「この壁を崩すには感情部分が作用している為、受け入れてもらうしかない」 「お前を?お前という生命を受け入れろというのか」 「それが無理なら、脳を犯しても良い」 俺がメガトロンに見えるようにしてやろうかと言われて頭が熱くなってきた メガトロンは関係ない、何を言ってるんだこいつは。 まさかメガトロンなら愛せるとでも言うのか。 「ほざくな、サウンドウェーブ」 「…」 「…代打を立てろ、俺は誰も受け入れるつもりはない」 身体は受け入れても感情が左右するセキュリティが落とせないんじゃ意味がない。 ディセプティコンに「愛」だなんて物を要求することが間違っているんだ サウンドウェーブはそれを聞いても頬を掴む手を解くことはなかった、額同士を ぶつけ合い、至近距離でにらみ合うと口を鼻に押し付けてきた。 身体中がぞっとして両腕がそれを引き離そうと動いた、おかしな話だ。 接続は許しているくせにそれ以外の行為は嫌悪する。 強く押し返そうとするとサウンドウェーブの肩越しに銀色のケーブルたちが 飛び掛るように降り注いできた。 金属とは思えないほどの柔らかい動きで腕を絡めとリ、一本で押さえつけ られないならと数十本掛りで押さえつけてくる。 「サウンドウェーブ!」 「擬似愛で良い」 「そんなものはない!」 「愛してる」 「っ気持ち悪いことを言うなサウンドウェーブ!」 スタースクリームがサウンドウェーブを意識が関与しない部分で 拒否しているのなら、そこから変えなくてはならない。 これはサウンドウェーブなりのハッキングだった、感情部分にハッキングするには 信頼を得なくてはならない。 「好きだ」 「気持ち悪い!」 サウンドウェーブはスタースクリームの体内奥深くまで差し込んでいたケーブルを 少しも動かさなかった、スタースクリームも次第にそれを忘れて行くのは サウンドウェーブの感情への攻撃も相まって仕方がないことだ。 スタースクリームの後頭部へサウンドウェーブの長く鋭い指が回りこみ 持ち上げるとサウンドウェーブがその口を塞ぐように動いた。 「やめろ!サウンドウェーブ!」 「…」 無理やり入り込んだ舌が自分の歯列をなぞっていくとスタースクリームは それを噛んだ、そんな攻撃で傷がつく作りではないのは周知の事実だが それでも淡い抵抗だった。 「スタースクリーム」 「うるさい…!」 「嘘で良い、言え」 「なにをだ!」 「愛しているといえ」 「ふざけるな!お前ごときを…」 はっとする、まるで自分はフォールンのようだ。 「お前如き」と罵られたのを思い出す、これで自分がサウンドウェーブを 受け入れられなかったと知ったらフォールンは何と言うだろうか。 仮にもメガトロンの居ない今、ディセプティコンの頂点は自分だ。 創設者に欠陥品だと思われればその座はサウンドウェーブへ向くのではないか? 何せ自分の代わりが勤まるほど優秀だとフォールンは認知しているはずだ。 「…どうした」 「…」 「好きだ」 「…」 「スタースクリーム、お前は欠陥品ではない」 「!」 「優秀すぎるだけだ」 もう一度舌が滑り込んでくると今度は噛む気がしなかった。 時々口が離れるたびに愛情を思わせる言葉を吐露するサウンドウェーブが 気持ち悪いのは相変わらずだが自分が揺れ動くのを自分で理解していた。 それはサウンドウェーブがスタースクリームの後頭部へ回す腕から細いケーブルを ブレインサーキット内に送り込み、警戒心を落としているのが理由でもあったが スタースクリームはそんなことに気付く余裕はなかった。 「愛している」 「…」 「言ってみろ、スタースクリーム」 「…俺は…」 「好きだ」 「…」 腕を拘束してるケーブルが消えうせていく警戒心とリンクするように解いていくと スタースクリームの身体を撫で回した、スタースクリームもそれを目で追うだけで 抵抗はしない。 一本のケーブルが腕に絡むと持ち上げるように引っ張り上げられ、サウンド ウェーブの首の後ろへ回った。両腕がそうやってサウンドウェーブの首の後ろへと 回るとまるで互いが互いを望みあっているような姿に見えて滑稽だった。 「…てやる」 「聞こえない」 「今だけだ…愛してやる」 スタースクリームがそういい終わればサウンドウェーブはケーブルを上手く使い スタースクリームの頭部を撫で回した、口の中へ舌を押し込むことも忘れない。 頭部に回した腕とは逆の手を下腹部へ向けるとサウンドウェーブがスター スクリームの中に押し込んでいるコネクタと同じ形をしたコネクタを掴んだ。 「ふっ…あ」 「…」 「っ…く」 スタースクリームが自分の意思でサウンドウェーブの首にしがみ付くと サウンドウェーブはスタースクリームのブレインサーキットへと伸ばしていた ケーブルを撤去した。もう必要ないからだ。 「好きだ」 「…っぐ…ぅ」 「…スタースクリーム」 「わか、ってる」 サウンドウェーブがまた下腹部でお互いを繋げるそこを動かし始めた。 今度は耐える事無く喘ぎが漏れ出す、サウンドウェーブは今まで散々スター スクリームを趣味の一つとしてハッキングしてきたがここまで痴態を晒すスター スクリームは初めて見た。 それに新たな欲情を覚えて興奮した息が出そうになるのを堪えていた。 「ひっ、…っう」 「…良い顔だ」 「ぅあっサウ…ンド…!」 「もうでるか」 「ま、ずい」 数度頷いた、ブレインサーキットがもう考えることを放棄するほどに気持ち良い。 最近、スタースクリームを喜ばせる事などたったのひとつもなかった、情報も 出来事も、物品も、何一つスタースクリームを喜ばせる一つにはならなかった。 それなのに今は歓喜の悲鳴を上げて、でそうになる身体を震わせて喜んだ。 もう既にサウンドウェーブと接続している理由など忘れていた、気持ちが良い。 スタースクリームの脳内はそれで埋め尽くされていた。 「…だすぞ」 「う、あ」 「…」 手で腹部を押しながらサウンドウェーブはまとまったデータを送り込んだ 先ほどのオイルが水音をたてて擦れるそこを意識させる、それに足すように サウンドウェーブのオイルが流れ込んだ。 「あああ!」 「っ…!」 スタースクリームも同時に互いの腹部にかかるようにオイルを放出すると サウンドウェーブのコネクタを締め付けた。サウンドウェーブが脚を掴み 持ち上げるとオイルが零れないように支えた。 「っあ…」 「…」 朦朧としていたスタースクリームが突然覚醒した。 アイセンサーを見開くとサウンドウェーブがこちらを笑いながら見ているのが わかった。 サウンドウェーブは感情へのハッキング成功の印としてスタースクリームの セキュリティレベルがゼロになっているのに笑ったのだ。 つまりはサウンドウェーブを擬似的なものでも愛情にも似た感情を抱き 心を許してしまった事になる。 スタースクリームは先ほどと違いサウンドウェーブのデータがしっかりと 体内に残っているのを感じていた、先ほどのデータはウイルス判断され消されて しまっていたが今回はそんなことはない。 「…あ、」 「…成功だ」 「…」 サウンドウェーブが確かめるように腹部を擦るとスタースクリームは身じろいだ。 サウンドウェーブがその身じろぎに疑問を覚え顔を見るとスタースクリームは 先ほどまでの虚ろな表情を感じさせない嫌悪の表情で逃げようとしていた。 「どうした」 「…終わったなら退け」 「…」 「フォールンに、報告に行く」 足でサウンドウェーブの腹部を蹴るようにしてコネクタを下腹部より 引き抜こうとするとサウンドウェーブは黙った。 ゆるっと眼前にケーブルが現れるとそれがその脚に巻きついてそれを阻止するように 動き始め、スタースクリームは顔を潜めると嫌な予感を感じて身を引いた。 「…サウンド」 最後まで言い終わる前にサウンドウェーブが顔を近づけてくる、反射的に逃げようと するとサウンドウェーブの唇が頬に触れた。 「…はぁ…」 「っ…貴様…!」 「スター…ぁ…スクリーム…は…」 こいつの悪い癖だ、これが凄い嫌いだった。 ねっとりとした声色に、時折入る息を吸う音、吐く音。 聴覚機能のすぐ傍ではぁはぁと興奮した息を吐くサウンドウェーブは 先ほど少しだけ引き抜いたコネクタをまた深く差し込み始め、スタースクリームが 反射で逃げようとすればケーブルを総動員させた。 「やめろ!もう終わった!」 「…ここからは」 「よせっ…」 「趣味だ」 顔を右手で鷲掴みにされ鉄板に押し付けられる。 その表情が笑みを浮かべているのを見れば嫌悪しても仕方がない、スタースクリームは 殺気に満ちた表情を数十分ぶりに浮かべた。 ハッキングが終わればもう擬似愛など必要ない、サウンドウェーブの行為は そう言う様にスタースクリームを趣味の一貫として触れ始めた。 一度壁を撤去してしまうと再度起動させるのは時間がかかる 体内のセキュリティはサウンドウェーブを受け入れ続けていた、思考がどんなに サウンドウェーブを嫌悪しよう、未だに体内はサウンドウェーブを愛し続けているのだ。 「殺してやる…!」 「…愛している」 「!」 スタースクリームが殺意を殺さず睨みつければサウンドウェーブは笑った。 それが冗談なのか、擬似愛なのか、本気なのかはスタースクリームにも サウンドウェーブにも、誰にもわからない。 それでも確かなのは、ネメシス内に卵が置かれるようになるのが それほど遠くない未来であるという事だ。 ------------------------------------------ 相変わらず謎の多い卵。 あんまり人間っぽく書きたくないんで「妊娠」って言葉は意識的にさけました。 フォールンさまは格好つけて「お前なんか相手しないよ!(`・ω・´)シャキーン」って 言ってるけどただ単にもう元気ないだけ(笑)オプティマス死ぬまで めっちゃよぼよぼだったもんね… 生まれてくるのはスパーク入りのHDみたいなまだTF原型留めてない位が良いなと。 DVD見てて思ったけど卵産んだ説はない気がしてきたよ…(当たり前だろ!) 手のひらサイズのHDを卵と言う名の保育器に入れてるだけなんかなー それなら一度に結構な量産めるしさ…スタスクが産んだなんて誰も言ってないのに 広がる妄想にイタタ… 前々から書きますよー!って言っていたので▽さんの初えろがこれだよ! DVDずっと見てたんですがゴースト〜小説みたいな格好いいスタスクが 書きたいのに「うでがー」のせいで全然だった。なんてこったい。