全部同じだ。 前にいるこいつも、後ろにいるこいつも。 全部同じだけどどこか違う。 でも俺と同じだから。 「愛してんぜ」 「てやんでぃ。笑わせんな」 insanity スタースクリームは両手をスカイワープの頬にやって支えると覗き込んだ。 顔を破顔させて笑うこいつは可愛い。元が整ってるからなぁ。 スカイワープの瞼に舌をおいてなぞるとまた「へへっ」と小さく笑った。 「スタースクリーム。くすぐってぇ」 「可愛い」 「お前もだよ」 「久し振りだもんなぁー」 後ろから聞こえた声はサンダークラッカーだ。 気怠げに俺らの行為を見ながらも、顔はにやにやとしている。 あーあー。いやらしい顔つきだ。俺様にはそんな顔できねぇなぁ。 でも良い、そこが。大好きな自分と同じ顔がそこにいて俺をみて、笑う。 それが良いんだよ俺と同じ顔が俺のできない表情で俺をみてる。 そこが最高に気持ちが良い。 「っあ…やばい。そこ、それ…」 「やらしい顔してんぜ…スタースクリーム」 「んっ…うぁっ」 「あ、やべっ…くる」 薄暗くしたスカイワープとサンダークラッカーの部屋の中央で2体の金属生命体が蠢く お互いを鏡のように同じ体勢で、手をはわせ、支え合い、キャノピーからでたコードを 互いのキャノピーへ差し込む。 それより若干細いコードを首へ頭へ脇腹へ太股へ差し込んでいけばもうどれが 自分のケーブルがわからない上にもはやどこまでが自分の意識内なのかもわからない。 小さく刻むようにパルスを送り、全てのケーブルに同じように刻んで見たり どれかに強く偏った送り方をしたり。 体のオイルの流れやらパルスのリズムやらを他人に変えられるのは恐怖だ。 自分以外の、他人のコネクタなんか受け入れられない。 体中の防衛反応が作動してはじき返すか逆にそいつを狂わせる。 俺たちのやってることははっきり言っておかしいんだ。 危険と隣り合わせて、いつヒューズがぶっ飛んで動かなくなってもおかしくない。 サイバトロンなんかがこの行為を見たら狂ってるというかもしれない。 あぁ、案外あいつらもやってたりしてな。 なんだかんだでサイバトロンの連中も気狂いが多い。 「スカイワー…ップ。もう飛ぶ…!とんじまっあ!ああ!」 「っあ…あぁ。俺もやばっ…はっ…良い。その顔。その顔好きだ」 互いに立膝をして向かい合うように支えあっていたが、それもそろそろ限界だ。 体が崩れないようにスカイワープの首に腕を回す。 引き寄せて唇をあわせて舌で舐めあげるとスカイワープは嬉しそうに笑った。 同じように口内に舌をいれてかき回してくる。ちらりと後ろを覗き見ると サンダークラッカーも嬉しそうに見ている。何が見てて楽しいんだよ。変態め。 「スっ…スカイ…っ!ひっ…っあっあっ…!!」 「っとぶ…あっ!スターッスクリー…っ」 スカイワープの首に回していた腕を強く締め付けて軽く痙攣を起こす。 同じようにスカイワープが俺の首に腕を回した状態で何度がはねた。 身体から熱と快感が引いていく。ひとつため息を吐いて身体を離すと キャノピーから熱くなった不純なオイルがもれでた。 スカイワープのキャノピーに触れて熱くなっているオイルを手に取る。 そのまま自分の口にいれて味わうと苦い、駄目になったエネルゴンの味がした。 「へっ、俺様の味はどうよ?」 「熱いし、まずい」 「って事はお前さんのもそうだろうよ?」 キャノピーで繋がってるコードも、首や脇腹で繋がっているコードもすべて抜いて スカイワープが俺のキャノピーに舌をあてる。熱いオイルを何度も 舐めて流れ出るオイルを全て飲み干して、きれいにしていく。 「あぁ、まずい。純度が最低レベルのエネルゴンの味だ。」 「言ってくれるじゃねぇかよ」 「おいおい、お二人さん。終わったんなら俺とどっちか遊ぼうぜ」 「サンダークラッカー…」 「俺はもう無理だ。これ以上はまじでおかしくなる」 「俺はまだいけんぜ?こいよ、サンダークラッカー」 身体を引き離してスタースクリームは2人の寝台、正確にはサンダークラッカーが 座っていたエネルギー補充のためのチャージポッド兼寝台に座った。 そこに腰掛け、スカイワープが散々舐めてくれたおかげで綺麗なキャノピーを見た。 しかしべたつきが残っているので、手でキャノピーを拭って今座っている他人の 寝台に擦り付ける。後々文句がくるかもしれないが今のこの状況じゃわかんねぇだろ。 「んっ…」 「っあ…」 外から見ていても酷くエロイ。自分じゃないが自分と同じ機体が絡み合う。 サンダークラッカーが自分たちの行為をにやにやしてながらを見てるのを 変態だ、趣味が悪いと言ったがこれは確かに笑うしかない。 身体がぞくぞくする言い表せない感覚。俺の身体がそこでよがってるんだ。 サンダークラッカーがスカイワープの唇に舌を押し込んでいくのが見える。 スカイワープも甘んじて受けつつ、指先でそっとキャノピーをあけて 接続部に中指を押し込んでいく。 サンダークラッカーが少し跳ねるのをスタースクリームは視認した。 スカイワープもわかっているようでそのまま淵をなぞりつつ指を奥へ奥へと 入れていくとサンダークラッカーは甘く声を出した。 サンダークラッカーは唇から舌を抜いてスカイワープの頬をなぞり始める。 スカイワープは顔を触られるのが実は好きだ。 すぐへらへら笑って喜ぶからわかりやすい。 笑い始めたスカイワープに気をよくしてるサンダークラッカーは 自分のキャノピーからでてるコードをすでにスタースクリームとの 接続で開いたままのキャノピーの接続部位にカチンと音がするまで押し込んで ゆっくりとパルスを流し始めた。 そこまで眺めてスタースクリームは身体の冷却が終わったのを感じた。 さっきまでサーキットがおかしくなるのではないかと言うほどの熱は 身体から逃げていた。放熱しきり、すでに冷静さも取り戻したし、もう大丈夫だろ。 ゆっくりと立ち上がるとスタースクリームはその部屋を後にした。 2人は気づいているのかわからないが一言「部屋もどるわ」と言うと サンダークラッカーが腕を上げた。 スカイワープは酷く意識混濁しているように見える。大丈夫か?あいつ。 後ろから聞こえる喘ぎ声から意識を離すと扉を出た。今まで扉が少し開いていたようだった。 周りを見渡したが誰も居なくて大丈夫そうだったので少し安堵のため息を漏らす。 ジェットロンはブレインサーキットがぶっとんだおかしい気狂いとか言われかねない。 扉のロックして防音もしっかりと確認した。 「ニューリーダー様はお優しくなきゃなぁ」 身体の倦怠感とどこかスッキリした感覚を持ち合わせながら自分の部屋に向かった。 ------------------------------------------------------------------------ 私の中の3羽はこんな感じ。 全員エロイことばっかり考えてますよ。 スタスク=決まった相手とだけ。気分が乗ってるときだけ。わがまま。 スカワ=気分が乗ってなくてもなんとなくで結構誰とでもできる子。 サンクラ=スタスクとスカワだけ。できるだけ他のデストロンには隠しておきたい。 このエロジェットロンめが!