ごみ箱







サンダークラッカーは眠っていた。
いや、半分は起きていた。
アイセンサーを使わずいるだけでブレインサーキットは起きていた。

最近あまり眠れていない。特に理由もなく。
あえて言うなら、同室のスカイワープがうるさくて。
スタースクリームがイライラしてて。
八つ当たりされつつも自分はあまり好きでもない仕事をしてて。

これがストレスってやつかなぁ。

アイセンサーを動かすと何かが視界に入った。
それはすばやい動きで動いていて一瞬で視界に入り込み、そしてでていった。
横になっていた頭の方から飛んでくるとそれは自分の腹部に落ちた。

「いってぇ!!」

ガツンと音がする。
飛んできたそれは葉っぱや紙のような軽い素材ではなかったようだ。
できたらそれを望んでいたのだが十分重量のある四角いそれを
サンダークラッカーは起き上がって見つめた。
自分を痛がらせたそれを見るために。

「サ、サウンドウェーブ?」
「…」

無言なそれは四角くて、青いラジカセだった。
ただのラジカセではないのはすぐわかった。
飛んできたわけだし、投げた張本人はいないわけだし、何よりインシグニアがある。

「な、なに…」
「…」
「…あの、サウンドウェーブ?」
「…」
「…」

サウンドウェーブは自分にとって不思議生命体だ。
何も言わないし。何考えてるかわからないし。
あぁ、またストレスたまる要因が。

そこまで考えると耳についた。ラジカセより零れでる微かな音楽。
ジェットロンに「音楽」の概念はあまりない。
それを「音」として捉えてしまうから。
ぽつぽつと鳴らす音をサンダークラッカーは黙って聞いていた。

「なに?」
「…音だ」
「うん」
「……」
「……」

互いに黙ったまま。その部屋には音だけが転がった。
サンダークラッカーはもう何も考えたくなくて横になると
その音は更に音を増やしてメロディーを作り始めていた。
サンダークラッカーはサウンドシステムじゃないからわからない。

サウンドウェーブがぽつりぽつりと落とすその音が
できるだけ精神を安定させる音だと言うことに。




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音波→サンクラ
でもノンケすぎる上にふてくされてて可愛げのないサンクラ。
そんなサンクラでも慰めてあげたい音波さん。