「…悪さするなよ」
「もちろんです。メガトロン様ぁ」

語尾が甘ったるくなるのを抑えようともせずスタースクリームはメガトロンに手を
振った。
メガトロンはいぶかしんだ顔をして歯をむき出し、そんなスタースクリームを
しばらく睨んだ後に自分の後方に立つ寒色色をした2体へと振り返る。

「やはりサンダークラッカーかサウンドウェーブ。残れ」
「それは不可能。俺にしか解析できないデータがセイバートロン星に残っている」
「昔の知り合いが兵器を作ってくれるらしいんですがお前に手伝って欲しいと…」
「……」

そんなことを言う2体を眺めているとあの憎たらしい顔をした航空参謀が笑った。
怒鳴りつけたくなるのを押さえてメガトロンはその笑い声の主を正面から見ると
目を細めて「にししっ」と笑うスタースクリームを黙って睨みつけるのだ。

「大丈夫ですぜ、メガトロン様ぁ。この俺がいれば地球にあるデストロン基地は
 全て守ってみせましょう?」
「………」

メガトロンがセイバートロン星に長期任務に向かう。そんな前日の夜のことだった。




 自涜
 



「俺様の時代だぁ!!くくっ…くくくっ!!」
「……あんまり調子乗ると帰ってきたときに痛い目みるぜぇ?スタースクリーム」
「…わかってるぜ…。この間もかなり痛い目合わされたしな…くそ、メガトロンめ…」


今回メガトロンはサウンドウェーブとサンダークラッカーを側近としてセイバー
トロン星に帰還する。最初は何で重要な任務に自分を連れて行かない!と
怒鳴ったのだがサウンドウェーブが耳元で
「今回の帰還は長いものになるからお前じゃないと地球を任せられない」などと
呟かれればどうでも良くなった。
なんだか上手く流された気もするがそれで十分気が良くなったスタースクリームは
優秀なブレインサーキットを更に活発化させてメガトロン不在の間どうしてやろう
なんて悪事をいくつも考えたりもした。
数時間前にはメガトロンが睨みつけてくる中、手を振って「いってらっしゃい」と
言ってのけることも簡単で、少々不審がられたようではある。

頼られているのはサウンドウェーブのついた嘘かもしれないが長い帰還なら地球の
全権はその間自分のものと言っても良いだろう。
流石に自分勝手やりすぎると殺されかねないのでよしておく、ついこの間調子に
乗って殺されかけたのだから。
スカイワープは思考するスタースクリームの隣でにやにやと笑いながら腕組を
していた。


「それで?何をするつもりでぇ」
「手始めにメガトロンが帰還するまでメガトロンの寝室を使わせてもらう」
「……」
「後は、地球にある臨時基地を増やしてエネルギー貯蔵量を増やす。メガトロンが
 帰還した時にあっと言わせてやるさ」
「後半は良いとしても前半は怒られると思うぜ…」
「後、帰ってくるまでは全員俺を『リーダー』と呼ぶこと。朝の会議開始時には
 『オールハイルスタースクリーム!』だからな」
「…………」
「おい。ほら。オールハイルスタースクリーム!」

スタースクリームは左腕を身体の前に水平にしてさし出すと嬉々として言った。
スカイワープはため息を吐いて自分と同機のそいつを見やった。
随分と喜んでいるようだ。口の端をあげて目をきらきらさせるコイツはとっても
可愛いと思うけど、言ってることは可愛くない。

「聞いてんのか!スカイワープ!」
「へいへい。おーるはいるすたすく」
「略すな!」



*



スカイワープに50回ほどスタスクをスタースクリームに言い直すように言い
なかなか言い直さないので腹を立てながらメガトロンの寝室に訪れた。
当然、部屋の主は居ないのだが見慣れた寝室の風景を見て、本当に自分の部屋の
ように寝台に座った。

メガトロンの寝台は地球製の寝台で、ふかふかとしている。スプリングでぎしぎし
言うところが最初は気に入らなかったのだが最近はこれを気に入ってもいた。
自分や他のトランスフォーマーたちの寝台は唯の鉄製の寝台なのだが
どこからか見つけてきたのか、いや、作らせたのだろう。このトランスフォーマー
サイズのベットは地球中どこを探してもここにしかない。

寝台の横にあるメガトロンの仕事用コンピューターに触れる。
普段はこれを弄っている姿を良く見るが置いていったということはセイバートロン
星で必要なデータは全て持ち出されているだろう。なんとなく気になったので
コンソールに指を置いて、簡単にハッキングした。
大した防衛システムもかかっていないのでパスワードさえ入力すれば簡単に
接続できる。中はほとんど兵機開発のデータや臨時基地のエネルギー残数などで
面白みはなかったが、難しい数式や複雑化されたデータをいつも寝る前にチェック
していたのだと思うと少しだけ尊敬の念がでてくるものだ。

他にも普段メガトロンが寝室でよく手に取っているものを眺めた。
融合カノン砲の手入れをする道具だとか、エネルゴンを注いで飲むワイングラス
だとか。様々なものが残される寝室を眺めてはスタースクリームは面白くなさそうに
鼻を鳴らす。

スタースクリームはよくメガトロンの寝室に訪れていた。
訪れることもあれば呼び出されることもありその理由はデストロン軍団としての
仕事、作戦が4割。文句を言いに来るのが1割。残りの5割は私事だ。
私事と言っても遊んでいるわけではない。言わば交歓行為をする為だ。
呼び出されたり、連れて来られたり、自分から来ることもたまにある。

コンピューターを落とすとふかふかの寝台に横になった。


「………眠い…」


少し今日は疲れているのかもしれない。眠い。

機械にも匂いがある。自分達金属生命体でも。
錆臭かったり、新品の匂いがしたり、オイルやエネルゴン臭かったりする。
この寝台にはメガトロンの匂いが染み付いていた。言い表せないが破壊大帝の匂い。

高級なエネルゴンの匂いと、少しの火薬の匂い。そういやビークルモードは
拳銃だった事を思い出す。
それと寝台以外にも部屋全体にメガトロンの雰囲気が満たされていた。



「ひっぁ…あ…」
「スタースクリーム。いやらしい奴だな、お前は」
「黙れ黙れだまっぁ…!くぁ…!!」
「まだ奥まで入れてないぞ…?」

そう言われて接続の緩くなっているコネクタとレセプタを繋ぎ合わせる為
スタースクリームは自ら腰を揺らして、繋がりの浅い接続部位を深く繋ぎ合わせる
ために腰を落とした。

「駄目だ、スタースクリーム。欲しい時には言葉に出さんとな」
「っ…!メガト…ロ…様!やだっ…!」

繋げようとした部位を再度少し引き抜かれると自分の口から甘ったるい声がした。

「スタースクリーム。1人で楽しむな」






*



「…どした?」
「……ちょっと最近スリープモードにはいるのが浅くてよ…」
「寝不足か?ちゃんとしとけよ。一応今は『リーダー』なんだからよ」
「………あぁ」

スタースクリームは目の鈍く光らせて基地内に居た。
最近夢見が悪い。最悪だ。
メガトロンの寝室を使った日から、夢見悪い。
もう2週間もたったが少しだけと仮眠をとろうとしてもあの夢は出てくる。

あれってこの間の行為だよな。くそ、記憶媒体がおかしくなったんだ。
絶対そうだな。おそらく勝手にロードして思い出すように設定されちまったに
違いねぇ、どうしてそうなったかなんて考えはしない、思い当たる節がないからだ。

「リ〜ダ〜」
「フレンジー…」
「通信室行って来いよ。メガトロン様からだぜ〜」
「…わかった」

気が重いがもうすぐ帰ってくるのかもしれない。そしたらヤろう。
疲れているからといわれてもヤる。絶対ヤる。自分は溜まってるんだ。

「…スカイワープ。スタースクリームどうしたんだ?」
「……最近寝れてねぇんだと」
「ふーん?」
「お前サウンドウェーブについていかなかったのかよ?」
「サウンドウェーブがお前らの面倒見といてくれって〜」
「……」

スカイワープは無言でフレンジーの頬を掴んで左右に引っ張った。



*






『悪いが後1ヶ月は留守にするぞ』
「…いっかげつ…」
『何か問題があったか?』
「…いえ。何もないですぜ」
『フレンジーから頑張っていると聞いたぞ。臨時基地の活動を活発化させて
 各地のエネルゴン貯蔵量を増やしたと」
「そうでした、メガトロン様。今度地球でも権力を持った人間が大型水力発電ダムを
 建設しました」

近くに臨時基地を作って一気にそのダムから発生するエネルギーを奪うのは
いかがでしょう?と告げるとメガトロンは顎に手を当てて「ふむ」といった。

「臨時基地は近くの山中に穴を掘って地下を設立しようかと。サイバトロンの
 見回りの目も防げます」
『わかった。その件はお前に任せよう』

眠さで目が霞むが何度か目をこすりながらメガトロンの映るモニターを見つめると
メガトロンは珍しくご機嫌だった。
その笑顔がまぶしい。今の自分にはその笑顔は眩し過ぎるし、鬱陶しい。
早く帰ってきれくれよと言ってやりたい。当初大帝が居なくなる事を大喜びしていた
自分が嘘のようだ。
多分、憶測だが理由を言って、「頼みますから帰ってきていただけませんか」と
懇願すれば少しの間でも帰ってきてくれるだろう。
メガトロンは快感を我慢できない自分が好きなのだ。
やりたいと、抱いてくださいと言えばこの話に乗ってくる、はず。

『出来る限りこちらも早く済ませる。それまで頼むぞスタースクリーム』
「……はい。メガトロン様」

珍しくにっこりと笑って2度頷いた破壊大帝は通信をきった。
言えなかった。言えるはずもないのだが。

1ヶ月と言う期間は決して長くはない。逢わない時は何ヶ月にも渡り別行動を
行うこともある。なんたってセイバートロニアンは寿命といった概念はない。
機体としての寿命はあるが何百万年も何千万年も生きる自分らは月単位など
まったくもって長いとは思わない。

しかし今のスタースクリームにとって1ヶ月とは長すぎる期間である。



「通信どうだったよ?」
「スタースクリームゥ〜?」
「…メガトロンの期間はあと1ヶ月延長だとよ」
「流石メガトロン様だぜ。もっとかかるかと思ってたんだがなぁ」
「この間説明した臨時基地建設も許可が出た。フレンジー、この設計図で作れ。
 2週間以内でな」
「ビルドロンは?」
「使って良い。スタントロンに建設資材を調達させろ。それとフレンジー、俺の
 事はリーダーと呼べ」
「へいへい。わかりましたよ。リーダー」
「お前はどうするんでい、スタースクリーム」
「…少し寝る」

足元でフレンジーが流石リーダー様は俺らとは休憩の量も違うんだねぇなどと
言ってのける。その口が憎たらしい。
スタースクリームは無言でフレンジーの頬を掴んで左右に引っ張った。



*




ぐちっと水音が響く。
音が聴覚を通り脳内まで狂わせようと働く。

「っあぁ…!やだ…!」
「何を言うか。随分と身体がほぐれてきたわい」

コンソールに突っ伏した自分に背後から覆いかぶさって下腹部にあるケーブルを
揉みしだくのはあの破壊大帝だった。
人差し指でコネクタの先を弄りつつ、他の指で緩急をつけて扱われると自然と
身体から力が抜けていった。コンソールにしがみ付く力までも奪われそうになり
床へと崩れ落ちそうになるのを恐れた。

「もうお前は儂なくてはいられないのではないか?」
「んなことっはっ…」
「期待で目を輝かせながら何を言う」

上半身をコンソールで支えていても足ががくがくと震えた。
歯もかみ合わない。喉で音が生成できないで母音だけを繰り返す。
時々引きつった音を立てて息を吸い、苦しげに息を吐くとメガトロンは頭を
優しげに撫でてくれるのだ。





「……」


薄く視界が戻ってきて自分が少しだけ寝ていたのがわかる。
身体は寝ていてもブレインサーキットは起きていたようだ。
まったく疲れが取れていない。目がちかちかする、あまり擦ると傷跡として表面が
削れてしまうので我慢してふかふかの寝台に頭をこすり付けた。
普段メガトロンが使っている枕に触れてみれば弾力があり低反発で気持ち良い。
額を枕に押し付けて擦るとメガトロンの匂いがした。

『もうお前は儂なくてはいられないのではないか?』

「っ…馬鹿いうな…!」

歯を食いしばって指先をぎゅっと握りこんだ。
強く握りすぎて関節部がぎちぎちと音を立てる。熱い。身体が熱い。

「っくそ…くそ…」

悪態をつきながらも握りこんだ指先は緩く開いていく。左腕は枕の下に回して
顔を枕に埋め込んだ。強い火薬の匂いと高級なエネルゴンの匂いが混じって心地良い。
完全に開ききった右手がふかふかとした寝台を下っていって自分の腹部を越える。

感覚が鋭くなっている。少しでも身体に指先が触れると背筋が震えそうになった。
口で悪態をついても腰が浮き上がる。立膝するように腰があがるとそれにつられて
寝台を這い回っていた自分の右手も腹部に触れた。

少し腹に指があたっただけで息を大きく吸い込むほど快感が走った。
息づいてしまった自分を恥じて枕の下に回った手がぎゅっと枕を掴む。
頭も強く枕に押し付けるとますます匂いが強くなって自分の興奮を煽った。
右手が腹部を一度だけ撫でると自然と声が上がる。

「ちがう…こんなこと…するつもりじゃ」
『何が違うのだ?スタースクリーム』
「っ…やだっ…やめて…!」

熱い。頭が。ブレインサーキットに熱がこもってる。
最近ブレインサーキットを休ませていないからだ。眠れていないせいだ。
普段の俺ならこんなことしねぇ!いやだ!

脳内で再生されるメガトロンの声。今まで何度も囁かれた言葉。
まるでメガトロンがこの場にいるような気さえしてくる。
右手が自分のものじゃないように動く。自分が求めてるものを目指して。
腹部にいた右手は自分の意思に反して更に身体をくだり、ついに下腹部のパネルまで
届いた。パネルは触れただけで熱く、触れた指先がびくりと震える。
熱さを確かめてからもう一度触れるとその熱さに慣れた指先は何度か往復して
パネルを撫で回した。


「……キ、ツイ…」

誰に言うでもなく声がもれ出ると答えるように右手がパネルを開けるように動く。
少しの開放感と共に自分の右手にコネクタが触れる。
早くもコネクタに潤滑油がまとわりつく。ぬるりと右手がそれを掴むと喉が鳴いた。


『スタースクリーム。どうしてほしい?』
「……っ」

『儂にはサウンドウェーブのような能力がないのでな。言わないとこのままだぞ?』
「メガトロン様っ…もっ…と!」

『もっと?』
「触って…!」


羞恥に頭がぐらぐらしてきて顔が熱い。枕を握り締める左手の力もかなりのものだ。
自分の1人芝居だと脳内ではわかってる。それでも聞こえてくるメガトロンの声と
会話してしまう。
右手が勝手に動いてメガトロンの手の動きを真似し、コネクタの先を親指が擦ると
目から冷却材がにじみ出てきた。

「や……メガトロン様ぁ…メガトッ…さまぁっ……!」

喉が引きつる。冷却材は枕に吸収されていった。枕に顔を埋めているのに音が響き
耳につく。メガトロンが毎回わざと音を立てているものかと思っていたが自分の
排出する潤滑油の量に驚く。潤滑油が手に絡み、少し強く掴むとにちゃっと音がした。
暫くそうやって自分の奏でる音を聞きながら扱っていると限界が訪れる。


「あっあっ…でっる…!」
『だしてもいいぞ』
「やっ、あっああ…!」


身体が数度痙攣してたっぷり時間を使ってその快感を味わう。
不純なオイルを寝台に散らす。最近溜まっていたせいか量が多い気がする。
出し切った後に枕から顔を上げてゆっくり上半身を起こせば寝台に撒き散らされた
自分のオイルを見て体が急激にさめていった。



「…俺のばかやろう」







*






「お帰りさいボス〜!」
「フレンジー、よく働いたな。2ヶ月も延長してすまなかった」
「メガトロン様。問題はなかったんで?」
「途中コンピューターが壊れる事故があったが問題なかったわい」


周りに寄ってくる部下を眺め、メガトロンは一息ついた。
やっと戻ってきた。帰るべきセイバートロン星よりもこちらに戻ってきたくて
仕事を急がせたようなものだ。そのせいで自分の後ろに居るサンダークラッカーは
酷く疲れた顔をしているしサウンドウェーブにも無理をさせた。
顔には出なくても後半仕事ミスが多かったところを見るとかなり疲れてるだろう。


「……ん?スタースクリームはどうした?」
「何か今日中にやっておく仕事があるとかで。あいつも出迎えくらいしてけば
 いいのになぁ?」
「最近のスタースクリーム真面目ですぜぇ〜!」
「ほう?」

最後に通信をきったのは2ヶ月前だ。あの頃から真面目そうだったが今も真面目に
やってるとは。見送り時のにやけ顔は殴りたくなるほど腹立たしかった、間違いなく
何かたくらんでいるのだろうと思わせたがそれは杞憂だったようだ。
しかし激励の言葉を交わそうとしても目の前にいないのでは仕方がない。
スタースクリームなど褒めれば調子に乗るだけなのだが、今回は真面目だった事が
大帝は嬉しかった。
通信では1ヶ月で戻ると伝えた、それなのに2ヶ月かかったことを帰ってきて早々に
文句を言いにくると思ったのだがそれもなく不思議で仕方ない。
探して様子を見てやろうかとも思ったが後ろの2体ほどでなくとも自分は疲れている。
早く眠りたいと自室のほうへ身体を向けた。

「仕事が終わったら部屋に来るように言っておけ」
「了解でさぁ」
「どこへ行くんです?」
「少し眠る、サウンドウェーブ。サンダークラッカー。お前らも休め」
「了解」
「有難う御座います…」

メガトロンはがしゃんと身体と床のぶつかる音をたてて
まっすぐに寝室へと向かった。

「…スタースクリームリーダーと言うことが一緒だな〜」
「嫌味ったらしさが全然違ぇだろうが」
「スカイワープ。お前さん本当メガトロン信者だよなぁ…」

スカイワープは無言でフレンジーの頬を掴んで左右に引っ張った。
フレンジーはサウンドウェーブに助けを求めたが疲れていたサウンドウェーブは
止めず、サンダークラッカーと並んで自室へ戻るだけである。




*




メガトロンは寝室にたどりついてすぐに部屋の違和感に気付いた。


「……スタースクリームか」


寝室の入力パスワードを知っているのはスタースクリームだ。進入したのだろう。
取られて困るようなものや見られたらまずいものを置いていった覚えはないが
物の配置が変わってるところをみると少しは荒らされたようだ。
寝台なんか見ればわかる。

「……む…」


寝台は綺麗に整っていた。気になるのはシーツが変わっていることくらいだ。
どうせ自分の居ない間寝台でふざけていてエネルゴン菓子が何かを零したのだろう。
そのままにしていたら多分今すぐ撃ち殺しに行っていた。しかし今は凄く眠い。
寝台が使えない状態じゃないだけましだ。

寝台に身体を倒して融合カノン砲をはずすと寝台に立てかけるように床に置いた。
枕に頭を預けるように横になるとふと再度違和感に気がつく。

「……?」

枕に触れる。何度か叩いてみる。ふわふわで自分の愛用しているものだ。
普段は仰向けに眠るのだがうつ伏せになって枕に顔を埋めてみる。

「……スタースクリーム…?」

機械自体に匂いがあるとは言わない。
しかし雰囲気とその機体が普段何をしているかで機体には匂いがつく。
枕からはスタースクリームの匂いがした。なんと言って良いか分からない。
空を飛ぶと分かるあいつの匂いだ。

あいつやはり儂の寝室を使っておったな。寝台まで。
ため息ひとつだけ落とすと特別気にすることもないと判断して横になった。
ゆっくりと目を伏せればすぐさま眠りに落ちていく。





『……っ』

『メガトロン様っ…もっ…と!』

『触って…!』







「…っ!!」

一気に目が覚めた。
何て夢をみるんだ儂は。

枕に頭を押し付けながら自分で下腹部を触るスタースクリーム。ばかばかしい。
あいつは確かに快感に弱いが1体で居る時に自ら快感を求めるようなことはしない。
本当に時々やりたそうな顔をして近づいてくるが断ればむっとした後
「もう2度とあんたなんか誘うか!」となる、そのまま自慰に走ることなどない。

しかし今の夢は。


メガトロンは上半身を起こして額に手を当てると深くため息を吐いた。
スタースクリームへの通信を開こうとしたがあちらがシャットダウンしている。
連絡を受ける暇もないほど忙しいのか怒られると思っているのかはわからない。


「スカイワープ」
『はいさ。メガトロン様ぁ?どうかしましたかい?』
「スタースクリームは?」
『確かラボで今度のエネルギー奪取のための兵器作ってましたぜ』
「呼んで来い。今すぐ部屋に来るように。嫌がったら無理やりにでもだ」
『?…また何かやらかしたんでい?』
「気にすることではないわ。早くつれて来い。ワープ使っても構わん」
『はいさぁ。了解でさぁ』


プツっと音がして通信を終了する。

メガトロンは眠気がどこかへ飛んでしまっていた。
それよりも熱い、身体が。夢だというのにあんなものに煽られてしまった。

早く来い。スタースクリーム。触れたい。触れたい。




今みた夢を何度も脳内で再生しながら破壊大帝は航空参謀の訪れを待った。




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記念すべき(記念…?)えろ祭第一作品目はスタスク自家発電リクでした!
メガスタ前提の一人えちだったのでメガスタ分を強く前面にだしました。
リクエストした方は反転お願いします↓
こんばんわ!リクエスト有難う御座いました^^一作品目にまさかのこれをww
えろ祭リク参加有難う御座います!メガスタはラブラブがいいよねって言って
いたので少し糖分多めにしました^^(以上反転でした)


オマケ



「いーやーだ!!!!」
「なんでい!叱るって感じじゃなかったぜ?」
「今俺様は忙しいんだ!お前が行け!」
「嫌がってもつれて来いって言われてるんでい!」
「そんなの俺がしったことか!」

つか今はあえねぇよ馬鹿ワープ!!


↑平常心でいられないスタスク