「俺ってさ…」 「?」 「?」 「地味だよな」 a breath test 「………」 「………」 「……なんで黙ってんだ?」 スタースクリームがちょっと良いエネルゴンを持ってきた。 スカイワープがこの間わざわざスペースブリッジでセイバートロン星まで 行って買い溜めしたエネルゴン菓子をだしてくる。 そんな感じで盛り上がってきた時にふと、思ったことを口に出した。 言った後であ、ごめん。と思った。 固まる2人があまりにも哀れだったから。 「…スタースクリーム。こぼれてるぜ」 「………」 「スカイワープ。口はそこじゃねぇぞ」 「………」 傾けたグラスからぼたぼたとこぼすスタースクリームと エネルゴンクッキーを頬に押し付けたまま固まるスカイワープ 「気にしなくていいからよ」 「…な、何言ってんだよ!」 「うわっ!な、なに?」 「お前良い奴じゃん!」 「はぁ?」 グラスを壊れるくらい机に叩きつけて立ち上がるスタースクリームを 見上げるとスカイワープがタックルを入れるように抱きついてきた。 思わず悲鳴にも似た声をあげてその衝撃に耐える。 「お前可愛いよ!」 「何」 「格好いいし!」 「…いや、いいって」 「機転聞くしよ!」 「…お前ら」 「その青が空を飛んでると映えて見惚れちまう!」 「酔ってるのか!?」 スカイワープが腰にまとわりついてきて鬱陶しい。 すりすりと腰に頭を押し付けてくるのをはずそうとすると背中に重みを感じた。 重みの正体がスタースクリームだとわかり声をかけようとする。 凄く、エネルゴン臭い。こいつら酔ってる…間違いない。 「ス、スタースクリーム!重いっつーの!」 「地味なんかじゃねぇよ!」 「お前最高だよ!」 「慰めるな!鬱陶しい!!」 背中の翼に頭をぐりぐり押し付けてるスタースクリームがこれまた鬱陶しい。 止まることなく口から漏れ出る賛辞の言葉が逆につらい。 こいつらやたらペース速いと思ったらエネルゴン酔いしやがって! だからやめろって言ったんだ。飲みすぎで、食いすぎで。 「俺なんて怒られてばっかりだし!」 「それは裏切るからだろ!」 「自分で考えろとか言われるし!」 「ワープ許可や着陸許可はその場で考えろ!」 「お前みたいになれたらって思うよ!」 「人のせいにしないお前が好きだよ!」 「…わ、わかったから…もうやめろって…」 まいった。自分ももしかしたら酔ってる。 顔が熱い。スパークがばくばく音を鳴らしている気がする。 顔は火照っているのに目元だけ冷たい。 「泣くな〜!サンダークラッカー!」 「なんで泣くんだよ〜」 「な、泣いてなんて…!」 目をこすると冷却液がとめどないほどでてくる。 馬鹿野郎めが!!なんだってんでい!うぜぇ! こすってもこすっても出てくるものだからリペアしたほうがいいかもしれない。 腰と背中にいる存在がうざったいのに、離れてほしくない。馬鹿か!俺は! でも自覚する。こいつらと一緒に居るのが、好きなんだな。 * 「どうしたお前ら」 「…エネルゴン酔いしました」 「2日酔いです。頭いてぇー。記憶ねぇー」 「……」 「サンダークラッカー、目元が」 「大丈夫でさぁ、メガトロン様。俺は2日酔いしないタイプですから」 目元を擦り過ぎて少し装甲が剥げた。帰ってきたら直そうと思う。 今朝は部屋の掃除が忙しくて間に合わなかった。全部1人で掃除したから。 昨日の記憶はないらしい2体には悪いが部屋に貼らせてもらったものがある。 『エネルゴンの多量摂取禁止。 エネルゴンワイン一日2杯まで。 エネルゴンお菓子一日一袋まで。』 それがサンダークラッカーの昨日のエネルゴン摂取量だった。 更に言うならスカイワープとスタースクリームはサンダークラッカーの 4倍の量を摂取していた。 完全な過剰摂取だったのだ。 ----------------------------------------------------------------------- 酔っ払いトリオ。 か、可愛いんだよ…こいつら。喧嘩しててもいいけど 案外基地内や、勤務外だと仲良しこよしなら良いな。 こいつらは絶対、悪酔い組み。絡んだり、笑い止らなかったり 泣き上戸だったりする。 オマケ↓(ちょっと女性向け) ほのぼので終わりたい人はオススメしません。 「サンダークラッカー。可愛いよ」 「な、なに?スカイワープ…?」 スカイワープが涙を舌で舐め取る。 酔っているせいで身体が熱い。頬を舐めるスカイワープの舌が熱い。 「いいって、やめろよ…大丈夫だから。」 「泣くなよ」 「スタースクリー…?」 「サンダークラッカー」 背後にいたスタースクリームが後ろから首筋を舐めつける。 熱い。思わず声が漏れる。 「はっ…や、やめろよお前ら」 「サンダークラッカー。前見ろ」 「スカ…んぅ」 前を向くと唇をむさぼるように扱われる。 酒臭い舌が無理やり唇を割って入ってくる。 スカイワープの舌に夢中になっていると背後から スタースクリームの腕が回ってきてキャノピーを撫で、隙間に指を 押し込んでゆっくりと下腹部へ指先が下がっていく。 「んっ…!ス、スター…!待ってく…」 スカイワープの舌の合間から悲鳴に似た声をあげた。 が、スタースクリームはまるで聞こえていないようにそのまま指を動かしていく。 スカイワープの唇が離れたと思ったら、スカイワープの指が歯と歯の間に 割り込んできた。 その指が舌を引っ張り、上顎を撫でて、歯を引っかく。 「んぅっ…!スハイ…!スアヒワー…!」 「しっかり喋れないのかよ?サンダークラッカー?」 「指!…ゆび抜ひて…!」 そのままスカイワープの指に口内を占領されたまま、スカイワープは あいている方の手と唇でキャノピーを開き、中の配線を歯で引っ張り出す。 スカイワープの意図が読めなくて身体が恐怖で硬直した。 そうこうしてるうちにスタースクリームは下腹部のパネルを開き そこにあるコネクタを引っ張り出した。 「うあっ…!やだ…っやめ…」 「心配するなよ、サンダークラッカー。すぐ気持ちよくなるさ」 「そうだぜ。お前は何も心配しなくても大丈夫だって」 「ちが…く…はっ…ス…スタ…そこ…」 「ここ?」 スタースクリームが引っ張り出したコネクタを指で扱く。 自分のコネクタからオイルが漏れて潤滑油としてスタースクリームの 指の動きを滑らかにする。 ぐちぐちと音がして身体が自分で保てなくなった。 前屈みに崩れていく上半身をスカイワープが支えてくれる。 スカイワープはスカイワープでキャノピーの繊細な部分を舐め、弄り 快感に似た感覚が身体を走る。 「も、もう…だっ」 「イッていいぜ?」 「やっ…とめ…!」 コネクタの先からパタパタとオイルが飛んで、スカイワープの膝を汚した。 止まっていたはずの冷却水がまた目から零れるのを スカイワープは再度舐めあげてくれた。 -------------------------- その後寝オチした2羽の指先や膝にかかったオイルを拭きとり 自分の零したオイルを拭いて、零れた酒や落ちたお菓子やらを 1羽泣きながら掃除します。(哀れ)