「誰もついてくるでないぞ!!」 ガルバトロンは不機嫌だった。 かさなる失態と負け続き。ガルバトロンでなくとも機嫌は悪くなる。 それはデストロン軍団全員にいえることだったが 自分以上に機嫌の悪いやつをみると結構冷静になるもんだ。 それはレーザーウェーブも同じだった。 まったく。ガルバトロンのやろう。あたりちらしやがって。 本日の犠牲者はナイトスクリーム。 怪我をしたガルバトロンにリペアを進めた結果突き飛ばされて 「わしに触れるな!役立たずどもが!」だったっけな? なんにせよ、普段のガルバトロンならナイトスクリームの助言を聞き入れただろう。 ガルバトロンのおっさんもどういうわけだかナイトスクリームの進言には耳を貸す。 それほどまでに信頼関係築いてるんだかしらねぇけど、今日はそうはいかなかった みてぇだな。 玉座から放り出されてアイアントレッドやスノーストームは 「こっぇぇええ」とか良いながらリペアに行った。 ショックフリートは今回急いでリペアをしたほうが良いと判断されて、すでに リペア管に使ってるだろうし。 俺様は無傷だったしなぁ。まぁ、ショックフリートを盾にしたんだけどよ。 とりあえず、今は暇なんだし、休むか。 放り出された玉座の扉から離れようともう一度辺りを見ると 扉の目の前で肩膝をつくナイトスクリームが居た。 さっき突き飛ばされて若干破損してたからもうリペアに向かったと 思ってたがこんなところでしゃがんでたのか。 透明になってなくとも存在感が薄いというか、気付きにくいというか… 「おい。なにやってんだ」 「ショックフリートが居ない今。ガルバトロン様の護衛は私だけだ」 「怪我は?」 「大した怪我ではない」 「へぇ。頑張るんだなぁ?」 実際に心配しているわけではない。 口から出る言葉に嘲笑がまじっているのをこのガルバトロンの犬も 気付いているだろう。 「っ…」 「……」 痛むのか。伏せた顔が時々苦痛に歪むのを斜め後ろからみるのはなかなか良い。 左頬に走る傷跡がレーザーウェーブは気に入っていた。 ナイトスクリーム自体はガルバトロンの犬っころだから好きではないが その顔は好きだ。 無駄に綺麗な顔にそれを更に強調する無表情。下手に笑った顔なんて虫唾が走る。 その無表情を更に魅力的に見せる亀裂。好きだぜ。結構。 レーザーウェーブはにやにやと内心笑った。 自分には表情なんてものはない。ナイトスクリームとは別の意味でだが表情が でないのだ。 面白かったりムカついたりすると頭部の2本の角が上下に動くのだが 顔がないので表情らしい表情はない。 後はアイセンサーが明滅するくらいだが、今の自分の表情があるとしたら 悪い顔をしてるに違いないな。 「ナイトスクリーム」 「なんだ」 「俺の肩でよろしければ貸しましょうか?」 「………」 「くくっ…あぁ、駄目だ。笑っちまうわ」 表情でないから騙せると思ったんだけど。というとナイトスクリームは 険しい顔で見つめ返してきた。無表情でもないのな。お前。他にどんな顔する? ガルバトロンの批判すれば怒った顔なんてすぐにみれそうだけど。 「まぁ、せいぜい頑張れよ」 お前の表情なんてユニクロンを乗っ取れば そのうち幾らでも見れるしな。 ----------------------------------------------------- レーザーウェーブ単品だと攻とか受とかじゃなくてただ可愛いなんですが そこにガル様とかナイスクとかがついてくると途端に絡んでくるw レザウェの「助けてください…ガルバトロン様」(うろ覚え)発言には萌えたがな。 独りぼっちにされるとションボリするレザウェ可愛いよ!