下腹部に手を伸ばすとスタースクリームは腕をアイセンサーの上に乗せて 自ら視界を塞いだ。別にスタースクリームが目隠しをした方が 感じるとかそう言った性癖の持ち主だという話ではないだろう。 「触るとこ見ねぇの?」 「見るか!」 アイセンサーを交差させた腕で隠したままスタースクリームが怒鳴るように言う。 見たくないのは自分が触れられている事を意識してしまうからか それとも大きな怪我を直視できないような気分的なものなのか アストロトレインには理解しかねた。 どちらかといえば見ていた方が何をされるか覚悟できて良いと思うんだけどなと 口には出さず脚の間にあるパネルを指先でなぞった。 「…」 「…まぁ、隠してるなら別にそれでもいいけどよ」 アイセンサーを隠したままのスタースクリームを一瞥して首にあるレセプタクルに 手を伸ばす。 指先で軟くその穴に触れると交差させた腕の合間から片方のアイセンサーだけ 覗かせてスタースクリームはこちらを見て「何…」と疑問を口に出した。 「ちょっとな」 「何を」 アストロトレインも胸を軽く開いてそこから情報送信用のコネクタを 引きずり出すとスタースクリームの首にそれを差し込もうとした。 片方だけ見えるアイセンサーが不機嫌そうに細まったが変なことはしねぇよと 一言断るとスタースクリームはもう一度腕でアイセンサーを隠しなおして黙り込んだ。 奥まで差し込むと今度はキャノピーを開いてそこにもケーブルを伸ばした。 互いの身体を繋いで目につくレセプタは全て塞いだ。 「…まだかよ…」 「もう終わりだよ、ちょっと集中するから待てって」 「…集中?」 「そんなに情報操作は得意じゃねぇんだけどよ」 落ち着けるように一息吐いて繋いだケーブルからスタースクリームの 情報を引き上げる。 スタースクリームが情報を盗まれてることに気付いて身体を一度震わせて 再びアイセンサーを片方覗かせた。 「おい…!」 「別にてめぇから大事な情報盗んでるわけじゃねぇだろ、ちょっと落ち着けって」 「…」 「…このへんか?」 スタースクリームの身体情報を見つけると感度やパルス出力がわかる。 元からスタースクリームは感度の高い機体のようで特別何かする必要もなかったが まだ上げれるなら上げておいて損はないだろうと感度を少しだけ上昇させた。 「何か、お前サウンドウェーブみたいなことしてねぇか…?」 「は?サウンドウェーブ?お前、サウンドウェーブとやったこと…」 「ねぇけど、お前が情報操作ってイメージねぇよ…」 「こんなことにしか利用できねぇけどな」 感度を上げた機体に繋げたケーブル全てからパルスを軽く流した。 スタースクリームの背中が弓なりに反って悲鳴をあげる。 そんな強く流していないが強すぎたか? 「いっ…てぇ!」 「わり、強すぎたか?」 「もっと…普通にやってくれ…!」 「わかったわかった…」 下腹部にあるパネルに手をやって隙間に指を引っ掛けるとそこを開いた。 スタースクリームが息を呑んで身体を硬直させたのを見て ケーブルから緊張を解くパルスを流し込む。 聞こえは良いが身体を強制的に弛緩させるためのものだ。 わざと力の入らない状態にする、昔は良く無理やり抱く時なんかに使ったなと 思い出す。 「っあ…」 中指の腹を使ってレセプタの淵を円を描くように撫でるとスタースクリームの口から 艶っぽい声がでた、その声だけで自分を煽る。 スタースクリームが未だにアイセンサーを腕で隠しているのを確認する。 寝台の脇にある小さい台につく引き出しを音も立てずに引っ張って そこに入っていたエネルゴンキューブをひとつ拝借した。 もう毎日のように入り浸っている寝室だ。どこに何があるかなんて把握済みで 寝る前にちょっと飲みたい時用のエネルゴン酒がキューブに入って 保存されているのも知っていた。 小さめのエネルゴンキューブを脇に置くと指を一本入れてエネルゴンをつけた。 口元に持っていくと温いがまぁ良質なエネルゴンだとわかる。 濃度も濃すぎず、まさに寝る前に少し飲むには丁度良いものだ。 潤滑油代わりにもう一度指に纏わりつかせてからゆっくりと中に押し込んだ。 「っ…!?」 「…どうした?」 「な、なんか…つめて…っ」 「すぐ熱くなる」 濃度は低いと言えどエネルゴン酒だからな、とは言わずに隠れて笑った。 困惑するスタースクリームに微弱なパルスを流しつつも 中をしっかりと解きほぐした。 「う、あっ…あっ」 「まだ、始まったばっかだぜ…?」 「わかっ…ふ…っ」 声を殺そうと右腕でアイセンサー左腕で口を隠すのを見る。 馬鹿だぜこいつ…そういうことするから、こっちも本気になるんだぜ。 指を抜いてパネル内にしまわれていたコネクタに手をやった。 悲鳴のような喘ぎを溜まらず零したスタースクリームが小さく震え始める。 「アっ…アストロトレっ…イン」 「ん?」 「やべっえ…」 「良いのか?スタースクリーム」 こくこくと上下に頭を振って同意するスタースクリームの頭に手をやって撫でてやる。 腕が少しずれると赤いアイセンサーがそこから覗いた。 水っぽく、冷却液を滲ませたアイセンサーが揺れる様を見てこっちまで興奮する。 泣くなよ、こんなことで。 「まだ我慢できるか?」 「…っできる…!」 「よし」 頷いてスタースクリームの頭部をもう一度撫でる。 この程度で達してたら終わらねぇよ、だって俺がまだ何も感じてねぇんだからよ。 再び顔を隠す手に舌をあてて何度も舐めると「やめろ…」と小さな拒否が返ってくる。 「嫌だ」と告げれば観念したのか耐えるように拳を作り握りこむだけだった。 その拳を歯で噛んでまた舐める。その間にもう片方の手でコネクタを擦った。 「あっ!っやば…!」 「…」 「ゆ、っくり…頼む…から」 「ゆっくりやってるだろ…」 「もっと…!」 コネクタの先端を指で挟んで押しつぶすように扱ってやるとスタースクリームが 跳ねるように身体を動かして口を押さえていた腕で押し返してきた。 食いしばり震えてガタガタ言う歯が見える。 「馬鹿やろ…!やめ、やが…」 「我慢できんじゃねぇのか」 「それはっ無理だ…!」 すっかり吐く息全てに喘ぎが混ざったスタースクリームをみて自分の口からも 興奮した吐息が落ちる。こいつはそれどころじゃなさそうだけどよ。 「あつ、い」 「あぁ?」 「何かっ…熱い…!」 「…あぁ、さっきのエネルゴン」 「なに…?」 「レセプタに指入れたときに」 これ、と小さなエネルゴンキューブを持ち上げるとスタースクリームは 腕をどかしてそれを両目でしっかりと見つめた。 「…ふざけんなてめぇ…」 「潤滑油代わりだ、悪かねぇだろ?」 「悪ぃよ…!熱い…!」 「疼くの間違いだろ?」 「ひっ…!」 再び互いの身体を繋ぐケーブルを通して単発で強いパルスを流し込むと スタースクリームが悲鳴を上げて身を硬くした。 「ああっ…あ!」 「…まだ耐えられるか?」 顔を左右に振って小さな声で無理だと何度も告げてくるのが可愛く見える。 しかしそれは自分の加虐心を煽るものだった。 わざとじりじりとパルスを送り込んでコネクタを指で擦ると スタースクリームが身を捩って泣き声にも似た喘ぎを溜まらず漏らす。 「耐えろよ…」 「っ…あ…ぅっ…くっ…」 「…」 自然と口角が上がって笑みがこぼれる。 両腕で胸を押し返してくるがパルスの影響で力のこもらない腕は無力だ。 無理に顎を掴んでこちらに顔を向けさせると喘ぎの漏れるその口を塞いだ。 呼吸の整わない口内はオイルで満ちていた。舌を押し込んで軽く混ぜるだけで 口の端からオイルが零れていく。 ちゅっと舌を絡めて吸うとスタースクリームは胸を押し返すことはやめて 首の後ろに腕を回してしがみ付いてきた。 口が離れた瞬間に焦るようにスタースクリームは声を放った。 「も、いれて…!」 「挿れて良いのか」 「だした…い…」 「…仕方ねぇな」 コネクタより手を放して指にもう一度エネルゴンをつけると 先ほどのように押し込んでやる。すでにコネクタをいれても問題ないくらいに 反応をしめすそこにアストロトレインは自分の唇を一度舐めて笑った。 「もう良さそうだな」 「く…ぁっ…」 「挿れるぜ…」 片脚を掴んで開くと脚の間に身体を押し込んだ。 そのまま自分のコネクタを今まで指をいれていたそこに押し込むと スタースクリームから断続的な喘ぎがでた。 「っ…あっ…ああ!」 「良い声だすじゃねぇか…!」 「ア、アス…っ」 スタースクリームの腕がアストロトレインの腕を掴んで強く握った。 強く握られて痛むが耐えられないほどじゃないと アストロトレインはゆっくりと確実に腰を奥に進めて行った。 「ぅあぁっ!」 「…っつ…?」 喘ぎ快感に翻弄されているスタースクリームの表情を堪能していた アストロトレインが余裕の笑みを消して顔をゆがめた。 原因を目で追うとそこには互いを繋ぐケーブルがある。 そこから自分はスタースクリームの情報を拾い上げて、かつパルスを 送り込んでいるわけだがばちっと反対に何かが送り返されてきた。 それは単発だったが確かに送られた。 スタースクリームを見ても相変わらず苦しげに喘ぐだけで何かやっている様子はない。 軽く首を傾げると再び体内にパルスが走った。 「っあ…!」 「んっ…あ…アストロトレイン…?」 「…てめぇ…何してんだ」 「…?っ…なに…が?」 スタースクリームはぼんやりと視線を向けてきた。 今までやってきた中で流すパルスを逆流させられたことはない。 そんなことできると知らなかったというのもあるし そんな技術を持つ奴に巡りあう事もなかった。 「無意識かよ…」 「…ぁっ…な…っああ」 「っく…あっ…やべ…」 こっちがパルスを流せば同様に同じだけのパルスを返してくる。 それだけでなくスタースクリームの達しそうだと言う感情まで流れてくるせいで 同調して自分まで達しそうになる。 これがサウンドウェーブくらい情報操作ができれば送り返されるパルスを 遮断することも可能なのかもしれないが、むしろアストロトレインは 楽しくなってきていた。 「これ、すっげ…」 「っああっあ…!」 「いきそ…」 「あ、あすっ」 「あっち…ぃな…っん」 スタースクリームが片手を伸ばして頬に触れてきた。 こっちも結構耐えられなくなってきたせいもあって、触れられるまで スタースクリームが手を伸ばしてくるのにも気付かなかった。 「…あ?どうした…?」 「…っあすと」 「聞こえてっ…んよ、どうした…」 「アス」 「なんだっ…」 「あ」 何度も名前を呼んで頬に触れてくる。 触れる指に力がこもって頬を掻いたが痛みよりも スタースクリームが必死に何か言おうとすることに意識を持っていかれた。 「なに」 「飽きんな…」 「は?」 「っつ…あ…あきん、な」 まだ言ってたのかこいつは、と正直呆れた。 頬に触れていた手が探るように唇に触れるとそれが口だと確かめるように 上半身を微かに持ち上げて唇を重ねてくる。 「…」 「アス、トロトレイン…っあ…」 「…」 「アスト…」 何度も名を呼んで、何度も唇を啄ばんで来る。 その舌に自分からも舌を絡めると脚を掴んで引き寄せた。 コネクタがスタースクリームの内部を強く擦ると名を呼ぶ声は止んで 叫ぶような喘ぎだけになった。 「っうあ…!も、だめ…!アス、ト」 「あぁっ俺もだよ…!」 「い、…っあ!」 スタースクリームが達したのと同時に自分にその快感が流れてくる。 身体が震えて自分がその快感に影響を受けたのがわかった。 スタースクリームを突き飛ばすように押しのけると内部にあった コネクタが引き抜かれオイルが腹部にかかった。 「っ…あぶね」 「…」 「中で出すとこだったじゃ…スタースクリーム?」 「…」 「…馬鹿かてめぇは…失神だなんて情けねぇ…」 しかし無理をさせたのは重々承知だ。 息を整えながらスタースクリームのレセプタへと繋げているケーブルを 全て引き抜いた。 「…スタースクリーム」 返事はなかったが少しだけ指先が動くのを見た。 まだ声が聞こえる範囲で意識はあるようだ。 額に手をやっていつの間にか零れた冷却液を指先で拭ってやる。 「飽きるわけねぇだろ」 聞こえてたら良いんだがな * 「…?」 ばっと起き上がると酷く腰が痛んだ。 スタースクリームが小さく悲鳴をあげるがそれを気遣う者は一人もおらず 自室の寝台の上に自分だけだと気付いた。 「…アストロトレイン…?」 部屋を見渡してみたがやはり誰かがいるわけでもなく スタースクリームは暫くぼんやりとした後にため息を一つ吐いた。 腰が痛い。自分の体内で電子が乱れているのに気付いてそれの修復に入る。 身体をみて後処理はしっかりされている。 内部に異物感もないしちゃんとやってくれたようだ。 「…ちっ…」 舌打ちして頭をかきむしる。 酷く、あいつの前で乱れたとこは覚えているが後半はほとんど記憶に残っていない。 何か変な方法で抱かれたのだけはしっかり覚えてる。 普通に、スタンダートにやるつもりだった、むしろアストロトレインと 行為に及ぶのは初めてだ。 何も初回からこんな風に抱く必要ねぇだろうよと悪態をつくが 本人がいないんじゃ意味がない。 「やっちまった…」 はぁっと大きなため息をついて視線を壁に持って行った。 裏切られた気分だ。やって、目が覚めたらいねぇなんて。 ぼんやりとアイセンサーを虚ろわせていると頬に何かがぶつかった。 「?」 「起きてたのかよ」 「…アストロトレイン…」 腰に手を当てて、いつものような笑みを浮かべていつの間にか現れた アストロトレインの手にはグラスに注がれたエネルゴンがあった。 そのグラスを頬に押し付けてくるのを鬱陶しげに振り払いつつ受け取った。 「どこ行ってやがった…」 「宴」 「今から参加すんのかよ」 「まさか、ほとんど全員寝てたぜ」 「…今何時だ?」 自分で体内時計を調べたほうが早かったが頭がふらふらしてそこまで働かなかった。 アストロトレインがもう一つ持っていたエネルゴンを口に運びながら自分の隣に座る。 「抜け出してから5時間だな」 「もうそんなかよ」 「面白いぜ、会場の様子」 「はぁ?」 貰ったエネルゴンを口に運ぶとひんやりとして美味かった。 喘ぎ疲れた喉に丁度いい補給だと一息つく。 「スカイワープは相変わらずメガトロンにくっついてたし」 「あぁ、酔ってたな」 「サウンドウェーブは起きてたけど、サンダークラッカーは酔いつぶれてたな」 「…そうかよ」 「スラストはラムジェットとダージと酔いつぶれて床で寝てたし」 「…それでなんだよ」 「何が」 「そんなの見に行ってたのか?」 自分の口から出る言葉は悪意に満ちていた。 普通に言えば良いのだが低い声に不機嫌そうな声色がついていて それを聞いたアストロトレインはじとりとこちらを見た。 「何怒ってんだ?」 「怒ってねぇ」 「会場にあるエネルゴンのほうが上質だし冷えてるだろうから取り行ったんだ 何か問題でもあるか?」 「ねぇよ」 「じゃあ何だよ」 わかんねぇよ。 スタースクリームは苛立ちを隠そうともせず顔をそらした。 自分でも機嫌が悪い原因がわからないのだ。 まさか、女々しくも傍にいて欲しかっただなんて理由のはずない。 「ま、無理させたからな、もう少し寝てろよ」 「…」 アストロトレインに視線をやると「はいはい」と押されて寝台に横になった。 「まだ飲むか?」と聞かれて「いらねぇ」と返答を返せば 手に残っていたエネルゴンを取られてアストロトレインは部屋の中心に ある机に置きに行った。 「…」 「明日も仕事ねぇからな」 「…だから?」 「俺も寝るわ」 「…あ?」 もっと詰めろと寝台の端においやられる。 アストロトレインが寝台に上がってきてようやく言ってる意味がわかった。 「ここでか!?」 「駄目かよ」 「狭い!」 「平気だろ。やることやった寝台だし」 「うるせぇ!」 そう狭い寝台ではないが2体、しかも片方はトリプルチェンジャーの大型だ。 後ろから抱きしめるように引き寄せられてますます暑苦しさが増した。 「狭いって…!」 「じゃ寝るからよ」 「おい!」 それきり黙ってしまったアストロトレインが寝息を立て始めたのは数分後だった。 寝るの早過ぎるだろ…と呟こうとしたが起こすのも気が引けたので黙った。 腰に回された腕が邪魔だ。大体なんで俺の部屋で寝るんだ。帰れよ。 「アストロトレイン」 「…」 「…」 返事がないのにため息を一つだけ吐いて目を細めた。 もうこのまま自分も寝ちまうか。と意識を浅くしていく。 もしまた起きた時にいなかったらと浮かんだ。 「…うぜぇ」 一言だけ吐き捨てて腰に回された腕を掴んでから意識を落とした。 ----------------------------------------- やまなしおちなしいみなし。まさにヤオイである。完璧です! 表にある「夜」自体ブログでちょろっと書いた産物でしたが 「よる」もそこまで大差なかった…えろだということ以外。 「よる」は夜と寄るで考えてました。が 全然それが文に反映されなかった。そんなこともあるさ・・!