「サンダークラッカー」
「うっ…なんだよ」

あの日から要領を得たのかサウンドウェーブは痛みではなく快感を送ってくる。
それは自分を辱めたいだとか、そういう理由ではなく「寝かせない為」なんて名目だ。

声をかけられてまだ仕事中なのに、と目を細めてサウンドウェーブを見た。
あの日からちょっとサウンドウェーブが苦手だ。前々から苦手だったけど
苦手な上に「不信」という文字がついてしまった。

「今日は、なしだ」
「え?」

寝ようとすると快楽を与えられるようになってから2週間はたっただろうか。
続けられるあの音楽調教がなかった日はこの14日間で一度もない。毎日行われていた。
兵器の情報をチェックしていた自分からしたら急すぎる話である。

「…ど、して?」
「…」

あっ、何か今の言い方じゃまるで寂しがってるみたいじゃねぇかと口を噤み
もう一度「何かあったのか?」と聞きなおすとサウンドウェーブは普通に「仕事だ」と返した。

「他惑星まででる」
「あ、そっか、日帰りは無理だよな」
「…」

いつもの音楽調教がないというのは嬉しい話だ。
その分自分の時間が作れるしあの痛いような快楽を浴びなくてもすむ。
にっこり微笑んで「頑張ってな」というとサウンドウェーブがカセット部分を開いた。

えっと顔を上げるとそこよりケーブルを引っ張り出して自分の首に触れた。
我に返ってサウンドウェーブの腕を掴むと無理やり首にねじ込まれる。

「な、んで!ちょっと…!」
「すぐに終わる。一曲だけだ」
「いっきょくぅ?」
「こういうものは継続が大事だ」
「結構続けてるけど音楽がわからねぇ俺は…」
「…」

ぐいと押し込まれたコネクタを自分の首が受け入れるとすぐに曲が流れが始めた。
仕方がないとその曲に付き合うことにする。
サウンドウェーブは自分の真横にあった椅子に腰掛けるとこちらをみてその曲に乗り始めた。
そんな見た目でわかるほど表には出していないが何となく楽しんでいるのがわかる。

自分も仕事の手を止めてその音楽に少しでも乗れるように努力した。
しかし、おかしい。急にぞくりと身体が震えた。
サウンドウェーブをチラリと見ても何もしていないと言った表情で音楽を楽しんでいるように見える。
なのに、ぞくぞくする。サウンドウェーブのコネクタが差し込まれているということだけで
自分は快感を感じていた。
まだ寝ていない、だって一曲目だ。夜中まで延々と3時間以上音楽を聞かされているわけでもなく
昼間に一曲つき合わされているだけであって、サウンドウェーブが自分に快楽を送ってくる理由はない

「どうした」
「えっ…!」
「随分落ち着かない」
「い、いや、そんな、えっと…」
「まだ音楽は理解できないか」
「そうじゃ…あの、何かしてないか?」
「…?」
「なんか、あの、ぞくぞくっすんだけど…」

とりあえず正直に言って見る。吐息が口の隙間から漏れた。
まさかと思うけど病気になったとか。
音楽聞くと死んじゃう病…だとしたら俺にとってこいつは最大の天敵になっちまうわけだが。

「ぞくぞく…?」
「全身が、ぞわぞわして、落ちつかねぇんだけど」
「…」

サウンドウェーブがコネクタを引き抜くとすぐに自分は正常に戻った。
ぞくりと震える体が止まると落ち着いてくる。ふぅと一息吐くとコネクタが再び差し込まれた。

「どうだ」
「…いや?なんとも…」
「…」

パチンっと音がして音楽が再び流れ始めた。
するとぞくっと身体が震える。目を細めてそれに耐えようとしても震える体は止まらない。
これは、なんだ?何かに近い、何かに…

「…サンダークラッカー」
「サ、ウンドウェーブ…っ…」
「…苦しいか?」
「ちが、なんか…」
「………」

サウンドウェーブが再び音楽を止めた。
すると体の震えも止まる。やはり、音楽が自分の何かに関係しているのだろう。

「俺、音楽向いてねぇんじゃねぇか?音楽聞くと病気に…」
「…いや」
「…?」
「条件付けが確立されそれにより条件反射が可能になった」
「…は?」

意味もわからずならべられた言葉に首を傾げると
サウンドウェーブは暫く黙ってもう一度順を追って話した。
条件反射が何かを知っているかと尋ねられ、それならわかると頷く。
「条件反射」とは経験を詰む事で一定の状況下に陥った時にブレインサーキットを通さずして
身体を動かすことの出来る行動の短縮である。人間で言ったら火に触ったら手を引っ込めるみたいな
脊髄反射の事を言うんじゃねぇかなぁ。つまり自分の意思は関係ない。

「あってる」
「だよなぁ?」
「なら条件付けはどうだ」
「…条件反射とかけて言うならその『一定状況下』のことだろうよ」
「そうだ。つまりはこうだ」

もう一度サウンドウェーブが説明を始める。それは簡単で、なおかつわかりやすく
正直信じたくないものでもあった。

「お前の反射は身体に違和感を感じること」
「あぁ」
「条件付けは音楽を聴くこと」
「そうだな」
「そしてもう一つはお前に快感を与えていたことだ」
「…?」
「…」
「…えと、つまり…このぞわぞわするのって」
「快感だ」

頭の中で整理する。スタースクリームみたくさっさと把握できないブレインサーキットが恨めしい。
条件付け+反射で条件反射起こすんだろ?
条件が音楽を聴く時、反射が快感を与えられてたってことは…

「えっ」

つまり結果として言うなら俺は「音楽を聴くと快感を感じる体」になってしまったらしい。




*




サウンドウェーブが帰ってきた。他惑星までの出張は1週間というまぁまぁな滞在時間のものだったようだ。
サウンドウェーブは自分を見つけるなりすぐにやってきて声をかけてくる。

「なっなに…?」
「良いエネルゴンが手に入った」
「へぇ」
「飲もう」
「俺でいいのか?」
「あぁ」
「…じゃ、飲むかなー」

サウンドウェーブが真っ先に自分に声をかけてきたのは少し以外だった。
こいつは自分を誘う前にメガトロンやスタースクリーム。場合によってはレーザーウェーブと
モニター越しに飲んだりしてるようだ。それでも俺を真っ先に誘うのだから、悪い気はしない。
苦手だけど、悪い奴じゃないのも知ってる。

「夜?」
「あぁ」
「わかった。仕事終わったら…えーと」
「俺の部屋に来い」
「はいよ。じゃまたな」

にこやかに分かれた後ではっとする。
そういえば音楽の件は忘れてくれたんだろうか。
あの日、結局自分に変な条件反射がついたことはわかったが
サウンドウェーブから謝罪の言葉もなければ「もうしない」という言葉も聞けなかった。

しかし流石に反省というか、音楽を聴いてよがる奴に音楽を聴かせたりしないだろう
自分の好きなものでよがられたら気持ち悪いと思うだろ?普通はよ。

ちゃっちゃか仕事を終わらせると夕刻前には終わってしまった。
サウンドウェーブは今日1日非番だと言うからもう部屋に行こうかと思いつつ迷う。
スカイワープもいねぇしなぁと、とりあえず情報参謀の部屋の前に立つと勝手に扉が開いた。


「え」
「…入れ」
「き、気付いてたのか!?」
「足音が聞こえた」
「本当かよ…」

入れともう一度促されて寝室に入ると既に机にはエネルゴンが準備され、自分を待つだけの状態になっていた。
少しばかり嬉しく思う反面、どうしてここまでしてくれるのかと疑問が浮かぶ。


「飲め」
「あ、あぁ…良いのか?」
「好きにしろ」
「…」

エネルゴンを少しばかり舐めると甘く香る良いエネルゴンだった。
鼻をくすぐられて誘われるままに何口かこくこくと喉を動かすと
少しでやめるつもりが注がれた一杯全て飲み干してしまった。

「う、うまっ!」
「そうか」
「なにこれ!うますぎ…っ」
「もっと飲め」

用意されているキューブにまたエネルゴンが注がれると
きらきらと光ってまた鼻をくすぐり始める。

「ほ、本当飲むぜ?」
「好きに飲め」
「頂きます…!」

再び注がれたそれをぐぐっと喉に押し込むとますますそそられる。
なんかこれ俺の好きな味だなーと飲み干すとサウンドウェーブがすかさず注いできた。

「…詫びだ」
「え?」
「悪かった」
「…んな気にすんなって…思ってもなかったろ?こんな風になるなんてさ」

身体の話だ。
音楽を聴くとよがるだなんて気持ち悪いけど
そんな目的じゃなかったわけだし、なってしまったのだから仕方がない。
酒で酔ってサウンドウェーブが怒るだろう発言をわかっていながらしたのも俺の責任だ。
お互いに悪いところもある、それでいてどちらも悪くない。

「気にすんなよ〜」

へらりと笑うとサウンドウェーブは静かに見つめ返してきた。
この間酒で失敗したのに自分はまた酒に酔って頭がふわふわしてきてる。
それでもこんなに美味しいエネルゴンが悪いんだぜと注がれたそのエネルゴンを飲んだ。

ちょいちょい会話をしつつも10回ほど注がれ飲んで注がれ飲んでを繰り返した後に
ふっと頬にサウンドウェーブの手が触れた。
サウンドウェーブは机の対面に座っているわけだからそんな間違って触れてしまう距離ではない。
エネルゴン塗れの口を指でなぞられて拭うように動くと目を細めてその手を受け入れてしまった。

聴覚にリンと良い音がした。
その高い音はリズムを刻み始めるとサンダークラッカーに音ではなく、「音楽」と認識させた。
唇を指でなぞられたままその音楽に聞き入れば身体がかすかに反応を示した。
コネクタを挿し込みイヤホン代わりにしなくても直接サウンドウェーブからラジカセとして
音楽を聴く事で自分は反応している。

「んんっ…」
「…」
「お、んがく」
「…」
「やめ、て」

唇をまた指の腹で撫でられると音楽で身体が震えていた自分はやすやすと口内への侵入を許した。
指が口に入り込んできて拒否を示すように身体を捻ってみたが
サウンドウェーブが音楽の音量を少しばかり大きくしただけで自分はまた拒否もできずに
ぶるりと震えて呻きを上げた。

「…ど、うして?」
「…」
「サウンド、ウェーブ」
「やっ…めてく…れ」

身体が震えてどうにもならない。
サウンドウェーブが楽しげに見えるがエネルゴンを飲みすぎたせいで
視界が安定せず机に肘をついてうなだれると「大丈夫か」と声をかけられた。
小さく頷くと指を突っ込まれている口からぽたっと口内オイルがたれ落ちる。

音楽が止むことなくサウンドウェーブの胸元より流される。
ぶるっと身体を動かすとサウンドウェーブが立ち上がって対面ではなくこちら側に
回ってきてすぐ隣に立たれた。

「さ、さうんど…」

自分の口が上手く動かなくて舌っ足らずに名を呼ぶと
喉元を猫を撫でるように撫でられて目を細めた。
「はっ…ぅ」と恍惚とした表情と声がでるとサウンドウェーブが
手の甲を額にあててきて熱を測るような真似をする。

「…あの…」
「…」
「変なことしな、いでくれ」
「…」
「駄目だ、って…」

両手首を掴まれてそのまま床に倒されていく。
ガタンと自分の座っていた椅子が倒れるのと自分が背中を床につくのはほぼ同時だった。

「さ、サウ…」
「大丈夫か」
「熱いっ、…くるし」
「…」

それは酒とサウンドウェーブの音楽が理由なのだが
サウンドウェーブはその音を止めるつもりはないようで
自分はますます熱い排気をもらした。

サウンドウェーブが自分の身体に手を伸ばしてキャノピーを
艶かしく触れてくると自分からは喘ぎがもれた。

「あ、あれ…?おれ、おかし…」
「心配ない」
「なん、かおかしいっ…やべ」


ぞくぞくした快楽が激しいものへ変わっていく。
やばい、抗えないほどに強まってくる。
サウンドウェーブが近距離で音楽を流すから駄目なんだ。

下腹部のパネルを撫でさすられて悲鳴が漏れた。
どうしてだ。何で俺にこんなことするんだ。

「サウ…ン…」
「…」
「俺のこと、嫌いになった…のか?」
「それはない」
「…」

酔っていたせいだ。
音楽のせいだ。
その日そのまま無抵抗にサウンドウェーブに抱かれたのは俺のせいじゃない。





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オタクは好きな人と趣味を共通したがるんだよサンクラ!!
くろさんと語ってできたSSでした。こんなんになっちゃってすいません!
もっと色々させたかったけど変態趣向の強い音波サンクラになりそうだったので止めておきました(笑)



後日談




そう難しい戦闘ではなくサイバトロンは空を飛べるのをつれていなかった。
こっちはジェットロンとカセットロンが勢ぞろいだ。
快晴で、空を飛ぶ気分も良い。昨日メンテナンスだってやった。

「楽な戦いになりそうだぜ」
「敵にコンボイはいねぇな」
「そのかわりマイスターとアイアンハイドがいやがる」
「あそこの赤いの、ブロードキャストだな…」

空を飛びながらそんな会話をしていた。
3体で空中に滞在すると辺りを見回してサウンドウェーブに敵の数の報告を入れる。
サンダークラッカーはさっさと帰りたいと思っていたのだが
どうやら圧倒的優利なこの状況で他のジェットロンたちは遊びたいらしい。

一人地上へ降りていき、下で布陣をしいているサウンドウェーブの隣で着地すると
その青い機体に耳打ちするように声をかけた。

「サウンドウェーブ…早く帰ろうぜ」
「…」
「サウンドウェーブ?」

サンダークラッカーが不思議そうにサウンドウェーブを見ると
その視線の先は完全にブロードキャストだ。
こっちにちらりとも視線をくれる気配はなく、もはやアイツのことで頭は一杯だろう。

「駄目だこいつ」
「わりーなサンダークラッカー!サウンドウェーブのやつブロードキャスト見るといつもこうでよ〜!」

フレンジーがげらげら笑って敵の死角へと進んでいく。。
ハンマーアームでもするつもりなんだろうかと見送って空を見上げると
ジェットロンが既に銃器を構え始めていた。あぁ、始まるんだなぁと微かな憂鬱がやってくる。


「イカレサウンドが」
「サウンドウェーブがそれを言う?ポンコツサウンドのくせにねぇ〜」
「なに」
「俺っちの音楽チョイスのよさがわからないとかサウンドシステムとしてどっか壊れちゃってるんじゃない?」
「…キサマ」

サウンドウェーブが殺気だったのがわかった。
ここにいたら自分にも被害が及びそうだとサンダークラッカーが数歩離れ
もう一度空へ飛ぶとジェットロンの傍で見守った。
ブロードキャストが手を数度叩く。

「そんなに不服なら聞いて見る?」

パチンと指を鳴らして「ミュージックスタート!」とブロードキャストが言うと
身体より明るい曲が流れ出した。他人を破壊する目的ではなく本当に聴かせるだけの音楽だったが
サウンドウェーブにはやはり受け付けることが出来ず応戦する為に武器を構えようとした。

「いってぇえ!」
「サ、サンダークラッカー!?」
「ど、どうしたんでい!」

ふと声にサウンドウェーブが視線をサンダークラッカーに向けるとそこには
飛んでいたはずのサンダークラッカーが墜落して頭を押さえてる姿があった。
スタースクリームとスカイワープがすぐに近くに着陸して両サイドから支えるが
サンダークラッカーは顔を上げる気配はない。

「どうした?」
「攻撃されてねぇのに」

ブロードキャストもサンダークラッカーのほうを一瞥したがすぐに
サウンドウェーブのほうへと視線を戻して音量を大きくした。

「どう?俺っちの音楽センス。いいと思うだろ?」

指をパチンと鳴らしながらサウンドウェーブに投げかけたがその言葉を
サウンドウェーブは完全に無視してサンダークラッカーを見ていた。
腹が立つブロードキャストの音楽を聴く羽目になるのを構わず聴覚機能の集音性をあげて
サンダークラッカーのほうを見つめた。

「っ…うっ…」
「どうした?サンダークラッカー!」
「気分でも悪いのか?」
「だいじょ、ぶだから…!離れ、てくれ」
「大丈夫そうじゃねぇって!」
「顔赤いぞ?どうしたんだよ!」

サンダークラッカーの声を聞いてサウンドウェーブはブロードキャストとの戦いを中止した。
構えていた銃器を下ろしてすぐにサンダークラッカーの近くへ走り寄ると
背後よりブロードキャストの声が聞こえた。

「おい!無視すんな!」
「うるさい。黙れ」

一言で言い捨てるとサンダークラッカーが薄ぼんやりとこちらを見た。
慌てているジェットロンに戦うように命じてサンダークラッカーに手を伸ばす。

「サンダークラッカー」
「…サウンド、ウェーブ…?」
「…大丈夫か」
「っや、やば、い…どうしっ…」
「聴くな。音を出来るだけ拾うな」
「…か、らだが…熱い…っ…」
「…」
「くるし…」

駄目だ。サンダークラッカーをこの戦いに参加するべきじゃなかった。
銃撃戦ならまだしもサウンドシステムが2体以上揃った戦いでは銃撃戦にはなりにくい。
敵にサウンドシステムがいれば音楽で相手を駆逐するのに目的に変わるからだ。
それにマイスター。あいつも音楽が好きだったはずだ。尚更危険だ。

「離脱しろ」
「…む、り…」
「戦いが進めば危険」
「…さうんどっ…」

ジェットロンが今は前線に立ってくれているが
ブロードキャストは音楽を止める気配がない。自分も早く前線にたつべきだ。

「さうん、どうぇ…ぶ」
「どうした」
「…だ」
「聞こえない」
「…抱いて、くれ」
「…」
「苦しいんだ…」

サンダークラッカーの額が自分の胸元に擦り寄って熱い吐息を浴びせかけられた。
ぞくりと自分まで興奮し始める。いや、しかし自分ではなくブロードキャストの音楽に
反応をしめしたこいつを抱くのはかなり嫌悪感を覚える。

サンダークラッカーは意識を混濁させている。もはやここが戦場であることも忘れているだろう。
普段音楽を聞かせているのはサウンドウェーブの寝室だ。そしてそのまま行為に移ることもある。
ここが寝室だと勘違いしているのか?しっかりしろと声をかける。

「たて」
「っ…熱…」
「立てサンダークラッカー」
「…無理だっ…」

腕を掴んで抱き起こすとそのまま姫抱きにして立ち上がった。


「フレンジー。ハンマーアーム」
「りょうかい〜!」


すでにハンマーアームのしやすい場所を探していたフレンジーにそれを言うと
フレンジー脳では変形して地面を叩いた。

「ジェットロン。引き上げる」
「はぁ?!」
「優利だぜこの状況!」
「ならお前らだけでやれ。サンダークラッカーの容態が悪い」
「どうかしたのか?」
「わからないがメンテナンスが必要だ。基地へ連れて行く」
「…」

ジェットロン同士で顔を見合わせて頷くとサウンドウェーブのほうをみた。
スタースクリームが少しばかり納得していない顔で言葉を返してくる。

「わかったけどよ。カセットロン貸してくれよ」
「…」
「このまま帰ったらメガトロンにどやされんだろうが。少しでもサイバトロンに痛手を与えとかねぇとな」
「…了解。フレンジー。ジャガー。コンドル。ここに残れ」

空を飛んでいたジェットロンからスタースクリームだけ降りてくる。
降りてこなくても良いのに、と思ったがすぐ傍に着陸すると上を見上げて戦闘を続けるように言っている。

「おい、阿呆システム」
「…なんだ」
「…サンダークラッカーに変な真似すんなよ」
「…どういう意味だ」
「そういう意味だぜ?てめぇのせいでそうなったのは…わかってんだからな」
「…」

スタースクリームの言葉が本気であるのはわかったが口元がにやけている所を見ると
怒っているわけではないようだ。
小さくわかったと言葉を返すと抱き起こしているサンダークラッカーが呻いた。

「速く行けよ」
「…」

スタースクリームの背後にブロードキャストが詰め寄ってきていた。
それを指摘する前にスタースクリームが振り返るとブロードキャストに一発撃ち
なsルビームをかわしたブロードキャストに掴みかかるとそのまま倒れこむように押さえ込んだ。

「この恩忘れんなよ」
「…」

強くサンダークラッカーを抱きしめて飛ぶとブロードキャストから逃げる気か!と声が聞こえたが
今はそんなわかりやすい挑発に取っている暇はない。速度を上げて基地へと向かった。


「…本当に逃げたよ…ついにサウンドウェーブも負けを認めたってことかなぁ?」
「ちげーだろ馬鹿が」
「なに?スタースクリームって仲間の肩とかもつわけ?デストロンらしくもない」
「俺が気にすんのは同機だけだ。サンダークラッカーのことはサウンドウェーブには全部任せたから良いんだよ」
「あんなポンコツシステムに任せて良いんだ。逆に危ないと思うんだけどね〜」
「気が合うじゃねぇか」
「?」
「俺もそう思うぜ」



スタースクリームが腕についてるナルビームをブロードキャストに突き刺すように構えて呟いた。






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今回の拍手テーマは中途半端(笑)
コメで「ブロキャやマイスターもやばいですねw」ときて「!(゜Д゜;)」ってなって書いた。