サウンドウェーブの私室まで誰とも会うことはなかった。
スタースクリームに内線でメガトロンから連絡が来るかとも思ったがそれもなく
スタースクリームを部屋に入れ、扉にロックをかけた。
冷たいロック音が静かな室内に響く。
スタースクリームはあの後一度も顔をあわせようとしなかった。
現在も鍵を閉めるサウンドウェーブに背を向けて、床を見つめていた。

「っ…!」
「何をしてる?」
「……べ、別に」

背後から首筋に顔を埋めるとスタースクリームが少し震えた。
アイセンサーでスタースクリームの顔や身体は熱がこもっているのに
指先や中心部から離れる部位が冷えているのがわかった。
いくら金属生命体だからと言っても熱は持っている。
その指先に触れてその冷たさを実感してからスタースクリームの羽を撫でた。

「緊張してるのか」
「ま、まさか!そ、そん……」

その後に続く言葉が見つからないのか言いごもる。
羽を撫でて、羽の生え際にある隙間に指先を当ててゆっくりと下になでおろすと
スタースクリームは一度大きく振るえて振り向いた。

「さ、サウンドウェーブ…」
「どうした?」
「……」
「…こっちにこい」

冷えた指先を引っ張って自分の寝台まで連れて行く。
寝台の上に腰掛けるように乗せてやるとスタースクリームが更に落ち着き無くなる。
きょろきょろと周りを見渡していたり、手遊びをして見たり
寝台から降ろしている脚をぶらぶらと揺らしてみたりしている。

「…どうした。スタースクリーム」
「え、別に…なんでも…」
「スタースクリーム」
「…何か、落ち着かなくてよ…」
「…そうか」

いじいじと指のつなぎ目を指先でいじくるスタースクリームの手を
握り締めてその指先に唇を押し当てる。
そのまま手を握り締め両膝を床につけてスタースクリームを見上げる。
寝台に座った状態のスタースクリームの顔が覗きやすい。
スタースクリームも見つめ返してくる。

「心配するな」
「………」
「すぐ良くなる」
「…お前、もうちょっと…」
「なんだ」
「…なんでもねぇよ」

スタースクリームが自ら屈んで見上げていたサウンドウェーブの唇に触れてくる。
スタースクリームの右手をぎゅっと握って片方の腕をスタースクリームの
背中に回すと更に深く舌が交わった。
その時スタースクリームの頭部からぼたぼたっと循環オイルが
落ちてきて自分のバイザーにかかった。

「あ、わりっ…」
「……」

無言でバイザーにかかった紫色のオイルを拭ってそういえば
スタースクリームの頭部が破損していたのを思い出す。

「…先にリペアするか?」
「…別に、もう気にならねぇよ…」
「あまり身動きするな。俺がやる」

あまりスタースクリームに負担をかけるわけには行かない。
スタースクリームは気にしなくていいのによと小さく呟いた。

「…?サウンドウェーブ?何やってるんだ?」
「…黙っていろ」
「は?あ、わ、ちょ、おい!こら!!」

背中に回していた腕も繋いでいた手も放して寝台から降りている両足を左右に割った。
スタースクリームはまたばたばたと慌てだしたが気にしない。
割った両足の間に身体を挟み、先ほどまで開いていたパネルをもう一度開く。

「抵抗するな。傷が開くぞ」
「何するつもりだお前!わっ、ばかっ、お前…!」

頭にスタースクリームの両手を感じる。
ぐいぐいと押し返されるが気にせず、そこにあるケーブルを口に含んだ。
わざと口内オイルをケーブルに絡みつかせ、下先で器用に扱うと
スタースクリームの両手からどんどん力が抜けてきたのが分かる。

「さ、サウンド、うぇーぶ…!!」

強く吸うとスタースクリームが前かがみになってくる。
その顔を覗くとスタースクリームが感じているのはすぐにわかった。
その顔を一度眺めててから更に舌と指でスタースクリームの下腹部ケーブルを扱う。

「っ…ふっ…は…」

息があらいスタースクリームのケーブルに少しだけ歯を立てると
引きつるように喉を鳴らす。
ケーブルから生暖かいオイルが漏れ始めて、舌にその感触が伝わる。
ケーブルに熱がこもって熱くなっているのを冷やす為に冷却液の分泌量も増えている。
限界が近いのが分かる。

「だっ、ぁ…!!サウンド!サウンドウェーブ!!」
「なんだ」
「ひっ!喋る…なぁ!放…!」
「何故だ」
「だっ…!喋るな……って!」

口に含んだまま喋ると舌と歯でケーブルを刺激する為スタースクリームは
酷く嫌がった。頭に触れている指先がガクガクと震えているのがわかる。
俯いていたスタースクリームが耐え切れなくなってゆっくりと上を向くように仰ぐ。

「ひっ…うっあ…あ…!うぁああ!!」
「…っつ」
「っあ…はっ…さ、さうん…ど…!」

スタースクリームが声を上げる瞬間背中がしなって口に含んでいた
ケーブルからオイルが大量に流れ出る。べたべたしたオイルが口の中を占領し
少し吐き出しかけたがそのオイルの半分を飲み下し、残りを手のひらにだす。
スタースクリームはその様子をみて顔の温度を急上昇させてた。

「……お、まえ、もしかして…少し飲んだ…だろ」
「あぁ」
「何…してんだ!」
「これだけで十分だ」
「何が!」

スタースクリームの吐き出したオイルを手のひらで広げ、指先まで滑りやすくする。
特に重点的に中指と人差し指にオイルをつけるとスタースクリームを
寝台に押し倒した。


「うあ!」
「下腹部のレセプターに指を入れる」
「あ…あ、あぁ…」
「力を抜いていろ」
「……わ、わかってらぁ」


スタースクリームの身体を完全に寝台に乗せて、脚を曲げさせる。
自分は寝台にはあがらず床に両膝をついたまま良く見えるように脚の間に顔をうずめ
閉じないように腕で固定しながらスタースクリームのオイルでべとべとに
なった右手をレセプタに当てた。

スタースクリームが触れた瞬間悲鳴に似た声をあげたがそのまま一番オイルの
付着している中指を押しこむ。
スタースクリームが断続的に母音だけを発しているが気にせず中指を指の届く
一番奥まで差し込む。

「あ、あ…あ!!う!あ!」
「どうした…?」
「ぬい、て!苦し…!」
「心配ない」

スタースクリームは首を左右に振って拒否する。
身体を足の間に挟んでいるから不可能なのだが無理に脚を閉じようとしながら
両手で挿入している指を抜こうと手を伸ばしてくる。

「違和感は最初だけだ」
「……ボディの…中心より少し下が…!」
「?」
「熱くて…!オイルを…、大量に飲んだ時みたいに…!苦しい…!」
「……」

そんな風に感じるのか。と諜報、情報員として分析したくなる。
しかし、スタースクリームが首を左右に振りながら嫌がるので
そんなことしている暇はなさそうだ。

「…今日は、もう抜いてくれ…!」
「そうはいかない」
「んで、だよ!」
「お前と接続したい」
「………」
「我慢できそうにない」

指は入れたままだが自分も寝台に乗り上げてスタースクリームの顔を真正面から見る。
寝台に乗り上げるまで気付かなかったがスタースクリームは目から冷却液を
流していた。
その冷却液を舌で舐めとり眉間、鼻筋とキスをしてスタースクリームと目を合わせる。
「我慢できない」自分の言葉に嘘は無い。
前までだったらスタースクリームが「イヤだ」といえば引き下がっただろう。
今までは自らしたいという気持ちはなく、スタースクリームがやって
ほしそうだからという気持ちで接してきた。
だが、今は違う。スタースクリームが嫌がろうと引き下がる気は無い。
スタースクリームのケーブルを口淫している間、否、それより前の
スタースクリームに接続したいか聞いた時こいつは「接続したい」と言った。
その時から自分は興奮している。
きっと興奮というには冷静すぎるが、普段よりはずっと、こいつに触れたいと思った。

「お前が」
「スタースクリーム?」
「お前がそういう風に言うの初めてだ…」
「……あぁ」
「でも俺はそのほうが良いと思うぜ」

そう言ってスタースクリームは少しだけ上体をおこすと触れるだけでキスをしてきた。
それに答えて唇を割って舌を差し込むと、スタースクリームがその合間に
少しだけ声を発した。

「…我慢してやるから、早くしろよ…」
「スタースクリーム」
「ニューリーダー様は心も広くねぇとな…ぅっ」

まだきっと苦しいんだろうと予測はしつつも中指を抜いたり挿したりする。
さらに指を増やすとスタースクリームが呻くので少しでも気をそらせれば良いと
深く口付けた。

「んんっ…んっ…ふっ」
「もう少し…我慢しろ」
「んぅ」

中指に加え人差し指も最奥までいれると更に薬指もゆっくりと追加した。
スタースクリームはそれまで耐えていたが苦しさに唇を放すと歯を食いしばった。

「スタースクリーム」
「………ん…!うぅあ…!」

挿入した3本の指をレセプト内で曲げて内部を擦ると内部に感度の高い部位が
あったらしく苦しさよりも快感による悲鳴をスタースクリームが
上げたことに気付いた。

「そ、そこ…!」
「…ここか?」
「ひっあ!!」

もう一度内部を擦ると今度はあからさまに甘さを含む悲鳴を上げて
感度に耐え切れなくなったのか身体を一度痙攣させた。

「な、な…?なんだ?そこ…」
「感度の高い部分があったようだ」
「そ、そこは、駄目だ…っああ!」

指を更に動かすとスタースクリームの悲鳴とスタースクリームのレセプタから
溢れ出るオイルが立てる卑猥な音だけが部屋も響いた。
歯を食いしばり苦しげに耐えていた表情から、勝手に口を開いて耐え切れ喘ぎ声が
漏れる。そのスタースクリームの顔に自分が欲情しているのに気付いた。

無言で自分の下腹部を開いてケーブルを出すと快感に翻弄されているスター
スクリームは気付かなかったようで指を三本とも抜き、オイルまみれになった
レセプタに自分のケーブルをあてがってようやく気付いた。
どうやらかなりブレインサーキットに熱が溜まっているのか
朦朧とした視線を向けてくる。

「……?さ、うんど…」
「挿入するぞ」
「……?」

分かっていないだろうスタースクリームのレセプタに自分のケーブルを差し込んで
深くまで押しこみレセプタ内の感度の高かっただろうという部位で固定する。

「ん…」

指三本よりは質量は減っているのでスタースクリームは苦しげではないが
丁度感度の高い部分でケーブルをセットしているので内部の違和感は
消えないらしく目を細めて呻いた。

「わかるか」
「……?」

まだ分かっていないようなのでわざと強めのパルスを単発で送ってやる。

「っっ……!!!」
「………」
「…な…に」
「右手を貸せ」

空を彷徨う右手を掴んでやって互いが繋がる部分まで引っ張って繋がるケーブルと
レセプタを触らせる。
一度導いてから手を放すとスタースクリームは自分で繋がる部分を
指で何度かなぞった。

「……これって」
「接続した」
「……」
「繋がってる」
「……」

スタースクリームは何か言いたげに一度口を開いたが言葉が見つからないらしい。
人にはデストロンなら言葉を選ぶななどと言っておいて何をいっていいか
分からないらしい。

ならもう何の言葉も紡げなくさせてやるのが一番良い。

「っあ!あぁあ!ふっうあ…!!」
「ん……!ぐ」

パルスを継続的に送ってやる。
スタースクリームの背がしなってとめどなく媚声がもれる。
意識的ではないだろうがスタースクリームの中で溜まる快感のパルスが
サウンドウェーブにケーブルを通して返ってくる。
ぞくぞくする。スタースクリームの表情、しぐさ、全てに。

「サウ、ンド…!サウンドウェーブ…!」
「っぐ…っ…どうした…?」
「…駄目だ…!もう!気持ち、気持ちいっ…!」
「あぁ…」
「とぶっ…っああ!」

スタースクリームの両腕が首に回ってくる。
目からぼろぼろと冷却液を零して普段のスタースクリームの雰囲気は
片隅にも見えない。
それは多分自分も同じなのだろう。冷静さがどこかへ行ってしまったようだ。

スタースクリームから返ってくるパルスの快感も強いが内部に挿入されている
ケーブルがスタースクリームのレセプタに締め付けられて、外部的な快感に
もさらされる。互いの限界が近いのがわかった。


「っあっ…!イ…!イくっ…!」
「っく………っ」


自分の身体が震えるのとスタースクリームの身体が震えるのがほぼ同時だったのを
確かに感じた。






*





「………」
「………」
「………」
「…………スタースクリーム」
「………………あ?」


スタースクリームはあの後ぐったりと寝台に横たわり、意識はあるものの
身体は身動き一つ取れなかった。
頭部の怪我のせいもあるが一番の原因は下腹部にあるのは言わずとも分かる。
なかなか息が整わず、苦しげなスタースクリームを出来るだけ気遣った。
ケーブルを抜いてスタースクリームに声をかけると目線だけを向けてきた。

「大丈夫か」
「………あぁ……」

下腹部がだるいと一言だけ文句を言うとゆっくり上半身だけ起した。


「うっ…」
「どうした」
「……お前…中に…」
「だした」
「…最悪だ」


スタースクリームは恐る恐る繋がっていた部分を指で撫でるとどろりと
レセプタからはオイルが漏れ出て手を汚した。

「馬鹿やろう…今からメガトロンのところに行くつもりだったのによ…」
「なに?」
「だから、今からメガトロンの、うおっ!」
「何故だ」
「……あの、サウンドウェーブ。先に言っとくけどよ」
「あぁ」
「本当に…俺とメガトロンは」
「わかってる」
「じゃあどけよ」


先ほどまでスタースクリームからケーブルを抜いたサウンドウェーブは
部屋にあるエネルゴンを準備し、スタースクリームに与える為に暖める用意すら
していたのだがそれを寝台に置くとスタースクリームの上に再度覆いかぶさった。

「行かせない」
「はぁ!!?馬鹿言うな!お前を優先しただろうが!」
「まだだめだ」
「あぁ?ちょ、おい」

スタースクリームの右膝裏に手を回すとぐっと持ち上げて
閉めていなかったパネルの中にあるレセプタが見えるようにした。
スタースクリームは先ほどの行為で腰の稼動に違和感を覚えていたので
片足を持ち上げられ痛みに呻いた。

「いててて、何してんだてめぇ」
「……」
「?……ぅあ!!」
「もう一度入りそうだな」

指の腹でレセプタの淵を撫でるとスタースクリームが驚きの声を上げた。

「ざけんな馬鹿が!駄目だ!」
「ならば黙ってこの部屋にいるか?」
「だからメガトロンになんていわれると思ってやがる!」
「そうか」
「そうかじゃねぇんだよ!この間作戦だめにしたから新しく作戦考えて実行に
 移せるまでの全責任を負えって言われてそのための資材と実行に起す為の
 メンバーを考える為に今日は…!ぎゃあ!!!」
「もう少しまともな声をあげたらどうだ」
「い、い、はいった…入って…!!」

スタースクリームは急に内部に違和感を感じて大声を上げた。
先ほどまで酷使していたレセプタがまた痛み始める。

「スタースクリーム。わかるか」
「…ぬ、抜きやがれ…!入ってる…!!うぁあ!あ!」
「っ…」
「とめろ…!パルスっ、ああ!」

逃げようと寝台を引っ掻き、金属同士で嫌な音を立てる。
その際に伸ばした腕がさきほど寝台に置いたエネルゴンが入ったコップを
なぎ倒して寝台に零れた。

「こ、ぼれ…んぅっ!」
「…あぁ、気にするな。全部終わったら手伝わせてやる」
「っひ…」

スタースクリームの腕、身体と機体の隅々にまで唇を落としながら
サウンドウェーブは呟いた。スタースクリームには聞こえていただろうか。
そういえばこいつの部屋でエネルゴンを零した時は部屋の片づけまで
手伝わされたなと最近の記憶バンクを引っくり返して思い出す。
そうだ。その後で2人でホットエネルゴンを飲んだなと次々に思い出す。
あの時とは感情も状況も全然違うと再確認して喘ぐスタースクリームの唇に
唇を重ねながらこの行為が終わったら時間をかけて部屋を片して
ホットエネルゴンを飲もうと考えた。

そうすれば気も晴れる。






*





デストロンの中でスピードは誰よりも速く。
博識な知識と実際に可能にする行動力
機械のくせに表情豊かで感情を表に出し惜しみしない。
そんな航空参謀の弱味も飼い方も知っているのは自分だけだろう。


「今回の作戦はスタースクリームとサウンドウェーブに指揮を取ってもらう。いいな」
「俺様の手に余る作戦だぜ」
「わかった」


メインルームでメガトロンの作戦会議を終える。
明日に控えた作戦の前準備だ。
この作戦を成功させればセイバートロン星に帰れるかもしれない。

「スタースクリーム」
「サウンドウェーブ?」
「この間、摂取した原液の細かい調査が済んだ」
「お、早いな」

にっと笑って手を差し出してくるスタースクリームに「部屋」と一言で返す。
スタースクリームはむっと口を尖らせて「またかよ」とため息を吐いた。

「部屋に上等のエネルゴンがある」
「…また俺様を釣ろうってか?」
「いらないならカセットロンに」
「あーわかったわかった。行く。行けば良いんだろ?」

スタースクリームは周りを見て近くにデストロン軍団がいないのを確認してから
顔を近づけ目を細めてぼそっと呟いた。

「明日は作戦決行だ…何もしねーぞ」
「わかっている」
「お前のわかってるは当てにならねぇんだよなぁ…」

スタースクリームはため息を吐いてからサウンドウェーブの後ろについて歩いた。

「お前みたいな奴と付き合うのは疲れるぜ」
「お前みたいな馬鹿を飼うのは疲れる」

背後から蹴りを食らったが何も言い返さないで歩けば
スタースクリームは部屋までちゃんとついてきた。



航空参謀の飼い方




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終わった!!

これね。削ったんですよ。これでも。削って削って削った結果がこれだよ!
音波てめぇええ!!動かし辛い癖にどんだけやってんだ!

吹っ切れた音波ってもう怖いものなしだと思うんだよね。
腐女子アイを通さない限り音波は常に吹っ切れてるんだけど…
惚れたほうが負けだぜが定石ですがどっちが先に惚れたかは
各自の判断にお任せします。

長かったからカットしたけど後日談と
デ軍視線バージョンがあるんで近々頑張ります…