「てめぇ!」
「やんのか?あぁ?」
「やめろ!スノーストーム!」


仕事




スノーストームとレーザーウェーブの間に身体を挟むように止めに入ると
ナイトスクリームは柄にもなく大声を出した。
ガルバトロンが身体を休ませている今、こいつらの行動は目に余る。
しかもガルバトロンはナイトスクリームに直々に「奴らを頼む」と命じた。
ここで騒ぎ、何か破損してしまってはガルバトロン様にあわせる顔がないと
ナイトスクリームは強く思っていた。


「スノーストームをつれていけアイアントレッド」
「あのなぁナイトスクリーム!こいつがぁ!」
「わかっている。お前を攻めているわけではない」


それでもレーザーウェーブはオプティカルゲイザーを床へ向けているし
未だに銃器を構えているのはスノーストームの方だ。ならばレーザーウェーブには
背を向けて両手を軽く左右に広げスノーストームに向かうのが正しいだろう。
一見してレーザーウェーブを庇うようになってしまっているが
そういうつもりはない。

「ショック…」

ショックウェーブがまだ不服があるのか大きな身体を一歩こちらに歩ませた。
レーザーウェーブとナイトスクリームがその歩みに気付くのはほぼ同時だったが
オプティカルゲイザーを構える前にナイトスクリームがその脚を手で押さえると
出来るだけ優しい声でショックウェーブの名を呼んだ。

「ショックウェーブ…よすんだ」
「…」
「…ショックウェーブ…」
「ショック…」

大きな脚にちょこんと置かれた手を引くとショックウェーブは背を向けた。
そのまま去るのを見つめているとスノーストームもアイアントレッドも背を向けた。
扉まで行くのを見届けてから一つため息を落とした。

あいつらが自分の言うことを聞いてくれるのは助かっている。
それなら出来るだけ迷惑をかける前にこういった行動は慎んで欲しいのだが。


「あいつらもてめぇの言うことは聞くんだなぁ?」
「…」


背後から肩にゆっくりと手を回してくるのを振り払いはしなかったが
冷めた目で見るとレーザーウェーブは笑った。
肩を上下させ、頭を何度も頷かせると黄緑に光る隻眼をこちらに向ける。
ちかちかと明滅するのに気付いてはいたが顔をそらすだけで罵ることはしなかった。

ガルバトロン様は「レーザーウェーブの命令を聞け」と仰った。
まだこいつのことはわからないが信用が置ける奴ではない。
ショックウェーブがやたら敵視しているようだが他の2体も
こいつを良くは思っていないようだ。
ガルバトロン様はわざわざこいつの為に他の連中を宥めたりはなさらない。
そういう仕事は、自分がする。

「レーザーウェーブ。お前もだ」
「なに?」
「煽るな。争い事を宥めるのも一苦労だ」
「…ナイトスクリームよぉ。てめぇはガルバトロンのなんなんだ?」
「…?」
「お前、根っこはデストロンじゃねぇよ。あいつらも甘いけどてめぇはまた違う」

背後から回されていた腕が肩を掴んで正面を向かされる。
そらしていた顔が無理やり固定されレーザーウェーブの顔を真正面から
見ることになった。それでも無表情を保っていたナイトスクリームに
レーザーウェーブは顔を近づけた。

「仲間を助けろと言う。仲間を守れと言う。いざこざは宥める。お前ってなんだ?」
「…ガルバトロン様が望むことをするだけだ」
「へぇ、そう」
「…なんだ」

低い声で威圧するとくくっと笑う声が耳についた。
じゃあよ、と耳元に隻眼が擦りつくと下卑た声を発した。

「あいつの命令なんでも聞くのかよ」
「もちろんだ」
「ガルバトロンは俺の指示を聞けって言ってたよなぁ?」
「…あぁ」
「なら、今から俺がすることを黙って受け入れろ」
「なに…」
「暴れなきゃ痛くしねぇ。何年牢獄に居たと思う?俺だってやりてぇことあるんだよ」

両肩を掴まれ強く押されると壁際においやられた。
両翼が壁にぶつかって微かに痛むが少し顔をしかめるだけで耐えると睨みつけた。

「なにをする!」
「ガルバトロンに許可は貰ってる」
「…っ…!?」
「好きに使えって言ったんだぜ」

指がひたりとキャノピーに押し付けられて反射でその腕を掴んだ。
目を細めて威嚇するとレーザーウェーブは暫く黙って見つめてきた後に
ぽつりと零した。

「ガルバトロンの命令を聞けねぇのか?」
「…」
「俺の鬱憤を晴らす為にお前を貸せって言ってるだけだ」
「なんだと…」
「そうすりゃ少しはガルバトロンへの態度も改めるかもなぁ」
「…」

掴んでいた腕の力を緩めるとまたひたひたと身体を弄り始めた。
自分の身体をどうしたいのかまでは知らないが、今の言葉が本当なら
殴るなり罵るなりしたら良い。それが今後に繋がるのならだ。

「…抵抗しねぇんだな?」
「…好きにしろ」

頭部につく耳のような角を数回動かすと雰囲気で笑ったのがわかった。
黙って顔をそらすと両肩を掴んで床に座るように押される。
背中の両翼をざりざりと壁に擦りながら床までたどり着くと
両肩にあった手が両膝に移動して脚を左右に割るように開かれた。
黙ってそれを見ると「おい」と荒々しく呼ばれる。

「面倒くせぇから慣らさねぇぜ」
「…なにをだ」
「ガルバトロンと使ってんだろ?ここ」
「…何を言ってる」
「今更天然気取るなよ」
「…?」

黙ってその隻眼を見つめた。
意味がわからない。何を言いたいのか、何を言っているのか。
レーザーウェーブが肘の裏に手を伸ばすとそのままレーザーウェーブは
詰め寄ってきた。パチンと音がして自分の装甲の一部が開かれると
脚を持ち上げられ、レーザーウェーブがぐっと押し付けてくる。

下腹部にあるレセプタクルにレーザーウェーブが入り込んできたのに
気付いたのはすぐだった。

「なっ…!」
「一気に押し込むぜ」
「ま、て…!うあっ…!!」

躊躇せず入り込んでくる感覚にブレインサーキットが痺れた。
痛い。レセプタがひび割れる音がして体内にこいつが侵入してくる。

「うっ…あ…!!」
「ん?…てめぇ…」
「ぐ…っ」
「…初めてだろ」

他人を身体に収めるなど、初めても何もありえない行為だ。
痛みに身体を硬直させるとレーザーウェーブが頬を掴み目を合わせるようにする。
歯を食いしばり睨みつけるようにレーザーウェーブを見つめ返したが
普段なら「なんだその顔は」とでも言ってくるこいつが黙って見つめてきた。

「…ガルバトロンの野郎、手出してなかったのかよ」
「…何を、いっている…っ…!」
「最高に笑えるぜ!あの破壊大帝がまだ何もしてねぇだなんてな」
「ガルバトロン様を侮辱す…あっ!」

口を開くと同時に内部を抉るように動かれ悲鳴が漏れた。
それは快感ではなく痛みを伴うもので、むしろナイトスクリームは
この行為で快感を得られることも理解できていなかった。

「あいつはてめぇを犯したいんだぜ」
「いっ…うああ!」
「こうやって喘がしたいって思ってる」
「嘘を…!あ!」

反論しようとすると強く突かれた。
その度に下腹部から割れる音がする。
しかし「痛い」などと言うものか。悲鳴をあげればこいつが喜ぶ。

ガルバトロン様がこんなことしたがるはずがない。
他人の中に入り込んで何が楽しいのだ。
こんな悪趣味はお前だけだ。レーザーウェーブ。

「気持ちよくしてやるから、俺の名を呼べよ」
「なんだと…?」
「命令が聞けねぇのか?俺様の名を呼びやがれ!」
「…レーザーウェーブ…」
「そうだ…やめて良いって言うまで呼び続けろ」
「…レーザーウェーブ」

出来るだけ抑揚のない声で、こいつを楽しませないように名を呼んだ。
しかし名を呼ぶだけでも楽しいらしいこいつは笑った。

「ガルバトロンがこれを知ったら何て思うだろうなぁ」
「…黙れ」
「名を呼べっていっただろ…」

威圧するように言われて名を呼んだ。
笑う男はまだガルバトロン様を侮辱し続ける。

「ガルバトロンはこんなことしない?お前騙されてんだよ」
「…」
「あいつはお前を手に入れてからずっとこうしたがってる」
「…めろ…」
「こうやって汚して、泣かせて」
「やめろ!」
「名前を呼んでろって言ってんだよ!」

頬を殴られて壁に頭部がぶつかった。
痛みに目を細める、早く終われ。もうなんでもいい。
痛いだけのこの行為がいつ終わるのかなど知らないナイトスクリームは
ただ悲鳴をあげないよう堪えるばかりだった。

「じゃあ、初めてのてめぇにこれをやるよ」
「…?」
「…俺様も久しぶりだからよぉ、もしかしたら…安定しねぇかもな」
「な、にっ…!?」

下腹部より頭部まで痺れが走った。
それがパルスだとは気付かずナイトスクリームは攻撃されたのだと判断した。
痛みに目を細め、レーザーウェーブを睨みつければレーザーウェーブはとても
楽しそうに笑って「もう一度だ」と呟いた。

「っ…!…!」

断続的に送られてくるパルスが身体を痺れさせる。
床へと投げ出していた両手がびりびりと痺れて動かなくなってくる。

「…はぅ…」
「…今のだよ」
「…な、んだ」
「まだ自覚ねぇのか」
「…?」

送られてくる痺れに身体の力は全て奪われていた。
続けられるパルスにナイトスクリームはため息を吐くだけだった。
ナイトスクリームはため息のつもりだった。

「っ…はぁ…」
「…」
「っ…ふ…ぁ」
「…いいじゃねぇか、それだよ」

何を、言っている?こいつが何を求めているのかわからない。
熱いと思った。ナイトスクリームは下腹部から痺れと熱さがせり上がってきて
身を捩りながらただ息を吐き続けていた。

「名を呼べ」
「…れ…ざ」
「しっかり呼べ」
「…レーザっあ…ウェ…ブ…っ」

レーザーウェーブが聴覚機能に顔を寄せて笑う。
何が楽しいのだ。さきほど無理やり進入された時の方が痛かった。
今は、よくわからない。熱いだけ、だと思う。
痛がるところを見たいのではないのか?何をしているのだ?

「お前があいつのお気に入りでよかったぜ」
「…?」
「もしショックウェーブのでかぶつがガルバトロンの1番だったらよぉ」
「…いち、ば」
「こんなことできねぇだろ?流石にあれにはぶちこめねぇよ」
「…ん」

一番…?私がガルバトロン様の一番だとでも言うのか?
それはない、私はただの、兵士だ。あの方の剣でありたいだけだ。

「あいつの好きな奴を俺は汚したいんだよ…」
「…わ、たしは」
「しかもまだ手をつけてなかったってんだから、最高だよなぁ」

「それに見た目は良いほど良いしなぁ」と続けるレーザーウェーブの
顔だけを見つめていた。身体のどこにも力が入らない。
壁から床に倒れこむとレーザーウェーブは更に奥へと動いた。
もう言葉を紡げないほど、身体中は痺れていた。
こんなことをガルバトロン様がしたがっているはずない。
あの方はこんな意味のない行為など、したがらない。

「てめぇ、実はもういきそうだろ?」
「…?」
「いいぜ、いっても」
「…い?」

どこへ、いくというのか。
そうだな、あえて言うなら終わって欲しい。
私の身体を返せ。レーザーウェーブ。
しかし熱い。気持ち悪い。繋がってる部分から水音がする。

「は、…はっ…う」
「…ナイトスクリーム」
「…あ、?」
「名前…呼べよ」

恍惚した声でレーザーウェーブが声をかけてくる。
頬を撫でる動きがなんだか気持ち悪かった。

「…ガルバトロンさま」

その手が頬をまた叩いた。
撫でられるより、まだましだ。



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アニメでスノストやショックウェーブを宥めるナイスクが
愛らしすぎて鼻血でるよ…

ナイスクって身体を消した時「見えなくなる」だけじゃなくて
「触れなくなる」で良いのかな?
序盤では見えない状態でもコンボイから攻撃受けてたけど
中盤から消える=攻撃受けないになってるんだよなぁ。
ユニクロンの攻撃消えて避けてたし
障害物も消えることによって通り抜けてたし…
ナイスクの万能さには度肝を抜かすぜ…