「スタースクリィームゥー」
「うっせぇうっせぇ!!」
「何してたんだか聞いてるだけだろー?」
「黙りやがれ!」


メガトロンがスタースクリームに用があって探してみれば
ジェットロンの3羽で何かもめているようだった。


「どうかしたのか」
「あっ、め…メガトロン様!」
「た、対した事じゃなんですが…その、この間夜中にこいつがメガトロン様の
 寝室に忍び込んで暫く出てこなかったんで、何か悪さでもしてたのかと…」
「……」

じろりとスタースクリームの顔をみると少しばつの悪そうな顔で目をそむける。
この愚か者が。後をつけられていたのか。

「心配いらん。この馬鹿は機嫌が悪いのを儂の所為にして寝首を掻きにきたのだ
 返り討ちにされ懲らしめられたのがお前らにバレるが嫌だったんだろう」
「そ、そうだったんで!」
「流石メガトロン様で!」
「……チッ」
「あ!こいつ今舌打ちしやがった!」
「この野郎!メガトロン様に!」
「良い。お前らはスタントロンが向かったエネルギー強奪の手伝いに行け」
「場所は?」
「ここより東に100キロお前らならすぐだろう?サイバトロンの邪魔が入ったと
 連絡が来たんで急行してやれ」

デストロン最速を誇るジェットロン部隊のお前らなら。と付け加えると
サンダークラッカーはにっこりと笑ってスカイワープは少し顔を
にやけさせつつ照れているのか、顔を赤くさせた。

「さぁ、行って来い」
「スタースクリームは?」
「儂とサイバトロンを倒す為に兵器を持って後から行く。先に行っておれ」
「了解でさぁ!」
「行くぞ!」

どたどたと走り去っていく2羽を見つつ、スタースクリームをみる。

「…余計な事言いやがって…」
「ほう。航空参謀殿なら御自分で切り抜けられたと?」
「………」
「スタースクリームついてこい。兵器を持ち出すのを手伝え」
「…へい」

後ろからついてくるスタースクリームの顔をちらりとみると
少し気恥ずかしいと言った顔をしていた。
助けられたことをか、この間の行為を思い出してか、両方なのか。
スタースクリームのこの表情を自分は案外気に入っている。
行為の最中なんかはスタースクリームは常にこの表情だ。
それに最中のこいつは大人しく、反発しない。
普段の反発精神が強い分、行為の最中は酷く可愛く見える。
そこが自分は自分が思っている以上に気に入っているようだ。

足を止めて振り返るとスタースクリームは驚いたように顔を見上げてきた。

「なっ…なに」

少しだけ屈んで顎を右手で支えて引き寄せる。
スタースクリームは無意識だろうが、顎に手をやった段階でこいつは顔を期待で
満たした。
驚いたままの口に舌を押し込んで、硬直している舌を解す様に舐めあげてやる。
それだけで顎を放し、屈んでいた身体をおこす。
その間、スタースクリームは微動だにしなかった。
両手は降ろしたまま、脚はその場に縫い付けられているように動かない。
呆けた顔まで可愛くみえてくるとは自分ももう駄目かもしれんな。

「今日、儂の寝室にくるか?」
「…なんで?」
「………………」

なんで?
なんでだと?
この愚か者が。
この間から思っていたがこいつには雰囲気だとか空気を読むだとか
わからないのか。今この状況下で夜に寝室に呼ぶなど、あれしかないだろう。

「…兵器はこの先だ。早く来い」
「…め、メガトロン様?あの」
「もう良いわ。馬鹿者め」
「あの、今のえっと…な、なにが?え?」
「…こっの…愚か者めが!」
「いってぇ!」

融合カノン砲を手加減はしたものの顔面に打ち込むと数メートル吹っ飛んで
床に顔面をぶつけながら、更にそのまま数メートル滑った。
呆れてものも言えないわ!この馬鹿めが!

「なっなにしやがっ…!」
「早く来い!お前は本当に使えないクズ鉄だわい!」
「なっ…!!!あんたが急にあんなことするから…!」

その後言い合いはぼろぼろになったスタントロン部隊と
ジェットロンの2羽が帰ってくるまで続いた。



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気分屋と言うか、乗りの乗らないとスタスクは誘いに乗ってこないと思うんだ。
自分では誘いに行くというか、やりたくなったらやろう!なのに
メガ様がおいでーって言っても「なんで?え?俺は別にしなくてもいいですもん」
みたいな、そりゃ誰でも怒るよ。慈愛の大帝の苦難は続く…!のか?