「俺、サウンドシステムのリペアした事ねぇんだぜ?」 「トランスフォームする為の構造は基本どれも一緒だ、問題ない」 「って言ってもよ…」 スタースクリームが左腕をライトにチェンジさせ 右腕のリペア機具をゆっくり内部に入れて行った。 「これで…どうよ?」 「…まだどこか配線が損傷してる」 「面倒くせぇなぁ、じゃあ今直した所はなんだよ」 サウンドウェーブは一度黙るとステレオから音楽を流し始めた。 ほの暗い洞穴の中に人間達が愛用するヒット曲が流れるのを 黙って聞くデストロンとはなんともシュールだ。 「ステレオ機能だ」 「お前どこ直させてるんだよ!」 「お前が勝手に直した」 「その曲やめろ!」 「断る」 クラシック調のメロディーが流れるとスタースクリームは停止ボタンを押した。 が、サウンドウェーブの意思でまた再生ボタンが起動する。 もう一度停止ボタンを押したがサウンドウェーブが再生させる。 「…せめてもう少し明るい曲にしようぜ」 スタースクリームの要望を聞き入れて曲調を変えるとスタースクリームは リペアを再開した。 耳障りだぜと呟きながらもスタースクリームは内部の配線を 一本一本手繰り寄せる。 再開して30分たつ頃にはスタースクリームは時々足でリズムを取る仕草をした。 よく見れば少し身体が揺れてもいる。 サウンドシステム以外は音楽を雑音と取る者も多く、他のトランスフォーマー達 からの理解は少ない。 その辺りスタースクリームは少し融通がきくのかメロディーを音ではなく 曲としてとらえていた。 そのことをサウンドウェーブはとても好ましく思った。 「今度こそどうよ?」 「内部で配線が絡まっている」 「…ジェットロンと違うのはお前コード多すぎるとこだぜ」 リペア中、自分の目線に丁度良い高さの、できるだけ平らな岩にラジカセを 置いていたがスタースクリームは先程から曲を流し続けるラジカセ、もとい サウンドウェーブを片手で掴むと左手でバンバンと叩いた。 「なにをする」 「配線絡まったくらい叩けば治るんじゃねぇか?」 「馬鹿をするな」 「じゃあこうだろ」 サウンドウェーブの側面を掴むとスタースクリームは自分の耳元で カタカタと振った。 サウンドウェーブはただでさえ叩かれて気分を害していたのに揺さぶられて 具合まで悪くなってくる。 「…スタースクリーム」 「中でカタカタ言ってるのってジャガー?フレンジー?面白いな…」 「やめろ…!」 サウンドウェーブはロボットにトランスフォームするとスタースクリームの上に 覆い被さった。 スタースクリームは手のひらサイズだったラジカセが見知った人物に突如 変身したのに酷く驚いたようで声もでない様子だ。 「…ト…トランスフォームできたじゃねぇか…」 「そうだな」 「やっぱ振ったのが良かったんじゃねぇの?」 「スタースクリーム…」 彼がふざけたつもりか、真面目に考えて叩き、振ったのかはわからないが サウンドウェーブが怒っている事には気付いているらしく 先程の態度とはうって変わって身体を竦ませて居た。 「…ど…どけよ」 「……」 「俺様は命の恩人だろうが!」 「そうだ」 スタースクリームの手首を地面に押しつけて腰の部分に跨り座ると スタースクリームは少しの身動きもとれなかった。 上から見下して、スタースクリームを威圧するとスタースクリームは 顔をゆっくりと逸らした。 そういえば。 この間、スタースクリームにキスをして、舌を入れるのを拒まれ、初めて スタースクリームからキスをして来た日から何もしてやってない事に気付く。 すでに一週間は立っていた。 スタースクリームは意外にも唇に触れられることが好きらしい。 いつも赤面し、口ではイヤだ。やめろ。触るなというが満更でもなさそうな 雰囲気をサウンドウェーブはわかっていた。 一週間以上、触れられなかった唇は今でも触れてほしいと思っているのだろうか。 「スタースクリーム」 「…な、なに」 「確かにお前は俺の恩人だ。礼をしよう」 「は?」 ぽかんとしている内に自分のフェイスマスクをスライドさせて首筋に 唇を触れさせる。 時々舌でその金属を舐めるとスタースクリームは少しだけ跳ねた。 「な、なんだよ?サウンドウェーブ…」 「黙ってろ」 「あぁ!?てめぇ!放せよ!」 許可も取らないまま、首筋を舐め上げて唇まで触れる。 喚いていたスタースクリームが唇に触れる直前で硬く口を結んだため それ以上の侵入はできない。 「んーん!んん!」 「黙れ」 普段マスクで隠れている唇を大きく開いて舌をだす。 舌先から根元まで使って唇を舐めるが、それでも開かない唇のかわりに 鼻を舐めて瞼を舐めて眉間にわざと音を立ててキスをすると スタースクリームの背筋が一度大きく震えた。 「駄、目だ!やめろ!」 「断る」 「サウンドウェーブ!謝るから!」 「断る」 「頼むから!」 「駄目だ」 もう一度唇に吸い付いて黙らせる、下唇の膨らみを噛んでみる。 何か言いたげに睨まれるが、口を開く気はないらしい。 左手首だけ放してやるとすぐさま身体を押し返して来た。 重量、体格差、ポジションから言って片腕で引き離せるわけもないのだが スタースクリームはそれでも必死に押し返した。 「んん!!んんー!!」 「心配するな」 「んっ…?んぅっ!?んん!」 唇を塞いだまま、あいた片手をスタースクリームの身体に滑らせた。 下腹部まで指先を進めるとスタースクリームがより暴れ始める。 スタースクリームの左手が顔を押しのけて悲鳴に似た声を上げる 「ばっ…!ばかっやめろ!」 「何故だ」 「何してんだ!俺はこんなことしねぇ!」 スタースクリームが察したように下腹部にあるパネルにロックをかけたのが わかった、しかしそれは自分にとって何の意味もない。 下腹部にやっていた手をキャノピーまで持っていき、キャノピーを開くと 自分の内部から出したコードを繋いだ。 ハッキングしてスタースクリームの内部ロックをあまりにも容易く解除すると スタースクリームが驚いたように顔をむけてくる。 「なっ…!お前ハッキング…!」 「抵抗しないで大人しくしていろ、面倒だ」 「お前ふざけてるんだろ!」 「良くするだけだ」 「良いわけあるか!不愉快なんだよ!」 下腹部パネルロックをはずすとそこのケーブルを強く掴む。 ケーブルの先を指の腹でこするとスタースクリームが苦しげにうめいた。 「なっ…待て…さ、さうんど…」 「こっちを見ろ」 「いやだって…」 顔を固定して再度唇を重ねると唇が震えているのに気付く、そこを舌先で 撫でるとやんわりと薄く開いた。 「んっ!さ、さぅ…ど」 「そのまま、口を開いていろ」 「ふぁっ…あ、あ」 ケーブルを弄る指を動かしたまま、口内に舌をいれていくと スタースクリームの口からは喘ぎ声が漏れた。 初めて触れるスタースクリームの口内は高濃度のエネルゴンの匂いが満ちていた。 どうせ、メガトロン様のエネルゴンをつまみ食いでもしているのだろう。 しかし、自分もエネルゴンを必要とするトランスフォーマーだ。 高濃度のエネルゴンの匂いに惹かれるようにスタースクリームの舌を追いかけ 歯列を舐めた。 スタースクリームがキスに夢中になっているうちに更にケーブルを強く 擦りあげる。 「スタースクリーム」 「や、さう、サウンドウェ…ブ…」 押さえつけていた腕を放すとゆっくりと首の後ろへ腕が回ってきた。 首でも絞められるかと一瞬驚いたがそういうわけではなさそうだ。 力が入りきらないのか指先が震えている、片手を首の後ろに回して 安定させるとスタースクリームは小さく安堵を含んだため息を吐いた。 「っぁ…はぁっ…」 「気持ち良いか?」 「…んっ…ん」 首が一度だけこくっと縦に揺れたのがわかった。 サウンドウェーブはそれが返事だということがわかったが その口から聞いてみたかった。 「気持ち良いか?」 「…き、気持ち…いっ…」 ぜぇぜぇ息を荒げて今度は数回頭を縦に振ると目から冷却液がぼたぼたと落ちた。 首の後ろにやっていた手でスタースクリームの頭を持ち上げて 頬に落ちた冷却液を舐める、自分の舌が冷却液により冷えるのがわかった。 スタースクリームの下腹部にあるケーブルからオイルが漏れ始めている。 もう限界が近いんだろう。 「も、だめ…だ…はな…せ」 「構わない」 「や、っは…!さうん…うぇーぶ…!うぁっ…!」 右手がスタースクリームのケーブルからでたオイルで濡れた。 荒れた息を整えていくスタースクリームに対して 自分の感情が変わっていくのをサウンドウェーブは確かに気付いていた。 --------------------------------------- 急にエロすまぬ… この辺りがターニングポイントです。多分10くらいで終了かな…? ちょっとずつサウンドウェーブが気持ちを汲むようになってきてます。(なってませんが)