたのを聞き逃さなかった。

「哺乳類などの胎生生物風に言うなら妊娠とも言う」
「…………」
「お前は妊娠した」



スタースクリームの中でヒューズの飛ぶ音がした。












*







「メガトロン。どうした?最近スタースクリームの姿を見ないじゃないか」
「お仕置きされて出て来れないとかかい?」

サイバトロンはコンボイとマイスターの発言に笑った。
メガトロンは無反応にそれを受けた。

「そういやジェットロンの2羽もいないじゃないか」
「実は戦力外通告したとか?あははは」
「いやぁ、清々したって感じ?」



こいつらこそ悪の軍団だとメガトロンは内心舌打ちをした。
スタースクリームを基地から出せない。
いや、基地から出せないなんてもんじゃない。そのためにジェットロンを全員見張りに立たせたのだから










「こらぁあ!!!サンダークラッカー!無視すんじゃねぇえ!!!」
「………メガトロン様早く帰ってこないかな…」
「我慢しろよ。サンダークラッカー。エネルゴン取りに向かったんだ。すぐにはかえらねぇよ」
「おら!!!!スカイワープ!話聞けよ!」
「うるせぇなぁ!がちゃがちゃ暴れるな!」


スタースクリームは檻の中に入れられていた。
メガトロンいわく、暴れないならこんなことはしたくないとの事だ。
両手を拘束具で後ろ手に結わき、ナルビーム等の武器も全部没収中。
サンダークラッカーはもう一度そのスタースクリームの姿を見てため息をついた。

「お前さぁ…もう諦めろよ。サウンドウェーブ言ってただろ?100万年以上体内で生成されたらもう摘出できねぇんだって」
「うるせぇ!!じゃあてめぇ変われよ!こんなスパーク…!!!」
「うおっ!ばか!やめろ!」

檻に身体をがんがんぶつけ始めたスタースクリームを押さえつけるサンダークラッカーとスカイワープだったが
思いのほかスタースクリームの力は強く押さえつけられない。


「お前が作ったスパークだぞ!?」
「お前の子供みたいなもんだろうが!やめとけって!!」
「こんなもんいらねぇよ!気味わりぃ!!」
「だっ…こら!!やめろ!」

サンダークラッカーがスタースクリームの頭を強く殴るとスタースクリームはそのまま動かなくなった。

「……暴れなくするのは良いとして気絶させるのは良いのか?」
「…でもメガトロン様が帰ってきてスタースクリームの体内にあるスパークがつぶれましたとか言ったら殺されるぞ…」
「やっかいなもん作りやがって…」
「つーかこいつの相手って誰なんだよ」
「え?メガトロン様じゃねぇの?」

スカイワープがきょとんとする。
メガトロンがスタースクリームの体内にあるスパークを守れと言うから相手はメガトロンだと思っていた。
しかしサンダークラッカーは腕を組んで首をかしげるとわからないと顔を作った。

「なんかメガトロン様じゃないらしいぜ?」
「じゃあ誰だよ」
「それがちょっと聞いた話によるとエネルギーを与えられないとスパークは成長が止まるらしい」
「ふーん?」
「つまり地球墜落後の約400万年の間は成長が止まってたってこったろ?」
「……そうだな」
「地球での生活もまだ1年たってねぇし…そうすると実質、1000万年くらい前にスパークが作られたってことじゃねぇか?」
「…ん?なんで?」
「だから、今生成600万年だろ。それに成長の止まってた時期400万年だから」
「……あー、もういいわ。わかんねぇから」
「…頭使えよ…」




*






「スカイファイアー」





「コンボイ司令官?」
「メガトロン達は逃げた。皆を乗せてくれるか?」
「もちろん」


スカイファイアーは頷くとメガトロンの去っていった方を見た。

「どうかしたか?」
「…スタースクリームはどうしたんでしょう?」
「そのうちひょっこりでてくるさ。心配なのか?」
「……はい」


足元にいたスパイクは笑みを浮かべた。


「本当に優しいんだね。スカイファイアーは」
「…そんなことはないさ」


研究所で同じ研究員として共にしてるときは凄く仲がよかったんだ。というと
スパイクはバンブルと顔をあわせて笑った。