ごみ箱






天気の悪い日だった。

「スタ」
「うるっせぇえええ!!」

スタースクリームは振り返り、背後に立っていた連中を睨んだ。




インプリンティング



「……」
「……」

コンバットロンはスタースクリームの大声に足を止め5体で顔を見合わせた。

「何怒ってやがんだ?」
「わかんねぇ」
「うるせぇんだよ!なんでついてきやがる!」
「なんでって」
「暇だしな」
「帰れ!」

今から俺様は自分だけが知る基地に行くのだ。
その基地内にはメガトロンを倒すために開発した兵器が大量に置いてある。
それを誰かに、ましてやメガトロンの命令を聞くように改造し直した
コンバットロンなんかに見られてメガトロンにばれるのだけは勘弁して欲しい。

「何でだよ」
「別に良いだろ」
「よくねぇよ!消えやがれ!失せろ!」

5体はもう一度顔を見合わせた。
どうする?と視線だけで言葉を交わすとまたスタースクリームを見た。

スタースクリームは指をコンバットロン用に作られた基地の方角へ向けて指すと
無言でコンバットロンを睨みつけた。

「……」
「……」
「……」
「大体いつも5体でうろうろしやがって」
「……」
「……」
「うるせぇし邪魔だし、俺に復讐するって言ってた威勢はどこに消えたんだかなぁ」
「……」
「ま、もうついてくんなよ」

スタースクリームが背を向けて今度こそこの5体を振り切ろうと歩き始める。
少し離れてから飛ぼうとジェットを暖め始めた。

「スタースクリーム」
「あぁ?まだ居やがったの…か」

スタースクリームが振り向くとそこにコンバットロン5体はいなかった。
そこには一体だけ、ブルーティカスがいた。

「……」
「……」
「…いや、その…一体に合体すれば一緒に来て良いって言ってるんじゃねぇんだぞ」
「……」
「…あー…」

変形はせず、足のジェットを点火させ自分よりも遥かに大きい
ブルーティカスの眼前まで浮いた。
するとブルーティカスが手のひらを差し出してきたのでそこへ降り立つ。
腕を組んで自分の身体ほどもある顔を睨むとブルーティカスは低い声で唸った。

「…」

なんでこいつらがこんなに構って欲しがっているのか理解できない。
こいつらに純粋だとかそんな感情はないだろうがこうも好かれるのは
悪い気はしない。
なんたって俺はこいつらを新たに作り直した言わば創造主みたいなもので。
親心はなくても、こいつらには微かに思い入れがある。

「…わーったよ…」
「スタースクリーム」
「じゃあもうちょっとマシな所行こうぜ…お前飛べるんだからよ」
「わかった」

饒舌さが少し欠けた口調でブルーティカスは曇り空に飛んだ。
スタースクリームは背中に乗るとそのまま寝そべった。
曇り空からは少量の雨が降ってきている。

「…もっと晴れてるところ行こうぜ。それか宇宙まで出るとかよ」
「スタースクリーム。どっちがいい」
「…お前らが選びな」

そのままアイセンサーの出力を落として少しだけ浅いスリープモードにはいる。
次に目を覚ます頃には快晴か宇宙の星々が見渡せるだろう。




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コンバットロン(ブルーティカス)+スタスク。
ブルーティカスの肩に乗ってるスタスクの可愛いさは異常。すごいかわいい。
×でなく+としてブルーティカスに愛でられるスタスクとかくそ萌える。