レセプタの淵をサウンドウェーブのコネクタが擦った。 敏感になっている部分が相手のものを正確に感じ取って自分に知らせる。 ずるずると内部に入り込んでくるのをサンダークラッカーは 息を吐いて耐え抜こうとしていた。 歯を食いしばろうとするとサウンドウェーブが口に手をつっこんできた。 必死に噛み付かないようにする。サウンドウェーブの指に傷がついてしまう。 「ふっ、あ…!だめ…だ!」 「堪えるな」 一度達しているのだ。一度目のようにすいすいと絶頂には昇っていけない。 どんなに愛撫されても平行した快感に浸かっていたり、ほんの少しの触感に 煽られたりもする。 しかし余裕がある時間が一度もないのだ。ずっと快感に浸かったままで 体力だけがどんどん消耗されていく。 「…」 「ぁ、あああ!」 レセプタに少しだけ差し込み、入れたり抜いたりを繰り返していた サウンドウェーブだった。 なのにそのまま少し抜いたと思ったら奥まで貫かれてサンダークラッカーは 悲鳴を上げる。 身体がびくんと寝台の上で跳ねてサウンドウェーブの腕にしがみ付いた。 「動くぞ」 「だ、め…だって!頼む…よ、サウンドウェーブ…!」 しがみ付いていた手首をぎゅっと握られるとそのまま寝台に降ろされた。 押さえつけるとまではいかずとも寝台にぴったりくっつくまで降ろされ その上から一度だけ「このままだ」と手を撫でられた。 そう言われたら自分が抵抗などできるはずないのだ。 この男は自分よりも立場が上で、自分はスタースクリームのように上に 楯突くことが出来る性格でもなければ、スカイワープのように 主人至上主義なわけでもない。 嫌なことも嫌とも言えずに手首を床に降ろしたまま耐え忍んだ。 「う、いぁ…!あっ…!?」 ちりっとレセプタ内部が痺れた。 感電にも近いその痺れに怯えてサウンドウェーブを見上げる。 サウンドウェーブのマスクは開かれたままで、そこにはキレイに横一線とした 口が見えた。機嫌は良さそうだが口は笑みを作るでもなく自分を見下ろしてくる。 「いま、の…っ」 「少し強く流した…」 「何を…?」 「…」 頬に手を当てられてサウンドウェーブの親指が見上げていた自分の視線を 遮る様にアイセンサーの上に当てられた。 視界が遮られてますます恐怖心が湧いてくる。 そのうち再度レセプタにばちんと何かが送られてきた。 「うっあ!さう…っサウンド…!」 「…」 「とめて…!とめてくれ…!」 先ほどは一度だけ、一瞬だけだったパルスの痺れが光の明滅のように 身体内部を断続的に走った。 それが快感だと気付いたのは数度その痺れを感じた後だった。 次に身体に流れ込んできてる情報がサウンドウェーブが発生させている 快楽を与える為のパルスだと気付いた。 もちろんパルスを送られたのが初めてというわけではない。 しかしそれはこういう行為の時ではなく、普段マザーコンピューターに 接続する時とかであって、そもそも下腹部のそこはそんな強烈なパルスを流して 大丈夫なのだろうか。いや無理だ。 「サウ、ド…!サウ…」 「大丈夫だ」 「うっ、うく」 頭を撫でられてサウンドウェーブに腕に顔をすがりつかせた。 腕は先ほどの場所で拘束されているわけでもないのに動かさず サウンドウェーブに任せていた。 それでもパルス出力が強すぎて回路がショートするのではないかと焦る。 焦る以上に身体ががくがくと震えてそれどころでもなく、そのパルスを積み 重ねるように快感が蓄積されていった。 「っ」 「…耐えるな」 「で、でる…っ」 サンダークラッカーのコネクタをサウンドウェーブが掴み、数度煽る様に擦ると サンダークラッカーは身をよじってその快感を逃がそうとした。 「ひぁっ!」 またコネクタから液体が飛んだ。 サウンドウェーブがコネクタを弄っていた手で飛ばないように覆い、手のひらに ついたオイルを舐めあげている。 息を整えているとサウンドウェーブが唇を重ねてきた。 寝台に降ろしていた腕を首の後ろに回してそれを受け入れると 「はぁ」と熱い息を吐いた。 身体の心がまだびりびりと震えていたがヒューズが飛んだわけでもなく 自分は生きてるし、サウンドウェーブも薬を飲まずにここまでできた。 しかし、サンダークラッカーは気になっていた 「…サ、サウンドウェーブ…?」 「なんだ」 「…終わったよなぁ…?ぬ、抜いてくれよ…」 「…」 「ぅああ!な、なに」 まだコネクタが内部に差し込まれたままだった。 それをサウンドウェーブが律動させると自分からは驚きと微かな 快感交じりの悲鳴がでた。 「…」 「な、なに?なに?」 「…」 「………」 無言で見詰め合う。そこであれ?っと思った。 「…サ、サウンドウェーブ…」 俺はこいつのイったところを見たことがあったっけ? 記憶をすぐに探り始めた。しかしわからない。 今まで何度も接続してきた。それなのにこいつが息を乱して 肩で息をしているところを見たことがあったか? いつも自分が達した後はすぐに抜いて「大丈夫か」と淡白な声で聞いてくるのだ。 「…」 サウンドウェーブの顔に手を当ててなぞる。 いつもよがっていたのは自分だけでサウンドウェーブは何も感じていなかったのか? 快感が足りなかったのか、薬でそれすら自制されていたのか。 自分でいっぱいいっぱいで気付かなかったといえばただの言い訳だ。 「…続けて」 「…」 「続けてくれ…サウンドウェーブ…」 これ以上はヒューズが飛ぶかもしれない。 それでも構わないと思った。 →