ジェットロンのスタイルは良い。のは皆知っている。 「…お前らのそこってなんなんだ?」 「は?」 「どこ?」 「そこ」 ジェットロンが珍しく3羽並んでいるところに声をかけたのは アストロトレインとブリッツウィングだった。 「ここ?」 サンダークラッカーが自分の胸元をさした。 キャノピーの左右。少し飛び出した部分。 「そうそう。そこ」 「別に、ただの装甲だけど」 「一応真ん中からエネルギー補給も出来るけどな」 「俺そこ胸かと思ってた」 アストロトレインが腕組をしてこともなさげに言った。 「はぁ!?」 「胸ぇ!?」 「胸、は、胸かもしんねぇけど」 「いや、あのウーマンサイバトロン的な胸」 「ふざけんない!」 「てやんでい!」 当然ジェットロンの喧嘩っ早い2体が怒鳴りかえす。 スタースクリームとスカイワープは男尊女卑で有名だった。 サンダークラッカーはしかめ面するだけだったがブリッツウィングが 手を叩いて笑う。 「あぁ、あぁ。似てるかもしんねぇなぁ」 「似てねぇよ!大ぼら吹き!黙りやがれ」 「そうだ!黙れってんでい!」 「だってよ?俺らを見てみろよ」 そう言われたジェットロンが黙る。 腕組したアストロトレインと腰に手を当てて立つブリッツウィング。 がっしりとした足にでかい体格。何より胸が平らだ。 「これが胸板ってやつだろ?」 「お前らちょっととびでてるもんな…」 「ち、違う!」 スタースクリームが否定の言葉をはいた。 ついでに両腕で自分の肩を抱き胸を隠すような所作をする。 スカイワープも言われて見ればそうかもしんないと思ったのか 背中を向けて「くそっ」と悪態をつくだけだった。 「メガトロンもサウンドウェーブも平らだったな」 「おやおや、ジェットロンってのはもしかしてただの目の保養部隊。なのかな?」 「やめろ!うるせぇ!」 「違うって言ってんだろ!み、見んじゃねぇよ!」 あっはっはと笑う2体に後ずさりする2体。 スカイワープはぎらぎらと睨み返し、スタースクリームは 顔まで赤くなってきている。 「……」 「どうしたサンダークラッカー」 「…サウンドウェーブ。よう」 「どうした」 「トリプルチェンジャーのジェットロンいじめだぜ」 サウンドウェーブが飛び入り参加だったにも関わらず その場の空気をすぐに読み取った。あぁ、なるほど。と頷く。 「お前は」 「んー…別に今更だろ。胸がどうとか」 「そうか」 「…」 サンダークラッカーがサウンドウェーブの胸をちらりと見た。 真っ平らな胸にデストロンのインシグニアが随分綺麗に見える。 「ちょっと揉ませてみ」 「わー!やめろやめろ!」 「お、俺は失礼するぜ…!」 「ずるい!スカイワープずりぃ、ぎゃあ!!」 ワープしたスカイワープの後を追うようにスタースクリームが空に飛んだ。 しかし簡単に腕を絡み取られ、墜落したスタースクリームは アストロトレインとブリッツウィングの悪ふざけにつき合わされ 自慢の赤いボディをまさぐられていた。 「やめろ!やめやがれって!」 「流石にウーマンサイバトロンよりは引っ込んでるわ」 「あー、まぁ、それは仕方がねぇわな」 「やだって!サンダークラッカ〜!!」 「呼ばれたぞ」 サウンドウェーブの声に顔をしかめる。 「あの中に入っていったら俺も巻き添えだろ」 「あぁ」 「じゃ、良いよ…別に犯されてるわけでもねぇし」 床にうつ伏せに押し付けられ床と胸の間にはいったアストロトレインの手は 赤い胸をにぎにぎと楽しげに弄っていた。 背中に乗られている分暴れようと胸と床に挟まっている腕は抜け出していかない。 「…な、何見てんだよ!」 「別に」 気付けばサウンドウェーブがサンダークラッカーの胸元を見ていた。 スタースクリームとスカイワープの反応を馬鹿らしいと思っていたのに 直視されると隠したくなるのが本能である。 両手を胸の前でクロスさせて隠し一歩サウンドウェーブから離れると サウンドウェーブは「心外だ」と言った。 ------------------------------------ あそこなんなんだろうねー