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ユニクロンがエネルゴンを欲している。
はぁ、と熱い吐息が漏れるとナイトスクリームが心配そうに目の前で膝をついた。


「…体調が優れないようで…」
「心配するな…」



 
ユニクロン
 
 




ナイトスクリームがガルバトロンの手に触れ少し強めに掴むと
ガルバトロンの名をゆっくりと呼んだ。
俯いていた顔を少しだけあげてナイトスクリームを見るガルバトロンは
ナイトスクリームにばれないように小さく息を吐くと冷静を保とうとした。

ユニクロンが腹をすかしているのに気付いたのは先ほどだ。
他の連中には気をつけろとだけ言っておいた。
もし、殺されるのが嫌ならユニクロンの外に出ていれば良いのだ。
なのに、ナイトスクリームはここに残った。
自分の手に触れ、片膝をついた格好で自分に寄り添うようにここにいる。

ユニクロンが腹をすかしている間は自分も体調が悪くなる。
ユニクロンは言うことを聞かない上に自分とユニクロンは一心同体のように
繋がっているため、こちらにまで不調が届く。
あぁ、ユニクロンがエネルゴンを欲している。

「…」
「ガルバトロン様…」
「ナイトスクリーム…」
「…はっ」
「…儂の傍を離れるな」
「…はい。ガルバトロン様…」

目を細めてガルバトロンの手に頬を摺り寄せたナイトスクリームを見て
少しだけ気持ちが楽になる。何があってもこいつは自分の下を放れない。
自分目掛けて砲撃が繰り出されても、他の連中が逃げてもこいつだけは自分の
傍を離れなかった。
いつもこいつは自分の傍にいて何も言わずとも力になろうとする。
それがとても心地良いのには気付いていた。

「…ナイトスクリーム…」

頬に触れる手をナイトスクリームの腕に回すと引き寄せて腰の上に乗せた。
ナイトスクリームは少し慌てたようにしたが「このままで良い」と言えば
遠慮がちに腰の上に体重をかけた。

「…お前は、儂を裏切らない」
「はっ」
「嬉しく思うぞ」
「…ガル、バトロンさま…」

ナイトスクリームは驚いたような顔をした後に、本人も無意識だろうが本当に
小さく微笑んだ。釣られて口元に笑みを浮かべるとナイトスクリームが微かに
頬を胸元に寄せた。可愛いやつだ。何をするにも遠慮がちな動きもまた、自分に
微笑を与える。

そのまま抱きしめるように頭部に腕を回した。
互いに無言になるが暖かさが丁度良く、ガルバトロンは少しばかり眠くなった。
しかしふとナイトスクリームが腕の中より逃げようとする。
むっとしてしっかりと抱き込むと微かにうめき声を上げた。

「何故逃げようとする」
「ガ、ガルバトロン様…っ」
「どうした」
「…っユニクロンが…」
「なに?」

ナイトスクリームを良く見るとインテークにユニクロンのケーブルが巻きついていた。
捕食、とでも言うのだろうか。いつぞやユニクロンは腹をすかせて部下達に
襲い掛かった。その時は丁度、使えないデストロン軍…とも言えないような
残党どもがいた、それらを殺し、エネルゴンを奪った。
満足すればユニクロンは勝手に収まる。

ナイトスクリームのインテークを引っ張るユニクロンのケーブルを手で
払いのけた。小さくため息をついたのを見て顎を掴むとその頬に唇を近づけてやる。

「大丈夫か」
「はっ…申し訳御座いません」
「いや…ユニクロンなど…儂が押さえ込めば良いのだ」
「…しかし、少しお休みになられた方が」
「案ずるな」

ナイトスクリームを強く抱き寄せるとまた名を呼ばれる。
ナイトスクリームの背後に再び現れるユニクロンのケーブルを手で払いのけ
ながらユニクロンを手中に収めるため意識を集中させた。

「がっる…ばと」
「…もう少し待て」

ユニクロンはそれほどまでに腹をすかせているのかますますケーブルは
増えてくる。
ナイトスクリームの足に巻きつきガルバトロンから引き剥がそうとする動きに
ガルバトロンは舌打ちを響かせた。

いくら意識を集中しても退くことを知らないケーブルが自分にも絡んできた時点で
ガルバトロンはナイトスクリームを手放した。
それはユニクロンに差し出すのではなく逃がす為の行動である。

「一度下がれ。ユニクロンの外まで脱出しろ」
「しかしガルバトロン様は」
「儂には襲い掛かってはこない。お前は、別だ」

現在ユニクロン内でエネルギーを発しているのは自分とナイトスクリームのみ。
こいつらの狙いはナイトスクリームの体内に蓄積されているエネルゴンだろう。
渋るナイトスクリームを少し荒っぽく呼ぶと「はっ…」と頭を下げて腕の中
より消えた。脚やインテークに絡んでいたケーブルが標的をなくしてかくりと
下がる。
ナイトスクリームは玉座のある間の扉付近で一度姿を現すと
「ガルバトロン様もお気をつけ下さい」と一言呟いた。

「早く下がれ」
「…はっ」

再びナイトスクリームを狙って動き出したケーブルを制止させようとするが
上手くコントロールできない。ナイトスクリームは足元を狙ったケーブルを
飛び越え空中で再び消えた。
扉の目の前に現れると手をかけそこから退出しようとするがケーブルがしつこく
追ってきてタイミングがつかめない様子をガルバトロンは舌打ちしながら
見守った。自分が抑制させることが出来ればいい。
ユニクロンの全権を手中に収められればいい。
拳をつくってぎりぎりと力を込めるとその中央を見つめてできるだけ
集中しようとした。

「…っぐ!」

ナイトスクリームの悲鳴に顔をあげる。
左腕、左脚、インテークに無数のケーブルが絡み身動きが取れない状態で
顔をしかめているのが見えた。
逃れようと右側に体重をかけているのをみて叫んだ。

「斬れナイトスクリーム!」
「…っ…しかし」

ユニクロンとガルバトロンは接続状態だ。
つまりユニクロンの破損は多少なりガルバトロンにも損傷を負わせるだろう。
それが目に見える傷でなくても、どんなに微かであろうとも痛みはあるだろう。
ナイトスクリームはそれを拒んでいた。

「斬れと言うのがわからないのか!」
「…申し訳御座いません…っ」

ナイトスクリームの右手にブレードが現れると一瞬で近くにあるケーブルを
断ち切った。
ケーブルから紫色のオイルが多少飛び散ったのを見て顔をしかめると
その動きに躊躇が見られた、たった数秒以下の時間だ。

「そのまま行け!」
「…っうあ…!」

しかしその躊躇数秒でユニクロンは十分だった。
右腕の関節をケーブルにとられると指先を強く壁よりせり出した鋭利な刃物で
突かれ切り裂かれた。
衝撃でブレードを手から落とすと回転しながら壁際へと飛んでいった。
それをナイトスクリームとガルバトロンは目で追うと意識が逸れていた
ナイトスクリームの背中をケーブルが強く叩き、床へと組み敷いた。

「やめろ…!」

立ち上がろうとしてもケーブルが自分を玉座へと縛り付けた。
一本一本指で引きちぎろうとしてもその指ごと玉座に縫いとめられ暴れることを
許さない。
ナイトスクリームが微かな悲鳴を上げたのを聞いてもう一度やめろと叫んだ。

ユニクロンなりに譲歩しているつもりなんだろう。
ナイトスクリームを串刺しにしてその傷よりエネルゴンを吸い上げないところを
見るとまだ、言う事を聞いているほうだといえる。
殺しはしないがエネルゴンは奪う、とでも言うのか
ナイトスクリームのキャノピーの下にケーブルを何本も忍ばせて内部を漁って
いるのが見える。
その度にナイトスクリームが痛みと快感を含むような喘ぎをあげる。

四肢をユニクロンに拘束される姿を見るのは2度目だ。
1度目はガルバトロンがユニクロンを動かして拘束した。
アルファQの手から自分の物にするためだったのだ、しかし今は違う。
ユニクロンがナイトスクリームを拘束している。
それは自分にとって最大の屈辱だ。それは俺のものだ。

「やめろ…ユニクロン…」

低い、獣が唸るような声がでた。
しかしナイトスクリームを襲うケーブルは退くことを知らない。
ばきん、と音がしてキャノピーを上に持ち上げるようにケーブルが動くと
その下にいくつかレセプタクルが露出した。
そこにケーブルが一つ一つかみ合っていくとナイトスクリームが目を細めて
痛がった。

四肢を取り巻いていたケーブル全てがナイトスクリームのレセプタクルを
探るように動き始め、ナイトスクリームは自由になった手でそのケーブルを
掴んだが決して抜けない、そしてゆっくりと確実にナイトスクリームの身体の
自由を奪った。
エネルギーを奪いながら、逆に身体が弛緩するような情報を送りつける。


「…っふ…」
「ナイトスクリーム」
「…ぅあ…あ」


ナイトスクリームの口が震えて歯ががちがちと音を立てている。
震える指先や脚の上を無遠慮にケーブルたちが走り回り
ナイトスクリームの膝裏にケーブルが回ると持ち上げたのが見えた。

それは、許さん。


「ユニクロン…」



ぴたっと動きが止まる。
触れるな。ナイトスクリームに触れるな。
それ以上は許さん。許さんぞ。

するりとナイトスクリームの身体の上をケーブルが這うと壁の中へと戻っていく。
よろよろと、しかし身体を起こそうとするナイトスクリームに近づこうと
自分を縫いとめるケーブルを払いのけた。
四つん這いで咽るナイトスクリームの背中に腕を回して自分の胸に寄りかからせた。

「げほ…っ」
「…ナイトスクリーム」
「ガ、ルバトロンさま…申し訳…」
「…いや」

身体に力が入らないのだろうが全体重を預けてくるナイトスクリームは珍しい。
その頬を撫でながら息の整わないナイトスクリームを強く抱いた。

「…」

自分の身体からケーブルを引くとナイトスクリームに差し込む。
ナイトスクリームが微かに顔を上げて疑問を浮かべた。
差し込んだケーブルからエネルゴンを分け与えるとナイトスクリームは
切なげに「おやめください」と言った。

「やめない」
「…ガル、バトロンさま…駄目です」
「黙ってろ…儂の責任だ」
「…」


ナイトスクリームは黙って目を細めた。
小さく、申し訳御座いませんと告げるその口を吸ってやりたかった。
抱きしめてあいつらの触れた場所を全て清めてやりたかった。

「ナイトスクリーム」
「…」
「…もしユニクロンが暴れた時はすぐに逃げろ」
「…はい」
「それ以外では儂から離れるな」
「…はい」


ユニクロンめ。ユニクロンのくそめ。
ナイトスクリームに触れおって。ナイトスクリームに触れて良いのは自分だけだ。

今回は、エネルゴンを吸い出されただけだった。
だが、次は?もし、自分がいなかったらナイトスクリームはどうなっていた?
離れるな。自分から絶対離れるんじゃない。
しかし自分の傍にいても襲われる可能性はある。現に今がそうだったじゃないか。


「…ナイトスクリーム」
「……」
「離れるな」
「…はい。ガルバトロン様…」




自分の近くに置いていいのか?離すべきなのでは。
わからない。ただ、強く抱きしめた。



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スパリンは基本えろいよね!^^(!?)