何でこの優秀な男が自分に触れてくるのかいつも不思議で仕方がなかった。
「いつか飽きられるのでは」なんて、くだらない考えが浮かぶのは仕方がないと
思わないか?



to be evaluated



「やっあ…メ、メガッ…メガト…っ」
「スタースクリーム…どうした…?」
「んっ…んっ…!」

酷く甘い声で鳴くスタースクリームはアイセンサーからぽろぽろと冷却水を零した。
メガトロンは機嫌良さそうに囁いて、そのスタースクリームの様子を見ている。

「んっ…やっ…もう駄目っ…ですっ…!」
「出せば良いではないか…」
「は、放してっ…口っ…」

スタースクリームは快感に翻弄されて喘いでいた。
両手を自分の主の頭に置いて、しかも押し返しているようだ。
しかし退くことのないメガトロンはスタースクリームの下腹部にあるコネクタを
口内に頬張り、さも上手そうに舐め尽す。

「ぅあっ!やぁっ…ひっああっ」
「っ…むっ…」

スタースクリームが痙攣する間、メガトロンは強く吸った。
メガトロンは口内にスタースクリームの白みをおびたオイルを含み、少しだけ
飲み下した。

「の、飲まないでくださいっ…よ」
「なんだ?お前も飲みたかったか?」
「ちっちが…」







「…………」
「…………」

サンダークラッカーは困っていた。
本当こんなつもりはなかった。暇そうにしてたらサウンドウェーブの仕事を
手伝うことになって。サウンドウェーブと一緒に倉庫で必要な機材のチェックを
してたら、その、まさかこんなところに遭遇するだなんて思ってもいなくて
まさかスタースクリームとメガトロン様が、その…

「交歓行為を」
「っ…言うなよ…!」
「声がでかい」
「つか読まないでくれよ…勝手に」

少し話すくらいならばれないとは思うが行為をする2体との距離は近い。
メガトロンとスタースクリームは喧嘩をしながら倉庫に入ってきて急に
行為に及んでいるのだ。意味がわからない。
この2体がこんな仲だったことにも驚きだがどうしてこんな場所でするんだよ!
自室とか!もう少し場所を選んで…!

「スタースクリームの口淫の下手さが喧嘩の原因のようだ」
「え、なんで…」
「ブレインスキャンでわかる」
「……口淫…って…」
「メガトロン様が口淫を今教えている。口喧嘩でどれほどメガトロン様の口淫が
 上手いかの話になって試しに」
「いい…!もう言わなくて良いからよっ…!」


サウンドウェーブは興味なさそうに仕事をしている。少しは2体に気を使って
いるのか機材の移動時に音を立てないように動かしている。
自分はというとどうしても2体が気になって目で追ってしまっていた。

スタースクリームがメガトロン様とだなんて初耳だ…
スカイワープとスタースクリームとはちょっと絡む位のことはするが
それでもこれ以上の衝撃はなかった。

普段よりもメガトロンに忠誠的で、甘え声で、女々しいスタースクリーム。
メガトロンもそんなスタースクリームを邪険にすることはない。
愛しいもののように行為に及んでいる。


「サンダークラッ…」
「は、はいぃっ!!!」
「…声がでかい」
「ご、ごめっ…」
「……何をしてる?」
「べ、別にっ」

両手を握り合わせてそわそわする。落ち着かない。こんなにも落ち着かないなんて。
サウンドウェーブを見ることも出来ず、スタースクリームたちを見ることも出来ず
アイセンサーをあっちこっちに移動させながら手を揉んだ。


「集中しろ」
「…わ、わかってんだけどよう」

強制的にスタースクリームたちを視界から排除する。
背中を向けて機材の規格と番号を当てはめて確認作業にはいると視界からは
遮断されてもどうしても気になるのがこれだ。


「メガ…トロンさま!やです!」
「自分のオイルだろう。少しは味わえ」
「やめてっ…!んぅっ…」

ちゅっと倉庫に響いて卑猥な水音が耳につく。
いっそ聴覚機能を遮断しようか。でもそうすると自分がどれくらい物音たててるか
わからなくなっちまうし…


「サンダークラッカー…」
「っ…!…サウンド、ウェーブ…」

背後に立たれて口を押さえられる。自分が大声を出す前に抑えてくれたので
大きな声を出すことはなかったがもう少し声のかけ方があるだろうよとも思う。

「な、なんだ?」
「集中できないのか」
「い、いやもう大丈夫…」
「集中させてやろうか」
「え?」
「あの音が気になるんだろう」


指摘されるとタイミングよくスタースクリームの喘ぎ声とオイル塗れの手で
何かをかき回すような音が聞こえて自分の顔が赤くなったことを自覚する。
馬鹿。俺可愛くねぇんだから顔なんか赤くすんな馬鹿。
そもそもあんな甘い声をだすあいつが悪いんだって責任転嫁したくもなってきた。

「ど、どうやって…?」
「…」

背後のサウンドウェーブが少しだけ動くと後ろから手が回ってきて頬を撫でられた。

「赤くなっているのか」
「……な、なにすんだよ」
「他の事に集中すればあんなもの聞こえない」
「…え、?…ぇ?」

水っぽい音がすぐ近くで聞こえた。
インテークにねっとりと熱い舌がからんだのに気付く。
驚いて飛び退きそうになったが目の前には機材が詰んであって後ろには
サウンドウェーブで。お、俺どうしたらいい?つかこの状況どうしたらいい?

「音を立てないように座れ」
「う、…っ」

言われたとおりしゃがみこむとサウンドウェーブが「こっちをむけ」と言ってきた。
機材に羽がぶつからないように気をつけながら振り向くとサウンドウェーブは
上から顔を見下ろしてきて小さくふっと笑った。

「顔が赤い」
「あ、あんたのせいじゃないのかよ…」
「そうかもな」
「……わっ…なっ」
「しー…」
「し、しーって…」

サウンドウェーブはしゃがみこむとマスクを外して目尻に唇を当ててきた。

サウンドウェーブとの関係は酷く曖昧だ。
「好きだ」といわれた。なんていって良いかわからなかったので何も
言い返さなかった。サウンドウェーブはそれでも満足そうで、返答に
催促しなかったから、だらだら今の今までこの関係だ。
時々顔に触られて、身体に触れて、手を握られて、それくらい。
嫌じゃないさ。思ったよりもサウンドウェーブは優しげだし、スタースクリーム達
みたく乱暴ではない。

まぁ、それをジェットロンに言うと「お前…」「それはねーよ」と
言われてしまうのだが。

「嫌か?」
「い、いやじゃないけどよぉ…」
「そうか」

サウンドウェーブが満足そうに笑う。
口元だけが少しだけ動いて笑うのだ。後は口調でわかる程度だけど。

「嫌になったら言え」
「……っん…」

聴覚機能をつかさどる部位に舌を押し込まれてに卑猥な音が体内に響いた。
一度でなく、何度も何度も同じところを違う角度から溜められて
水音が鳴り始めるころにやっと自分は嫌だと言えた。

「ま、って」
「嫌か」
「っ…そ、そこ嫌…なんだ…」
「そうか。わかった」

するとサウンドウェーブはキャノピーの隙間に指を差し込んできて開こうと動く。
何をされるかが大体わかる。駄目だ。そんなことされたら大声だしちまうよ。

「まっ…だから駄目だっ…て」
「何故だ?」
「そ、その…俺…声押されられねぇからよ…」
「……わかった」

何がわかったんだか立ち上がると指先でサンダークラッカーの顎を少しだけ撫でた。
その手の動きに流されるようにサウンドウェーブの顔をみる。
そこでは普段よりも数段と感情の読み取りやすい顔があった。

「…サ、サウンドウェーブ…?」
「スタースクリームが何されているかは見たな」
「…ん、んん」
「あれをやれ」
「……ん?」
「少し口を開け」
「……ま、待ってくれ…その、もしかして…」

現在位置からでは見えないんだが先ほどメガトロン様が
スタースクリームの下半身にやっていた行為を自分が?


「む、無理言って…!!」
「スタースクリームが下手なのか、ジェットロンが下手なのか。お前次第だな」




*




「んっ、んっ…」
「…疲れたか」

立膝をして少し上を向きつつサウンドウェーブの一部を口に含むと
サウンドウェーブは顎が辛くないかと手で顎を撫でてきた。
心配してくれているのにその手の動きに背筋がこそばゆくなる。
ぞくっと跳ね上がると口の端から飲み込めない口内オイルが漏れた。
顎まで伝うとそれを指で拭う。その動きですら。


「は、うんどうぇーふ…」
「どうした…」
「…よく…ない…?」
「……」

表情のないこいつが驚いているのに気付いたのは長い付き合いだからだろうか。
ただ単に普段よりもマスクの分露出しているからだろうか。
サウンドウェーブは顎を撫でていた手で口の端から漏れるオイルごと口の周りを
撫でた。小さく左右に首を振って頭を撫でてくる。

自分は、デストロンに似つかわしくないと思っている。
そんなつもりはないのだけれど、優しいだとか、気が小さいだとか言われる。
この目の前の男はデストロンの中でも優秀で、残虐で、仲間からも嫌われて
いるような男だ。だったらそんな嘘つかなくても良いじゃねぇか…

気持ちよくないって言えば良いのによう。

なんとなくむなしくなって、口内にいっぱいサウンドウェーブを含んだ。
こんなことするの自体初めてだし、どうやれば喜ぶかもわからない。
コネクタの先を舌先で何度も撫でる。隙間や筋に吸い付いて少しでも煽った。


「っ…サンダー…クラッカー…」
「…さうん…どえーぶ…?」

撫でていた手が一度だけ反応して、サウンドウェーブの低い声が熱を帯びたのに
気付いた。少しだけ嬉しくなって更に舌をせわしなく動かす。

「……もう放せ」
「んっ…!でも…」
「いい」

頭を撫でていた手が止まって押し放すようにされる。
普段なら素直に言うことを聞くのだが悔しさが残ったので更に強く吸った。

「サンダークラッカー」
「んっう…っ…ん」
「っ…っぐ…!」
「っ…んんっ!げほっ…!!」

サンダークラッカーがサウンドウェーブを放して俯くとその口内からは白いオイルが
漏れ出た。自分で口を押さえて零れないようにするがサウンドウェーブは
サンダークラッカーのその手を掴むと口から放した。

「だせ」
「……んっ…」
「飲まなくて良い。だせ」
「……っは…あ」

口を開くと糸を引いてオイルが零れた。
落ちたオイルが床に円を描いて広がる。それを薄目でサンダークラッカーは
見つめるとまたいたたまれない気持ちになる。飲み込めなかった。

「…大丈夫か」
「んっ…ごめっ…」
「口内にだすつもりはなかった」

そういうと再度頭を撫でてきた。
見上げるとサウンドウェーブに怒っている様子はなく、満足そうで、少しばかり
ほっとする自分がいる。
こんなことしても嫌じゃないなんて俺はきっとこいつのことが、そこまで考えて
サンダークラッカーは頬が熱くなるのを感じた。

「……サンダークラッカー」
「…な、に?」
「ここに触れる…」

親指の腹で唇を往復される。
サウンドウェーブは確かに触れてくることはあるが唇に触れてくることはなかった。
触れるの意味が指で触れるの意味ではないことには気付いている。
何も言い返さないとサウンドウェーブは床に膝をついて顔を近づけてきた。

「……サウンド…ウェーブ…」
「少しだけ口を開けろ」
「んっ…い、いま、口の中その、オイルだらけで」
「構わない」

顔の距離がゼロになって重なるとねっとりとした舌が口内に入り込んできた。
口の中にまだ吐き出されていないオイルが残っている。それを舐め取って舌を
吸われると腰が抜けるような快感が走った。
舌にサウンドウェーブの吐き出したオイルを擦り付けられると唾液とは違う味に
背筋が震える。なんだか気恥ずかしくなったのでアイセンサーを
サウンドウェーブから少し外して倉庫の壁をみた。


「っ…!!」
「…」
「んんっ!んんっ!!!」
「…なんだ」
「メ…!メガトロン様!」

サウンドウェーブが振り向くとそこには銀色に輝く機体の我らが軍団の長。
メガトロンがいた。
腕組みし、壁にもたれるその姿は「見てしまった」などという弱気さを感じさせず
最初からそこにいたかのような威厳を放っていた。


「随分と集中していたようだな…?」
「……」
「メ、メガトロンさまっ…そのっ!」
「メガトロン様。スタースクリームは?」
「ん?あやつか?容量オーバーで落ちたわ。そこで寝とる」


サンダークラッカーは立ち上がるとスタースクリームのいるだろう物陰を覗いた。
たしかにばったりと倒れたスタースクリームがそこにはいた。下腹部から
オイルが床に広がっているのは先ほど自分が口内に含んでいたそれと同じ色合いだ。

「いつからお気づきで」
「愚か者め。最初からだわい」
「さ、最初…!」

かっと脳内に先ほどの自分達が再生される。
ひっと喉を引きつらせて両頬に手を当てた。
あんな所を誰かに見られるなんて恥以外の何者でもない。
自分とてスタースクリームとメガトロンの行為を見ていたのだから文句は
言えないのだがそれでもやはり大帝にこんなところを見られるというのはサンダー
クラッカーにとって恥辱である。


「で、どうだった?サウンドウェーブ」
「口淫か?」
「スタースクリームはまだまだだな。おどおどとしていて舌使いがなっておらん」
「そうか」

スタースクリームの近づいて行きつつ背後の会話を聞いた。
やばい、今、顔、絶対見られたら気持ち悪いぞ俺…
顔は真っ赤で、アイセンサーは驚きと恥辱で明滅しながらひとつのものを
捉えようとせず、足取りもふらふらだ。

スタースクリームは疲労した顔で倒れていた。腹部はぺたぺたしていて処理が
必要そうだ。背後でまだ嫌な会話が聞こえる。もう聞きたくない。
聴覚機能を完全遮断まではいかないまでも集音を小さくした。
下手にサウンドウェーブが「まだまだ下手糞」だとか「ただの遊びだ」とか
言ってるのを聞いてしまったら自分からは2度とサウンドウェーブに
触れることは出来ないと思ったからだ。






「サンダークラッカーとは接続しないのか?邪魔してしまったな」
「いや、まだサンダークラッカーと接続したことがない」
「なに?まだなのか」
「あぁ」
「珍しく慎重だな、調教せんのか」

「今のサンダークラッカーで十分だ」


マスクを閉めずに口角を上げるとメガトロンは驚いたようにアイセンサーを見開いた。
その後メガトロンも同じように口元だけで笑うと「そうか」と呟いた。

メガトロンは意外なものを見たと内心微笑んだが
今の一連の会話を聞き取れなかったサンダークラッカーはサウンドウェーブの本心を
知ることはないだろう。




---------------------------------------------------------

音波サンクラリクでした!両想いリクだったのに地味に空回ってます…
音波→←サンクラみたいな。うちのサンクラは自分に対してすごい過小評価なので
スタスクみたいに「俺様って超美形!スマート!」って
考えもないし、誰かに必要にされても「なんで俺なんだろう」くらいの過小評価。
そこがかわいいんだよ…
リクエストした方は反転お願いします↓
こんばんわ!リクエスト有難う御座います^^音波サンクラリクはひとつだけ
だったのでちょっと長めに書いたんですがえろ度は低めですね…
えろ祭の意味が…すいません><
スタ&サンクラ受けがお好きとのことだったのでちょっとだけスタスク受けも
入れてみました!リクエスト有難う御座いました!(以上反転でした)