「ナイトスクリーム?」
「…」
アイセンサーを濁らせたナイトスクリームは地面を見つめぼんやりと
立ったままだ。ガルバトロンは声をかけたのに反応のないナイトスクリームの
顔を見るために顎に手をやり上を向かせた。
ティーチング・プレイバック
しばらく見つめてからガルバトロンはナイトスクリームに声をかけた。
「…体調が悪いのか?」
「…は…」
紅潮した頬、荒い息、ふらつく足取り。どこを見てもおかしいのはガルバトロンで
なくとも気付けただろう。
しかし問題ありませんとクリムゾンブレードを構え遠くで聞こえる銃撃音に
ナイトスクリームは身構え、その整った目つきを鋭くさせた。
「…本当に問題ないのか…?」
「はい、ガルバトロン様。…あちらの方向にコンボイが…」
「む、お前は他の連中を牽制しろ」
「はっ」
丁度スカイファイヤーが空から攻撃を降らしていた。ナイトスクリームはそれに
視線をやるとクリムゾンブレードを振って風切り音を響かせる。
ガルバトロンがコンボイの方へ行くのを見つめながら深く息を吐いた。
「…なんなのだ」
胸の辺りを押さえ、深く排気すると熱い息が体内からでていった。
最近の不調、これはとても「問題ない」なんてレベルではなく、ナイトスクリームは
リペアが必要だと思い始めていた。
しかしリペアなら毎回戦闘後にはしているし、時にはリペア管に浸かり、体内の
メンテナンスも行っているつもりだ。
全てガルバトロンの命令で行っているが常に体調はベストコンディション。
そうでないと、懐刀と言われる意味がない。
気を引き締めなおし苦しい所など見せず姿を消すとスカイファイヤーの背後を
取りクリムゾンブレードを背中に突き刺した。
*
「…?」
アイセンサーを動かすと目の前には仲間達が居た、アイアントレッドが自分の
顔を覗きこんでいる。視線が合うと暫くの間見つめあった。
「うほっ起きたか!」
「…アイアントレッドか」
「ガルバトロン様!ナイトスクリームが」
アイアントレッドが手を動かしながらガルバトロンの居る方へと振り返ったが
ガルバトロンはスノーストームをユニクロンのケーブルで巻いて殴っていた。
アイアントレッドに気付く様子もなく苛々した様子で殴ると「レイヒ〜」と
悲鳴が聞こえる。
「ガルバトロン様!ガルバトロン様!」
「うるさい!後にしろ!!」
ナイトスクリームは横たわる寝台より上半身を動かすと頭部に手をやった。
熱い、自分はどこか壊れてしまったのだろうか…記憶を探ってもこうなった経緯が
ちっとも思い出せない。
「ガルバトロンさまぁ!」
「なんだぁ!」
ガルバトロンは振り向きもせず振り上げた腕をスノーストームへと振り下ろす。
大方怒らせる発言をしたのだろう、ナイトスクリームは暫くその様子を眺めた後に
低い、落ち着いた声を発した。
「…ガルバトロン様」
ガルバトロンの動きが綺麗にぴったりと止まるとナイトスクリームは首をかしげた。
少しの間をおいて振り返ったガルバトロンと目が合うと大幅でガルバトロンは
近寄った。
ナイトスクリームにぶつかる勢いで詰め寄ってくるガルバトロンに気圧されて
少し背中を反り返ったナイトスクリームは視線をガルバトロンのアイセンサーから
少しも逸らさず見つめ続ける。
「ガ、ルバトロン様…?」
「…」
首の後ろに手を回されると凄い力で抱きしめられる、壊れると思ったがそこの
手加減を忘れるような大帝ではなかった。近くで見ていたアイアントレッドが
「うほっ」と自らの両頬に手を当てて顔を赤らめる。
その間もぎゅうと締め付けられたナイトスクリームは黙っていたがガルバトロンが
耳の側で「ナイトスクリーム」と呼べば頷き「はい」と返事を返す。
身体が加熱していくのをナイトスクリームは気付いていた、ぜぇぜぇと息を吐き
スパークが熱くなる、抱きしめていたガルバトロンにもそれは伝わっただろう。
抱きしめたまま少しだけ身体を離して顔を覗きこむと小さい声で名を呼ばれた。
「…ガ、ガルバトロン…っ様」
「…どうした?ナイトスクリーム」
「っ…身体が…」
顔が紅潮して熱が身体中に回る。ガルバトロンがその様子に顔を引き締めると
アイアントレッドの方を振り返った。
「スノーストームをつれて通常の仕事へ戻れ」
「あっ、え、ナイトスクリーム…?」
「体調が良くない、儂が様子を見る」
「アイアントレッド〜」
スノーストームの声にアイアントレッドはその場を離れるとスノーストームを
緩んだケーブルの中から救出して外へと連れ出した。
それをしっかりと見た後にガルバトロンはナイトスクリームを身体から少しだけ
遠ざけて顔をしっかりと覗きこむ。
「…どうしたのだ、何故体調不良を訴えない」
「…しかし」
「戦闘中で遠慮でもしたのか、愚か者め」
「…」
申し訳御座いません、と囁いた。ガルバトロンはナイトスクリームの頭部に
手を置いて温度変化を感知し、頬の熱を見る。キャノピーを撫でてインシグニアの
マークがある部位に指を押し当てた。
「…私は、壊れて」
「熱が酷いな、思い当たるところはあるか」
「…いいえ、…どうなったかも」
「戦闘中倒れた、あのスカイファイヤーとか言う奴に抱きかかえられてな」
「…負けた…のですか」
「いや、突然空より落下したようだったぞ」
「…」
ガルバトロンはナイトスクリームの身体をあちこち触って熱を確かめた。
腹部の辺りに熱が集中しているのに気付くと触診を始める。
「意識はどうだ」
「…サーキットに、靄がかかったような気分です」
「…」
「熱が溜まって、ガルバトロン様が、触れていると強くなります」
「儂が?」
手を止めるとガルバトロンは再びナイトスクリームを見た。
そして硬直する、ナイトスクリームはガルバトロンを見つめ続けていた。
「…お前は」
「…?」
細められたアイセンサーは冷却液により濡れていた。溜まった熱異常を頬が
紅潮という形で主張し続け冷たい空気を吸うために開かれた口からは舌が
少しだけ覗けた。はぁ、と何度も暖かい息を吐き続けているナイトスクリームは
ガルバトロンから見れば性的興奮を覚えているように見えた。
「…なんて顔をしとる」
「…わかりません」
「いつ抜いた?」
「…?」
「廃オイルはいつ出した」
「…なにを」
ガルバトロンは暫くナイトスクリームの顔を覗きこんでいた。
しかしナイトスクリームは首を傾げて理解できずに居る、あまりにも簡単なことが
原因だったとわかるがここでそれを治療してもナイトスクリームに問題がある限り
これは何度でも起きるだろう。
「…儂が処理する」
「治療を…?」
「…あぁ、しかしお前も学ぶことが多そうだ」
「ガル、バ…っ?」
左腕をナイトスクリームのインテークへ回して引き寄せると右手でナイトスクリ
ームのキャノピーを少し浮かした。キャノピーの下に隠されているものに用が
あるのだ。
ナイトスクリームにそこをよく見ておくよう告げ、ナイトスクリームはそれに
従った。自分の下腹部を漁るガルバトロンの手を見つめ、学ぶべき内容を
把握しようと努力する。
「…熱いな」
「あの…ガルバトロン様…」
「熱が溜まったらここで処理しろ、熱原因は体内に溜まった廃オイルが原因だ」
「は、い、どうやって…」
「見ていろ」
ガルバトロンの大きな手はナイトスクリームを掴むには余裕すぎる。
細い足の間に腕を進ませ、薄い下腹部を指で撫でた。
ナイトスクリームは黙って首をかしげ息を吐きながらそれを見ていたが
ガルバトロンが直接コネクタを掴むと両肩をぶるりと振るわせた。
「…あつ…い」
「あぁ、我慢しろ」
熱に呆けた頭はガルバトロンにしがみ付くこと以外考えさせない。
既に反応を見せていたコネクタは擦ればすぐにとろりとオイルを零し始める。
ナイトスクリームはガルバトロンの手が滑ったことに気付いて押し返した。
「あっあの」
「どうした」
「ガルバトロン様の手が…!」
「気にすることはない」
「自分で、自分でできまっ…ひ…っあ」
「…よく見ておくのだ」
「ガル…バト…」
腰が勝手に逃げようとする、ガルバトロンは腰に手を回しなおすと更に強く
ナイトスクリームのコネクタを扱った。快感をしらないナイトスクリームでも
そうすれば熱に浮かされ高い声で鳴き始める。
「ま、って…ください…」
「…」
「おかし、く…おかしくな…っ」
「…なってしまえ、ナイトスクリーム」
ガルバトロンはナイトスクリームの喘ぐ顔を見て自分まで熱に浮かされ始めた
ことに気付いていた。
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スパリンは2つ書くつもりなのですがその内の1つですー
音波サンクラでやったネタをスパリンでも…!と美味しいコメ
頂けたのでやらかしました!有難うPさん…!許可も頂いとります!
まだ続くよ…!しかし廃オイルって逆にさらさらなオイルになるらしいんだが
その辺りは心の目で白濁したオイルに変換s見てください。