ごみ箱









「好きだ」



サンダクラッカーは口をぽかっと開けてサウンドウェーブを見つめ返した。
自分は何て言えばいいんだろう?いや、好きってなんだよ?
俺達デストロン軍団だぜ?嫌い、消す、壊すはあっても好きだ何て感情、持ち合わせないだろう?
自分だってそうだ。スタースクリームも、スカイワープだって。


「好きだ」


何度も言うなよ。今考えてるんだよ。
えーと。好きってなんだっけ?愛情?友情?わからないけど人間どもがよく口にするセリフだ。
特別なものにある一定以上の感情を覚えたら好きなんだろう?
わっかんねぇな〜…どうしたら良い?俺?

「どうもしなくていい」

おいおい。俺喋ってないだろ?
あ、ブレインスキャン?ずっりぃよ…それ。

「好きだ。サンダークラッカー」

だから。今考えてるからとどめささねぇでくれよ…混乱しちまうだろうが…

「混乱する必要なんてない」


……そんなこといわれてもって感じだよ俺…
スタースクリームやスカイワープと一緒に居ると楽しいし、ムカツク時だってあるけど
やっぱり落ち着くし、あの感情に名前をつけるとしたら好きなんだろうけど
俺はサウンドウェーブにあいつら以上の感情は抱いてないし…

「………」

あ、まだブレインスキャンされてんのかよ。みんなよ。まだ考えてるって何度言わせるんだよ。
やっぱ好きってわかんねーよ。俺。サウンドウェーブは俺にどうしたい?どうされたいんだよ?


「……とりあえず俺の右手に手を重ねたら良いと思う」
「はぁ?」
「やっと喋った」
「………」


目の前に差し出された手を見てサンダークラッカーはため息を吐いた。
頭を2度も3度もひねって時にはサウンドウェーブの顔を覗き込んで。


「まぁ、それくらいなら」


右手のひらを目の前にさしだされてその上に自分の左手を置いた。

あぁ。もう。今俺の手震えてたよ。
ばれてないかなぁ。


「ばれてるぞ」
「読むなって」




震えながら差し出した手はサウンドウェーブにしっかりと握られて落ち着いた。






-------------------------------------------------------------------

音波さんよりサンダークラッカーのほうが感情疎かったらおもしろくね?